イランという国で
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2010年 03月 02日 |
 調査のお供で5日間、マーザンダラーン州内を回ってきました。
 自分自身の調査のために同じカスピ海岸州であるギーラーン州をうろうろしているのですが、同じカスピ海岸でもなんとなく雰囲気が違うなあと実感した旅でした。

 これまでの14年に渡るイラン生活の中で、イラン人自身に「どこそこ?」とあきれられるような場所にまで出かけているのですが、意外と訪れていない場所というのはあって、その一つがマーザンダラーン州でした。さかのぼってみると、10年ほど前にギーラーン州との境界に近いチャールースという場所で一泊、7年ほど前にラムサール条約で有名なラームサル(こちらの発音の方が現地音に近い)に一泊しただけで、いつも通過するばかりだったのです。ショマール(カスピ海岸地方を示すペルシア語)好きのイラン人に「どうして?」と呆れられていたのですが、機会がなかったのですから仕方がありません。一応、イラン全州を訪れたことになっているのですが、よくよく考えてみたら、ホラーサーン州が三つに分割された後、北ホラーサーン州は訪れていませんでした。

 それはとにかく、言語的にかなり異なる方言を使用するギーラーンとマーザンダラーンは、そこに住む人々の気質も異なるのだとか。
 両地方の言葉が私の知っているペルシア語とかなり異なるのは分かるのですが(彼らが方言で話していると外国にいる気分になるほど)私には区別はできず、また、気質はそれほど違いが分かりませんでした。「マーザンダラーニー(マーザンダラーンの人・言葉の意味)はギーラーニー(ギーラーンの人・言葉の意味)よりも性格が悪い」と言う人がいたのですが、とくにそんなこともなかったように思います。
 ギーラーンでもそうなのですが、「ショマールの人はフーンサルド(冷血・冷静くらいの意味)だ」と言われます。これはそうかも、と思います。「冷たい」という意味ではなく、アルボルズ山脈の南側の各地に住む人々や、アゼルバイジャン方面のトルコ系の人たちとは違って、親切を前面に押し出して親切にするのではなく、ある意味素っ気ないくらいの態度でいながらも親切というところが、確かにフーンサルドかも、と思うのです。
 道を尋ねると、ぶっきらぼう・無愛想でありながら、必要な情報はきっちりと教えてくれ、しかしそれ以上にはこちらに絡まないというところが何となく新鮮だったりするのでした。

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マーザンダラーンの山中の村。なんとなく、ヨーロッパ風に見えるのが不思議


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2010年 02月 24日 |
 金曜日からテヘランの天気は不安定で、時折雷雨に襲われています。昨夜は強風を伴う雨で、また雨漏りをするのではないかとはらはらしてしまいました。
 それにしても、二重サッシに取り替えてもらってから二三年は何ともなかったのですが、ふと気がつくと窓枠と窓の間に隙間ができているというのはどういうことなのでしょうか?アパートが年々ゆがんでいるということなのか?と、少々不安になってしまいました。

 ずっとこぼしていることですが、雨が降ると停電したり電話が止まったりするのはどうにかしてほしいなあと思うのです。しかし、イランの人たちにとっては、年間数日しか降らない雨雪のことは別に考慮をする必要がないようです。雨漏りがするから隙間をふさいでほしいと言うと、「何か布でも置いておけばいいでしょ?」と言われて終わりです。

 とりあえず、今度休みができたら、シリコンを買ってきて、隙間埋めに励まなくてはいけないようです。でも、一番大きな、窓と窓枠の隙間はどうしたものかと悩むのでした。

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2010年 01月 24日 |
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 調査中のカスピ海岸地方では、野生の水仙が花盛り。
 親指の先ほどの小さな花が群れて咲く様子に、寒い中がんばっているなあと思うと同時に、もうしばらくすると春がやってくるのだなあと思います。

 それにしても、春が来たかと思うようなテヘランとは違って、カスピ海岸地方はずいぶんと寒くびっくりでした。しかし、例年に比べると雨や雪は少ないそうで、今から夏が心配されているそうです。
 調査の都合からいえば、晴れていてくれる方がもちろん助かるのですが、しかし、水不足はもっと困るので、調査のない日だけ雨が降ってくれないかな、などと都合のいいことを考えつつ、雨は降らないのにどんよりとした曇り空を見上げて日差しを待ってしまうのでした。

