イランという国で
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サマータイム [2008-04-09 11:20 by sarasayajp]
規則 [2008-01-27 12:36 by sarasayajp]
寒波 [2008-01-13 11:13 by sarasayajp]
翻訳 [2007-11-10 18:31 by sarasayajp]
ダメもと [2004-12-09 01:29 by sarasayajp]
一匹狼気質 [2004-11-26 16:31 by sarasayajp]
ラマダーンの思い出~その2 [2004-10-25 13:15 by sarasayajp]
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2008年 04月 09日 |
 原稿の修正や企画書作成などがたてこみ、プチ引きこもりの日々でした。



 昨日はノウルーズ休み後初めての授業でした。
 授業で使うプリントを用意し、さてそろそろ出かけようかと支度をしていると電話が鳴りました。
「先生。今日は一限目から授業がありましたよね。学生が待っているのですが」
「は?まだ時間じゃないですよね?え?時計が止まって…あ!!」
「サマータイムですよ」

 そうなのです。
 サマータイムが始まっていたにもかかわらず、時計を直していなかったのです。大急ぎで大学へ向かい、学生たちには振り替え授業を行うことで許してもらいましたが、新年早々大失敗です。

 去年、「欧米の習慣であるサマータイムを使うメリットはない」という大統領閣下の鶴の一声で廃止されたサマータイムが今年はなぜ復活したのか、テレビも新聞もほとんどチェックしない日が続いていたので、実は理由がよく分かっていないのですが、システムをころころと変えるのはやめてほしいなあと、自分の失敗を棚に上げてついつい文句をつけてしまったのでした。


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2008年 01月 27日 |
 大学の期末試験も終わり、新学期まで一週間の休みです。もっとも、まだ採点が全部終わっていないので休みどころではないのですが。

 学期の終わりになってようやく、「そういえば、先学期の給料を出していなかったっけ」と思い出したのか、先学期の給料が支払われました。先学期といえば夏休み前の学期です。非常勤の先生同士で「6ヶ月以上支払いが遅れたんだから、利息も付けて欲しいよね」などと、半ば本気で笑い合うような遅れぶりです。

 まあ、それでも出たというのなら受け取りに行かなくてはと、会計課へと小切手を受け取りに行きました。それを銀行へ持って行き、口座に振り込んでもらおうとしてふとおかしなことに気がつきました。
 私は先学期、6コマ12単位の授業を担当していました。その前の学期も同じです。ところが、先々学期の給料と比べて先学期の給料は随分と少ないのです。時給単位が下がったとも聞いていないしおかしいなあと、とりあえず換金するのはやめて家に戻りました。
 次に大学へ行ったときに、学科長を捕まえて「ちょっとおかしいと思うんですけど」と訴えてみたところ、「あ、そうそう、非常勤の先生は10単位以上を教えてはいけないという規則があったので、あなたともう一人の先生は2単位分の給料が支払われていないのですよ」とのこと。
 その場にいた先生方全員で唖然としてしまいました。
 そういう規則があるのなら、どうして先学期の時間割を大学に提出したときにそれが指摘されなかったのでしょう。つまり、私たちはただ働きですか?とあきれていると、「とりあえず、今学期分の給料に残りの2単位分が加えられるようにしておきますから」とのこと。先々学期はそういう規則がなかったけど先学期にはそういう規則ができていたのか?と不思議なのですが、そういう通知は全く記憶にありませんし、他の先生方にしてもそうだったようです。

 これまでにもイランの事務のあれこれには、文句を言いつつも慣れていたつもりでしたが、まだまだ甘かったということを思い知らされた出来事だったのでした。

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2008年 01月 13日 |
 昨日は日射しもあって、久しぶりに気温が上がったような気がする一日でした。

 それにしても、バグダードで100年ぶりくらいに雪が降ったというニュースにはびっくりです。いかに強烈な寒波がこの地域を覆っていたのかを実感してしまったのでした。


 この寒波で滑走路が凍結し、空の便は正月からずっと混乱しています。
 1月中は日本から来られる方のアテンドの仕事がいくつかあり、これまでスケジュールの変更やら何やらでばたばたしていました。
 昨日も日が落ちてからはまた随分と冷えてはいたのですが、そろそろ寒波にも立ち去って欲しいなあと、寒波到来から二週間目を超えて、しみじみと思わずにはいられないのでした。

