イランという国で
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2007年 12月 03日 |
 マシュハドからテヘランに戻り、空港から家へ向かうタクシーが女性専用無線タクシーでした。
 女性一人の客には女性運転手であるこのタクシーということだったようです。
 去年テヘランに生まれた「女性のための女性運転手によるタクシー」というのは話には聞いていましたし、市内を走っているのを見かけてはいましたが、自分が乗るのは初めてでした。単純に機会がなかっただけなのですが。

 狭いタクシーの中で男性の運転手と二人きりになるのが嫌だ、という女性たちの意見で(プラス妻や娘たちの安全を願う家族たちの願い)生まれたというこのタクシー、この一年で随分と数が増えたようです。

 ぴかぴかの緑の車体に、しっかりとカーナビも装備して、颯爽と運転する女性たちはがんばっているのでしょう。
 イランに来て以来、男性の運転手しか経験がないのでそういうものだと思っていましたが、考えてみれば、ムスリム女性でなくとも、男性運転手と二人きりになってしまう車内というのは緊張感があるのは確かです。女性客を狙った運転手による強盗殺人や強姦の話も時々聞きますし。

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 私の乗ったタクシーの運転手はチャードルの小柄な若い女性です。走り始めてまず、「行き先は?」と確認。私が「ギーシャー」と答えると、しっかりとカーナビをセット。「ギーシャー(革命前の呼び方で今でもこちらの呼び方が一般的)って、クーイェ・ナスル(現在の正式な地名)のことよね?」と確認。
「あ、下からじゃなくて、ハキームの方から入ってください。その方が近いから」
「ハキーム?そんなところからは行かないでしょ?ジャラーレ・アーレ・アフマド(私が言うところの“下”)からでしょ?」
「いや、そちらは渋滞が酷いし、うちはハキームからの方が近いから」
「ハキームからギーシャーへ入る所なんてあった?」
「ありますって」
「そうなの?」
 ちょっと不安そうにしながら駐車場から一般道へ。
 運転は男性に比べるとスピードもそれほど出さないし、無理な車線変更もしないしでちょっと安心でした。

 私の道案内通りにアパートの前まで来て、「これで道をまた覚えたわ」とにっこりする彼女に、がんばれ、と思ったのでした。

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2007年 11月 22日 |
 このところ、タクシーを使うときに家賃を聞かれることが増えています。
 お金の話はしたくないので、大抵は「答えたくないから答えない」とか「どうしてそんなことを言わなくちゃいけないの」とか、聞こえなかったふりとかで答えないようにしているのですが、こちらが答えるまでうるさく聞き続ける運転手も多いので嫌になります。

 どうしてこんなに家賃を気にされるんだ?と思ったのですが、何と言うことはない、このところの不動産価格の異常な上昇で、家賃相場が「これで本当に普通の人が借りられるのか?」と思うくらいになっているからでした。
 私が住んでいるところが、周囲の地区に比べると少し家賃相場が高いところなので、この家賃相場の上昇でどのくらい家賃が上がったのか聞いてみたかったということのようなのです。

 確かに、次の契約更新の時にどのくらい家賃の値上げをされるのか考えると頭が痛かったりします。

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 この不動産価格の上昇を当て込んで、テヘラン各地でアパート建築が盛んに行われています。
 ところが、このところ、コンクリートや鉄筋など、建築資材が粗悪になっているのだそうです。品質の良いものは海外に輸出をして、安くて品質の悪いものばかりが国内に流通しているのだとか。コンクリートも政府が決めた価格があるのですが、その値段で買おうとすると何ヶ月も待たされるという嫌がらせをされるため、領収書には書けない上積みをしてなんとか手に入れる状態なのだというのですからすごいです。高く買わされたコンクリートを節約するため、基礎の部分などで色々と混ぜものをするということもごく当たり前に行われているそうです。
 また、建築許可を取るため、電気を通してもらうため、ガスを通してもらうため、いちいち関係する役所の担当者に領収書に書けないものを渡さなければならないとか。
 こういう話を聞いていると、新築物件というのは高くなるのは当然だし、粗悪品と混ぜものでできているかもしれないなら怖いかも、という気がしてきます。