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by sarasayajp | 2010-01-24 12:01 | いろいろ |
2010年 01月 20日 |
 もう一つのびっくりは、カーゼルーンのホテルです。
 以前はカーゼルーンにはホテルはなく、バストイレ共同の安宿しかありませんでした。ところが、今回、我々の予算内でホテルが予約できたということで、一体どんなところなのだろうとわくわくしながらホテルに向かったのでした。
 しかし、カーゼルーンの町で聞いてみても、そのホテルの存在を知る人はまだほとんどいないようで、何となく心配になってきます。
 それでもなんとか到着してみると、カーゼルーンの町外れの、ここから先はビヤーバーン(砂漠・荒れ地)だよ、というような場所です。道路もまだ完成していません。
 ホテルに入ってみると、「もしかしてこれは未完成なのでは?」という雰囲気がこれでもかというくらいに漂っています。
 事実、私たちが宿泊した一角以外はまだ完成していないとのこと。
 というか、私たちの泊まった部屋もまだ完成はしていませんでした。
 一応きれいにはなっているものの、天井からは照明用の配線が下がり、窓ガラスもシールが貼られたまま。私の部屋はアパートメントでキッチン付きになる予定らしいのですが、キッチンになるべき場所はまだがらんとあいたままです。
 ま、安く泊まれたんだからいいのか、と思うことに。

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こんなに大きなホテルがこの町に必要なのか?と思っていたら、イスラーム自由大学の寮としても一部利用する予定もあるとのこと。そういえば、以前、タバスの宿でも半分がこの大学の寮になっていました。


 地方では国内外の観光客を集めようと、新しいホテルを建て、がんばっているようです。テヘランでも新しいホテルがたくさん建てられてはいるのですが、高い料金設定のホテルしかないのはどうなのかなあと。と、旅行関係の知人にこぼしたところ、「某機関が利権を握っていて、小規模な安い宿を建てようにも許可が下りないし、嫌がらせがすごいんだよ。だから、安めの宿は革命前からのものだろう?」とのこと。
 そういえば、安くていいホテルだ、と思った新しいホテルも、あっという間に料金がつり上がってしまいます。もちろんテヘランの物価が他の都市に比べて異常に高いということもあるにしても、どうやら、裏には色々とあるようです。

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燦然と輝くシャープールの像。よくみると、Internation Hotel。いんたーねいしょん?

ホテルの正面看板に間違いはまずいのでは?


 大変なんだなあと思いつつ、でもやっぱりなんとかならないかなあと、とりあえず、調査で回っている各地の聖者廟にお願いしてくるしかないようです。

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おまけ
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宿
2010年 01月 18日 |
 また旅行ネタに戻って。

 今回の旅行では6カ所に宿泊しました。
 イランの宿の問題は、高い宿か安い宿しかなくて、中級の宿が少ないということです。別に安宿でも構わないのですが、やはり荷物の安全の問題や、トイレや洗顔のたびにヘジャーブで部屋を出なくてはならないというのはやはり少々面倒なので、室内にバストイレのある宿を選ぶことになってしまいます。
 ところが、この値段でこの部屋?と首をかしげたくなる宿が多いのが中級から高級ホテルだったりするので油断なりません。不思議と蚤や南京虫にさされるのは中級以上の宿が多かったりもしますし。

 ということで(?)、なかなか料金と中身の釣り合った宿が見つけにくい中級の宿を泊まり歩いたのですが、大当たりあり、びっくり仰天ありと、なかなか盛りだくさんでした。

 びっくりは二カ所。
 アルデスターンというところのツーリストイン。
 まず、予約をした後に宿の責任者から連絡がありました。
「実は、今改装中で、予約の時期までに終わるとは思うのだけど、でも終わらないかもしれないので、そうすると音や臭いで迷惑を掛けてしまうかもしれなくて。1泊ならともかく、3泊だと大変かもしれないし。それでも構わないでしょうか?」とのこと。
 昼間は外に出ていますし、タースーワー、アーシューラーの見物のために夜も出かけているはずなので大丈夫、と答えると、「ああ、そうか。その時期だった。じゃあ工事も休みだ」とのこと。予約日を確認してから電話をしてきたのでは?と思わず突っ込みを入れたくなってしまいました。

 と、予告はされていたのである程度の覚悟はあったのですが、宿についてびっくりです。

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一歩入るとこんな感じ。床は全部はがされ、様々な配線等がむき出しに。