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2007年 11月 10日 |
 この週末は、寝込んでいた間にできなかった仕事を片付けよう!と決意をしていたのですが、気がついたらひたすら寝ているだけの週末となってしまっていました。溜まる一方の仕事に、これはちょっとまずいのでは、とは思うのですが、身体の方がなかなかいうことを聞いてくれません。年をとるというのは無理がきかなくなるということなんだなあとしみじみ感じてしまう今日この頃です。

 溜まっていく一方の仕事というのはほとんどが翻訳の仕事なのですが、ジャンルが様々な上に、ペルシア語→日本語だったり、日本語→ペルシア語だったりで、ちょっとくらくらしています。

 こんな風に翻訳を引き受けていて、それから大学で色々な人と話をしていてちょっと不思議に思うことがあります。
 自分の研究対象とする国の言葉も知らずに研究をしている、あるいはしようとしている人が意外と多いということです。

 日本の経済、教育、建築、言語学等々ジャンルは様々ですが、「英語を使えば十分研究できるから」と日本語を勉強する気はないという人が、どうしても使わざるを得なくなったからと日本語の資料や論文の翻訳を持ち込んでくるのです。
 確かに、日本関係の研究をするのに日本語は絶対に必要ではないかもしれませんが、少しくらい勉強しておいた方が良いんじゃないの?と思ってしまう私の方がおかしいのでしょうか。

 「翻訳ソフトもあるし、自分で勉強する必要なんてない」と言う人もいて、なんだかちょっと考えてしまったのでした。確かに日本語→英語なら翻訳ソフトも沢山ありますし、ネット上でも翻訳サイトはあります。しかしそれにだけ頼っていて本当にいいの?という感じもするのですがどうなのでしょう。

 言葉の翻訳や置き換え、定義などちょっとしたところで厳しい突っ込みを入れられてしまう人文系の学会や研究会を体験していると、こういうおおらかな考え方というのはちょっとカルチャーショックであったりするのでした。

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2004年 12月 09日 |
 論文が審査に通って無事学位を取れたらどうするのか?
 イラン人にもよく聞かれるのですが、この質問が実は一番答えに困るのです。

 本当に、当てがないからです。

 ずっと以前に言われた言葉ですが、「サラさんって、イランにいてこそ価値がありますよね~」なのではないかと。
 随分とひどい言われ様なのですけど、実際に、反論できるだけの材料がないので、「そうかもね~」としか返せないのです。

 イランの学位を日本では欧米で取得した学位よりも価値がないとする傾向がありますし、日本での所属大学もイラン関係とはあまり縁がないですから、大学や研究所での就職はまず無理でしょう。
 ペルシア語も外国語大学のペルシア語科を出た子たちの方がずっと良く話せますしコネも多いですから通訳としても難しい。しかし何か特技があるわけでもなし。

 結局「情報屋」として一番価値があるのかなあ、と、思わずにいられない時があります。

 それでも一応、就職活動らしきものはしてみたのです。

 先日お話しした某団体がイランにオフィスを置くかもしれないというので、イラン人を見習ってダメもとで言ってみました。
「オフィスができる時には現地職員として雇ってくださいよ~」
「あ~、一応公募が基本ですので」
 あっさり玉砕でした。

 後で打ち上げ夕食会の中でこの話を他のメンバーにしました。
「イラン人を見習ってダメもとで言ってみたんですけどダメでした~」
「あら~、本当にイラン人を見習うなら、百回くらい言わなきゃダメでしょう~」

 さすが皆さんイラン人をよく分かっていらっしゃいます。

 駄目でもともとなのだからとにかくトライ、一度くらい断られてもねばり強くアタック。やはりイラン人はたくましいのだと納得してしまいました。

 さて、私の三ヶ月後はどうなっているのでしょうか?

2004年 11月 26日 |
 気分が落ち込んでいる理由。

 部屋に入り込んだ一匹のはえがうるさいこと。
 忙しいこと。
 わがまま勝手なイラン人にほとほと疲れ果てていること。

 ペルシア語のチェックを頼んだ人が、全然仕事をあげてきません。こちらが頼んだ期日を二ヶ月近く遅らせているため、こちらもいい加減腹が立ち、少々きつい口調で催促メールを出しました。
 すると、まあ、「いかにあんたのペルシア語に問題があり、いかに自分が正当であり、正しい仕事をしているか」という激烈なメールが返ってきました。

 まただよ。メールを読んでため息が出ました。

 「仕事」に対する概念が違うので、仕方がないと言えば仕方がないのですが、頭の痛いところです。仕事をするということがどういうことか分かっているのか?と怒鳴りつけたくなることもしばしば。
 プライドの高い人たちなので仕方がないのかもしれませんが、一緒に仕事をするには難しい人が多いのも確かです。
 何といっても、まず、「私があなたの仕事をしてあげているのだ」という意識であるため、こちらのニーズに応えるということは考慮されません。