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 そうやってとにかく完成までこぎ着けたアパートも、普通の人が買うには難しい価格になっています。銀行などのローンもありますが、それほど大きな金額を貸してはくれませんし、銀行によっては利息が50パーセントにもなるというのですから腰が抜けそうです。この利息を聞いたときには、日本の消費者金融などかわいいかもと思わずにいられませんでした。
 イスラームは利息を禁じていたんじゃなかったっけ?と、イランに来て以来持ち続けている疑問がより一層大きくなるような利息です。

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 現大統領がテヘラン市長だった時代にも不動産価格が上がって大変でしたが、経済のことを分かっていない人物がトップにいて、行き当たりばったりなめちゃくちゃな指示を出すと、大変な思いをするのは普通の人たちばかりだというのが良く分かります。
 さて、契約更新はどうなることやら、数ヶ月後のこととはいえ、今からため息が出そうな気分です。

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2004年 12月 11日 |
 昨日の高熱は何とか微熱程度まで下がったのですが、どうやら風邪を引いたらしく、尾籠な話しですが、くしゃみと鼻水が止まらない状態です。イランのごわごわなティッシュペーパーで、鼻の皮がむけるのも時間の問題でしょう。

 イランにも日本のような柔らかいティッシュペーパーもあるのですが、今日買い物に行ったバッガーリーではちょうど品切れだったのです。

 最近でこそ品質が良くなってきたティッシュペーパーですが、私がイランに来た当時は本当にひどいものでした。
 紙の質もごわごわでしたし、何といってもひどかったのが、ティッシュペーパーが切れていないということでした。一枚をボックスから引き抜くと、ずるずると、切れていないティッシュペーパーが何枚分もつながって出てくるという代物だったのです。
 あるいは、引き抜くと、紙が詰まっていてちぎれてしまうというものもありました。これは紙の重ね方が悪いために、上手く一枚だけ引き抜けないことから起こるものでした。


 そうしたティッシュペーパーも最近は品質が良くなり、特にchashmak(瞬きとかウィンクの意味)というティッシュは十分に合格点がつけられます。
 ただ、このchashmakティッシュ、これまでは二枚重ねのものが主流だったのに、去年くらいから三枚重ねが多くなってきました。三枚重ねですと、まるでペーパーナプキンのようで、鼻をかんだりするには向きません。ボックスも大きくなってしまい、最後の方は取り出すのが大変です。

 どうしてこんな不便なティッシュが流行りだしたのかと、ベッドの中で考えてみました。

 イランでは、テーブルを拭いたりするのにあまり布巾を使いません。ほとんどの場合ティッシュペーパーを使うのです。手を拭いたりするにもハンカチを使いません。これもティッシュペーパーです。
 このように使う場合、柔らかくて薄いティッシュは向かないのでしょう。そのため、いまだにごわごわなティッシュも流通しているし(値段が安いということもありますが)、柔らかいティッシュをわざわざ分厚くするのだと思います。

 しかし、今の私は柔らかなティッシュが必要なので、お願いだから店に常備しておいて、と願わずにいられないのでした。
 それとも、日本以外の国ではティッシュペーパーはこんなものなのでしょうか。
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by sarasayajp | 2004-12-11 19:10 | いろいろ |
2004年 12月 10日 |
 今日は朝からぴかぴかの晴天。
 雨の翌日だし金曜日だし、テヘランの後背の山脈はさぞやきれいに雪景色を見せているだろうと、買い物を兼ねて外出してきました。

 外は冷え込んでいるだろうと、Tシャツにブラウス、フリースを重ね、その上からコートにスカーフで外へ。
 きりりと冷たい空気に吐く息が白く、足下の水たまりにも氷が張っています。フリースを着て出てきたのは正解でした。

 アパートの裏手の高速道路脇の歩道へ出てみると、思った通り、麓近くまで真っ白に雪化粧した山々が朝日に輝いていました。この分ですと、テヘラン北部の村々はもう雪に埋もれているでしょう。