 これは本当に営業しているのだろうか?と思わず不安になったのですが、レストランも宿泊も問題ないようです。というか、我々が予約をした二階にある4室を除いては全面改装中で、とてもそう簡単には工事が終わりそうにない雰囲気です。

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二階はこんな感じ。この奥に我々の泊まっていた部屋が並んでいる。


 恐らく我々しか宿泊客はいなかったと思うのですが、朝食には何組もの客が姿を見せるのがなんだか不思議な感じだったのでした。

 こんな状態でも、客を泊めることのできる部屋があるなら泊めてしまえ、という商売熱心さ(?)には感心してしまったのでした。

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おまけ・宿の庭にたくさん落ちていた松ぼっくり。


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2010年 01月 16日 |
 ここしばらく暖かなテヘランですが、これについて数日前にBBCがおもしろいニュースを流していたのだとか。
 なんでも、ネットや携帯電話等を妨害するために政府が流している妨害電波が原因で、テヘランの気温が上昇しているのだとのこと。

 つまり、テヘランは電子レンジの中状態ということなのでしょうか。

 そういうことが本当に起こるのかどうかは分かりませんが、テヘランが例年に比べるとずいぶんと暖かいのは間違いないようです。

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2009年 12月 23日 |
 21日の夜はシャベ・ヤルダー(冬至の夜)でした。

 今年はモハッラムの始まりと重なったため、犠牲にされる羊とすいかが並んで売られているという、哀悼と楽しみという相反する行事が並ぶ不思議な雰囲気でした。カメラを持っていなかったのが残念な光景でした。

 
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 アーシューラー期間ははイブやクリスマスと重なり、さらにアーシューラー当日はある層のイラン人にとって大きな意味を持つモンタゼリー師の初七日とも重なります。地方の小さな町でこの日を迎える予定ですが、どんな日になるのでしょうか。

 明日からしばらく地方を回ってくる予定です。ネット環境には期待できないため、テヘランに戻るまで更新は難しいと思います。
 みなさま、よいお年をお迎えください。

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2009年 12月 21日 |
 調査中、昼食のために入った街道沿いの食堂でのこと。

 食堂の一角におかれたテレビでは、コペンハーゲンで行われているCOP15で演説をするために、大統領閣下がテヘランを発ってデンマークに到着したというニュースを流していました。

 閣下自ら行くのね。まあ、こんな機会でもないとヨーロッパなんて訪問できないものね、閣下は。などと思いながらぼんやりと考えながら、同じくニュースを見ていた知人に「テヘランの大気汚染を何とかしてから、温暖化防止の提言なり演説なりすべきだよねえ」と言ったところ、妙に受けてしまったのでした。
 どうしたのかと思ったら、夏にイスタンブルで行われた両国の首脳会談で閣下が、「トルコもイスラーム銀行を設立すべき」というようなことを言ったのだとか。その時に「イラン国内の銀行をすべてイスラーム銀行にしてから他国にも提言をすべきだと批判されたんだよ」とのこと。
 イラン国内の国営・民営の銀行はどれだけ高利子であるかを競っているように見えます。長期預金だと20パーセントくらいになるのではないでしょうか。これは利子を禁じたイスラームに反するのではないか、という点についてはイラン自身も気になっているらしく、海外向けの国際放送などで「あれは利息ではなく『投資に対する配当である』」と強弁しているようですが、イラン人自身は「利息」と認識していますし、どう見ても利息以外の何ものでもありません。実際、預金よりも貸し付けの方が断然利率が高いのですから、銀行が利益を出すためにそうしていると言われても不思議ではないように思います。普通預金には利息を付けないのがせめてもの装いかもしれません。

 イランにももちろん、「ガルゾル・ハサネ」とよばれる無利子銀行はあります。その多くは慈善活動という位置づけのようです。私がイランに来た頃は小規模なものが多かったのですが、最近は大規模に事業を展開しているところもあり、特にバスィージ系の無利子銀行は農村部などを中心に急速に支店を増やしていて、「こんなところにも」とびっくりすることもあるくらいです。

 銀行利息などないに等しい日本人としては、なけなしの貯金をイランで殖やそうかなあという誘惑に駆られないでもないのですが、利息とインフレ率を比べてみて、通貨の安全性を考えてみて、なんとなく踏み切る気になれずにいるのでした。