 そしてもう一つ、学歴が高くなると、「人に雇われる」ということに対しても抵抗感が強くなります。官公庁などに勤めるのでしたらあまりそれには抵触しないようなのですが、個人に雇われるということはとてもプライドに差し障りがあるようです。

 今回のペルシア語チェックの彼もそうですが、例えば日本語通訳でもそうです。
 日本で働いていたことのあるイラン人は、「働く」ということがどういうことか、理不尽なことも多少は我慢しなければならないということがよく分かっていますので、彼らは日本側からの要求に非常によく応え、誠実に仕事をしてくれます。
 ところが、海外に出たことがなく、大学の日本語学科で日本語を勉強した人たちは、「私たちは学士なんだ」という意識が非常に強く、給料が高く、楽な仕事しかしようとしません。
 例えば、取材や研究者のための通訳ですと、アポを取ったり、資料を取ったりという仕事も入ってきますが、彼らは「こんなことは自分のする仕事ではない」と言い、「通訳」というおいしい部分しか取りたがりません。そのくせ、給料は沢山もらいたがります。コーディネートをしないなら、その分を減らされるのは当然だろうと思うのですが。
 アポを取ったり、資料を集めたりという仕事は地味で、また嫌な思いをすることもあります。彼らはそれが嫌だと言うのです。学士号を持っている自分たちがどうして人に頭を下げなければならないのだと言うのです。

 お金をもらうってそういうこと?学歴ってそういうこと?と思わずにいられません。

 個人経営の商店や企業ばかりのはずだよと思わずにいられません。
 人に使われたくないから、さっさと独立してしまう。
 それが悪いことだとは言いませんけど、何かが違っているような気もします。結局、独立といっても何か独創的なことをするわけでなく、人と同じことを個人でやっているだけ。だから大きな仕事などできやしないわけで。

 寄らば大樹の陰という日本と、一匹狼のイランと。
 どっちもどっち、と思いはするものの。
 イラン人が憧れる「日本のような経済発展」を達成したいなら、もう少しその気質を変えないと難しいかもよ、といつも思うのです。
2004年 10月 25日 |
 前にもお話ししたことがありますが、私は以前IRIB(イラン国営放送)の日本語放送でバイトをしていたことがあります。

 バイト中にラマダーンにあたったこともあります。
 この間のバイトは色々な意味で大変でした。

 勤務時間は12時から6時までで、通常は昼食休憩がありました。
 しかしラマダーン中は当然、昼食休憩はありません。スタッフが日本人だけならお弁当を持っていったでしょうけど、イラン人スタッフが何人かいて、まじめに断食をしているのでその目の前でお弁当を食べるのも悪くて、自然とこちらも断食状態でした。
 とりあえずこれは家を出る前に食べることでしのいだのですが、移動時間もあり午前10時くらいにお昼を食べることになり、4時半からの生放送は空腹を抱えての本番でした。

 IRIBではエフタールの時間になると、「エフタールセット」をその時間に勤務している職員全員に配っていました。
 パンとチーズ、ナツメヤシ、おかし、果物がパックされたもので、その頃エフタールの時間だった5時前に配られていました。

 このエフタールセットを配る時間が、日本語放送の生放送時間とちょうどぶつかっていたことが我々スタッフにとって面倒を引き起こすもととなってしまっていたのでした。

 スタジオの機材を扱うスタッフはイラン人で、局内にいるからにはまじめに断食せざるを得ません。そのため、エフタールの時間が近づくとエフタールを食べることしか考えられない状態になっています。
 そのため、しなくても良いようなミスが沢山出たものでした。そしてそのミスを、「日本人の指示が悪い」としてこちらに押しつけてくるのですから大変です。

 本番中に機械を操作しながらエフタールを食べている人もいました。食べるのに夢中でこちらの指示を見ていないので、放送に妙な間が開くこともままありました。
 また、何といっても驚いたのは、エフタールセットを探しに、マイクをオンにしたままブースを離れてしまう人もいたことです。この時はニュース原稿を読みながら血の気が引きました。ブースの向こう側にスタッフがいないのですから。もう一人のアナウンサーに原稿を任せ、音を立てないようにスタジオを出て、技術者を探すという、恐ろしい出来事も何回かありました。

 自分の仕事に対する責任を果たせないで行う断食に意味があるのだろうかと、思わず考えてしまったものでした。

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