 昨日までの雨が凍って滑る坂道を転びそうになりながら、金曜でも開いている八百屋とお菓子屋へ。

 私の住んでいる場所は坂の上のちょっと高いところなので、雪が降ったり氷が凍結したりすると買い物に出るにも命がけ、という恐ろしい場所なのです。四年くらい前に割と多く雪が降った年は、自動車が全然このあたりまで上がって来られず、買い物や大学へ行くのもままならず、非常に難儀をしたものでした。

 デジカメがあればこの景色をお見せすることができるのでしょうが、そろそろ寿命が来ているらしいPC買い換えを優先せざるを得ないので、残念ながら、デジカメはまたこの次になりそうです。
 それでも、ちゃんと家賃を払って生活して、PCを買える程度にはバイトができているのですから有難いことです。仕事を下さる方に感謝しなくてはと、大晦日も元旦もまだなのに、なんだか改まった気分になってしまった朝でした。


 帰ってきてからしばらくして気付いたのですが、なんと、この買い物兼散歩の時点でとんでもない熱を出していました。道理で関節が痛いはずです。
 明日までに終わらせなくてはいけない原稿があるので、よれよれしながらPCの前に座っているのですが、風邪でもないのにどういうことなんでしょう。珍しく殊勝な気持ちになっていたのが悪かったのでしょうか。慣れないことはするものではありません。
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by sarasayajp | 2004-12-10 15:37 | いろいろ |
2004年 12月 10日 |
 昨日のテヘランは一日中雨。
 このくらい雨が降れば空気もしっとりしそうなものなのですが、暖房がしっかり入った部屋の中は、洗濯物があっという間に乾いてしまうほど乾燥しています。当然人間の皮膚もかさかさに乾燥してしまいます。

 ある人が冗談交じりに言っていました。
「イランのご飯を食べて食べて、油が皮膚からにじみ出るくらいにならないとこの気候に耐えられないのよ」

 イランのご飯はかなり油を使います。それが皮膚からにじみ出てくるほどとは、一体どれほど油分を摂取しなくてはいけないのかと考えるとめまいがしてしまいます。
 そんなことをして体脂肪率も一緒に上げるくらいなら、たとえボディローションが欠かせまいと、節制した食事をしたいと思います。


 暖房といえば、口の悪い私の友人(日本人)は、「あれだけ厚い脂肪を着ているんだから、寒さをシャットアウトできるんじゃないの?動物だってみんな冬になると太るのってそれでしょ?」と言うのですが、どうなのでしょうか。私の目から見ると、暑がりの寒がりというイラン人が多いような気がするので、脂肪層の暑さは寒さ暑さの遮断には役立っていないように思います。

 いくら寒がりだとしても、お風呂の中にまで暖房を入れるというのは日本人の目から見るととても贅沢に見えるのですが、どこでもそんなものなのでしょうか。イラン人に言わせると、「お風呂の中に暖房がないと寒くて風邪を引いちゃうでしょ」だそうです。
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by sarasayajp | 2004-12-10 05:44 | イラン人 |
2004年 12月 07日 |
 最近困っていること。

 ゴキブリの活動が活発になっていること。

 イランは天然ガスの埋蔵量に関して言うと、世界で二番目の埋蔵量を誇っているのだそうです。
 そしてこの豊富な地下資源は実は、石油と違って輸出がしにくいものなのだそうです。
 一番簡単で効率の良い方法がパイプラインによる輸出なのだそうですが、周辺諸国を眺め渡すと、仲が悪かったり、経済状態の問題でガスの輸入どころでないという国ばかりで輸出もままなりません。

 その有り余るガスを国内で消費しているのです。
 おかげで農村部はともかく、都市部においてはほとんどの家庭が何らかの形でガスの暖房を使っています。一泊300円くらいの安宿でも冷房はともかく暖房と温水シャワーはあるのですからすごい国です。

 ところが、この暖房のおかげで、秋になって活動が鈍っていたゴキブリたちが元気になってしまうのです。
 外から戻ってきて、部屋の中に彼らの死骸を見つけるのは嫌なものです。
 私のアパートは大家さんが春になると必ずアパートの内外に殺虫剤をまいてくれるのですが、この時期になるとそれも効果がなくなるのでしょうか。