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by sarasayajp | 2009-12-21 12:13 | いろいろ |
2009年 12月 19日 |
 大学内のある教授から、ねちねちとした嫌がらせを受けていてうんざりしています。
 ある日、「いい加減にしてもらいたいものなんですがねえ」とある日本人にこぼしたところ、「死んだ後に化けて出て来られないから、生きているうちにしつこくからむのでは?」と返ってきました。

 そういう見方もあるかと少し気分が変わりました。

 確かにイランでは死んだ後に化けて出てくる文化(?)はありません。死ねばそれで終わり、あとは最後の審判を待ちながら、週末ごとに家族に会いに戻ってくるだけです。

 イランでは、亡くなった家族の魂が週末ごとに家族に会いに戻ってくる、と言われていますが、自分の埋葬された墓に戻ってくるのか、墓はシンボルのようなもので「家族の許」へ戻ってくるのかは人によって考え方が少しずつ違っているようです。
 しかし、とにかく、日本のような生前の姿をとった「幽霊」ではありませんし、「死後に恨みを晴らす霊」「恨み故に成仏できない霊」というのもいないようです。

 ではイランにいわゆる「幽霊」がいないのかというと決してそうでもないようで、日本人同士で怪談をしていると、「そんなものはいない」と言い切るイラン人もいれば、その存在を認めているらしい人もいるようです。「自分も見た」「金縛りにあった」という人もいます。とはいっても、「知人や家族の霊につきまとわれた」とか「霊障で困っている」「自分を悩ます霊を徳の高いルーハーニーが成仏させてくれた(あるいは追い払ってくれた)」とかいった話にはならないようです。もしかすると、きちんと調査をしてみたらそういう話もあるのかもしれませんが、少なくとも、私の周囲ではないようです。

 そういえば、誰かをしつこく恨む人を「キーネ・ショトル(直訳すると駱駝の恨み)」と言います。駱駝は誰かに受けた仕打ちに対する恨みを忘れず、何年経ってもそれを晴らさずにおかないのだそうです。そこから来ている言葉なのでしょうが、個人的にはちょっとのんびりしたイメージで、深く・しつこく恨みつづけるという感じではないのでした。実際の駱駝は気性も荒いし、人の言うことをなかなか聞いてくれないのだそうですが。

 精神的・物理的に迷惑を被ってはいますが、幽霊になって出てこられるほどのエネルギーではないでしょうし、まあ、日本に戻るまでしばらくの間、適当にやり過ごすしかないようです。

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by sarasayajp | 2009-12-19 21:46 | イラン人 |
2009年 12月 02日 |
 仕事で市内をあちこち移動中、ラジオで「新型インフルエンザのワクチンがイラン入りしました。接種の優先順位は…」というアナウンスが。
 先日のコメントでは有料で接種が行われているとのことでしたが、これは無料接種ということなのだろうかと注意して聞いてみたのですが、そのあたりはよく分からず、なんとなく消化不良な気分でした。

 イランのニュースはいわゆる5W1H(懐かしい言葉。今はもう言わないのかも)が欠けたニュースも多く、「だから何?」と突っ込みを入れたくなることもしばしばです。

 恐らく、インターネットで拾ってきた情報をつなぎ合わせてニュースや解説、制作番組を作るからなのでしょうが、私でも突っ込めるような間違いを堂々と放送していることもあってびっくりすることもあります。もしかすると、自分にとって都合の良い情報だけを拾っているだけで、間違いではないのかもしれませんが。

 イランのニュース解説のようなものを聞いていると、ある特定の人物の言葉がやたらと引用されていることに気がつきます。チョムスキー、ビル・ドゥラント、フランシス・フクヤマなど、何人かの名前が繰り返し聞かれます。「彼らはこう主張している」と言うのですが、一部の言説は本人が「それは間違った解釈だ」と主張しているものなので、それを繰り返し放送していいのかなあと思うくらいです。
 とにかく、反グローバリズムらしい言説、西欧文明に対する疑念の表明を少しでも行うとその部分だけを引用するようなので、全体的な本人の意図はどうでも良いのかもしれません。

 それにしても、日本の著名な研究者井筒俊彦氏の著作、『超越のことば―イスラーム・ユダヤ哲学における神と人』を紹介する際も、「ユダヤ哲学」の部分を削って紹介する徹底ぶりには、ちょっとびっくりだったのでした。

 もっとも、こうした恣意的な編集は、どんな国のマスコミでも行われていることなのでしょうが。

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by sarasayajp | 2009-12-02 11:58 | いろいろ |
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