 それにしても彼らは、どうして人目につかない場所で死んでくれないのでしょうか。

ちなみに
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by sarasayajp | 2004-12-07 02:32 | いろいろ |
2004年 12月 03日 |
 朝から冷えるなーと思っていたら、ちらちらと雪が舞っていました。つもるほどの雪ではなく、本当に細かな雪が空中を舞っているだけだったのですが、「ああ、冬が来たんだなあ」と実感してしまいました。

 イランというと、「砂漠の国」で、「年中暑く」て人々は未だに「らくだで移動している」と思われているようです。
 実際には、「土漠の国(※1)」で、「妙にはっきりと四季があり(※2)」、「自動車大好き」な人たちが住む国なのですが。

 テヘランもそうですが、ずっと南の地域まで冬には雪も降ったりします。

 その雪がちらちらと降る中買い物へ。
 それも何カ所かによらなくてはいけなかったので、贅沢にもタクシーで。

 途中、アルメニア人が多く住む地区を通ったのですが、クリスマスの飾りやカードが売られていて、クリスマス気分を味わうことができました。
 この数年、イラン人の間でも、アメリカ風のクリスマスの飾り付けが流行しているようで、なぜかホテルや個人宅できらきらとした飾り付けがされたツリーを見ることができるようになっています。結局、イラン人はアメリカ文化が大好きなんだよなーと実感してしまいます。

 アルメニア人は正教徒ですしムスリムへの気兼ねもあるのか、あまり派手にクリスマスを祝うことはないようです。
 知り合いのアルメニア人のお宅におじゃましても、手作りのリースにろうそくが飾られているくらいで、ツリーをきらきらと飾り立てることはあまりしていないようです。

 そういえば、ホテルなどで(もちろんほとんどが政府経営)ツリーを飾ったりクリスマスソングを流したりするのに、ムスリム家庭でツリーを飾ることにはやはりまだうるさく言う人がいるようです。
 時々ここでご紹介するレイラちゃんのお宅での話しですが、レイラちゃんのお母さんはイラン人と結婚したためムスリムにされてしまいましたが、本当ならキリスト教徒になるための洗礼を受ける直前だったのだそうです。
 そういうお母さんの事情と、ちょっと家の中を華やかにしてみようかということで、ツリーを買って飾り付けをしたのだそうです。
 それだけなら何の問題もなかったのでしょうが、レイラちゃんは子供ですから、学校で「私の家にはツリーが飾ってあってきれいなのよ」と言ってしまったのだそうです。そうしたら大変です。先生から、「ムスリム家庭で何ということをしているのか」という圧力がかかり、ツリーをしまわざるを得なかったそうです。
「この子が、外で黙っていられるようになるまでは駄目だわ」
 とお母さんは笑っていました。

 明日は金曜日ですし、空気もきれいでしょうから、晴れたなら雪景色の山々がきれいに見えるのではないかと楽しみです。


※1 日本人が恐らくイメージするサハラ砂漠のような「砂の」砂漠はイランにはほとんど存在しません。ほとんどが、塩の浮いた「土漠」です。

※2 イランは春分の日を正月とする暦を使っているのですが、三ヶ月毎に季節を分けます。そしてまた見事に、ほぼこの三ヶ月毎に季節がぱっと切り替わるのです。
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by sarasayajp | 2004-12-03 02:23 | いろいろ |
2004年 11月 24日 |
 イランの住宅事情についてご質問がありましたので、イランアパート事情について。

 とはいっても、テヘラン以外の都市についてはよく知らないので、テヘランのアパート事情です。

 テヘランは地方からの人口流入が激しく、日々膨張している都市です。
 そのため、住宅に対する需要も多く、数年前からアパートの値段が跳ね上がりました。バブル到来です。また、建築材料の品質を落とし、あるいは違法建築を行って安く造ったアパートを高く売るという悪質業者も多く、欠陥建築だらけとなってしまいました。

 テヘランは、一戸建ての家は案外少なく、ほとんどがアパートです。
 革命前は一戸建ても多かったのですが、一戸建てのオーナーが老後の資金のためにと、自宅をアパートに建て替えて売るというケースが増えています。
 また、アパートの値段が高騰したため、地方から出てきた人や若い夫婦などには買えない、あるいは借りられない価格となってしまい、彼らは自分たちでも払えるような面積が小さい部屋を探すようになりました。
 そのため今度は、古くて一世帯あたりの面積が大きかったアパートを建て替えて、一世帯あたりの面積を小さくし、部屋数を増やして収入増をはかる大家も増えました。テヘラン周辺部の新しく建てられているアパートは、大きな敷地に小さな部屋がたくさん入ったアパートがほとんどです。



 アパートは、日本でマンションを買うのと同じように買うのと、賃貸とあります。
 賃貸は、一ヶ月毎に家賃を払う方法と、多額のデポズィットを払って月々の家賃を支払わないという方法、デポズィットと月々の家賃を組み合わせるという三つの方法があります。

 デポズィット制は一年ごとの契約で、契約を更新するたびに、デポズィットを増やすか、月々の家賃を増やして契約を更新します。契約を解消するとデポズィットは全額戻ってきます。
 デポズィットとして預かったお金を大家は銀行に預け、その利息を家賃として取るのです。イランの長期預金の利率は一年定期で平均7パーセント(5年定期だと18パーセントという銀行も有り)を超えており、元金が多ければ家賃分くらいの利息が出るため、大家にとっては本当に払ってくれるかどうか分からない月々の家賃を取るよりも確実であるというメリットがあります。また事業を行っている場合、デポズィットを次の建築を始めるための資金とすることもできます。

 デポズィットを沢山用意できないという場合、デポズィットと家賃を組み合わせて支払う方法をとることもできます。
 テヘランでは、デポズィット100万トマーンあたり、一ヶ月の家賃を3-4万トマーンと計算します。
 つまり、例えば、1千万トマーンのデポズィットというところを、500万トマーンにして、毎月15-20万トマーンの家賃を払うのです。


 私が住んでいるアパートは、築25年以上という古いアパートです。革命前に新興住宅地として売り出した地区で、その当時はテヘランの郊外だったそうですが、今やテヘランの中です。ちょっと有名なところで周辺に比べると少し家賃相場は高めですが、まあまあ、いいところです。
 夫婦と子供2~3人で、平均よりも少し収入の多い家族が住む地区でありアパートだと思ってください。

 面積は100平米の日本で言う2LDK。三年前に全面改装済み。バストイレ電話に冷暖房がついていて、三階建ての二階部分。駐車場はなし。
 デポズィットは500万トマーン(約60万円)、月々の家賃が15万トマーン(約1万8千円)。
 本当なら家賃はもう少し高いはずなのですが、毎月でなく、まとめて払うからということで少し安くしてもらっています。(こうすると利息が付く分を引いてくれるのです)

 契約更新の時は、普通、100万トマーンくらいのデポズィットを増やすか、家賃を2-3万トマーン増やします。このように家賃のインフレ率が高いため、安いアパートを探して、三年に一回くらい引っ越す家族も多いようです。

 私の部屋をもし買おうと思ったら、日本円で1千万円以上必要です。他の物価と比較してみると、住宅は異常に高いです。


 私のアパートは古いため、間取りがゆったりしていますが、新しいアパートですと、60-70平米というものも多いようです。知り合いが建てているアパートなど、新婚用にと50平米という部屋もありました。

 子供が二人という標準世帯で、一ヶ月最低32万トマーン(住宅費抜き)が必要と言われているテヘランで、デポズィットを用意することも家賃を払うことも、はっきり言ってかなりの負担のはずです。みんな一体どうやって生活しているのだろうと不思議でなりません。


 私は諸般の事情からサロンの一角を作業場にしていて、二部屋あるうちの一つは物置兼客室となっています。ここには、よくイランへ来る友人などが預けていった荷物が戸棚の中に、そして日本へ帰る留学生から買い取った家具が置かれ、すっかり、アパートの中のアパートの様相を呈しています。(布団など、合宿ができるくらいあります)
 イランに旅行にいらっしゃる方で、テヘランのヌシとのシェアでもいいという方には部屋を格安でお貸ししますので、どうぞご連絡下さい。
 というのは半分以上冗談なのですが、調査などで来る友人が滞在する部屋となっています。これも部屋が広いからできること。これで風呂にバスタブがあれば最高だったのですが。


 ちなみに、なぜ私がこんな大きなアパートに住んでいるかというと、大学へ通うのに便利で、環境の良いところという条件を優先したら、小さなアパートが見つからなかったというのが一番の理由です。本当なら家賃をもっと安上がりにしたかったのですが仕方がないです。生活費の半分くらいは住居費で消えているような気もします。イランの物価が安くて良かった。

 以前にお話ししたように、イランでは家族は一緒に住むものという考え方が強く、また地方から来る学生もほとんどが寮に入ります。そうしたことから、単身者用のアパートに対する需要が少ないのだと思います。
 日本の1DKのような小さな部屋もありますが、大抵が、駐車スペースが余ったからここに部屋を一つ作ってみようか、とか、地下のボイラー室の隣にスペースがあるからここを部屋にしてみようかといった、「余ったスペース」を部屋にしてみましたというところが多いので、あまり条件がいいとは言えません。
 テヘランで学生がアパートを探すのは本当に大変なのです。
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2004年 11月 21日 |
 電話が不通になって三日目、昨日(土曜)の夕方になってようやく復旧しました。

 聞けば、私のアパートがある小路とお隣の小路でもかなりの数の電話が不通になっていたそうです。私は気付かなかったのですが、近所の人が、生きている電話を探して隣近所のアパートを訪ね歩いていたそうです。恐らく私のところへは、外人だからということで来なかったのでしょう。

 朝からあちこち歩き回って疲れていた私は、夕方、ちょっと休もうとベッドに潜り込んでいました。うとうとしかかったところへ、インターフォンがけたたましく鳴りました。
 何事かと思ったら、「あんたんところでしょう?電話が壊れているのって?ちょっとしたまで来て」という声が聞こえてきました。
 チャードルを掴み、大慌てで下へ行ったところ、三人の男性が立っています。「じゃ、チェックするから」と、一人がなにやら受話器のような機材を取り出して電話回線のチェックを始めています。そして、もう一人が私に向かって、「このアパートは何回線入っているの?」「全部問題があるの?」と尋問です。「あ~ちょっと待ってください」

 大家さんは警察大学へ行っているので、奥さんを大急ぎで呼び出し、応対をお願いしました。
 チェックに来た三人はどうやらトルコ系の人たちだったらしく、奥さんはすぐにトルコ語に切り替えて話を始めました。そしてなにやら言い合いが始まりました。
 どうやら彼らは「チェックのため」だけに来ていたらしく、修理のためには別な人が来るからということのようでした。しかし奥さんも負けてはいません。「ちょっとその辺をいじれば直るんでしょ?お金は出すから何とかしてよ」「この子はね、木曜から電話がつながらなくて本当に困っていたのよ。仕事で電話が必要なんだから」とお金と人情に訴え、とどめが、「ハムシャフリーでしょ。お願いよ」でした。
 三人は、しょうがないなあという感じで、切れていた回線をつなぎ直し、ビニールテープでぐるぐるに巻くという応急措置をして、奥さんからシーリーニー(覚えてますか?)をもらって帰って行ったのでした。

 「ハムシャフリー」とは、ham=同じ、shahri=町の、という二つの単語の合成語で「同郷の人」といった意味です。テヘラン市役所発行の人気日刊紙のタイトルにもなっています。地縁・血縁を大切にするイラン人にとって、「ハムシャフリー」であることは大きな意味を持っています。ここで奥さんが言ったハムシャフリーとは、「同じイラン人でしょ」ではなくて、「同じトルコ人でしょ」だったはずです。あるいはもしかすると、同じ地方出身だったのかもしれません。アーザリー・トルコ語は地方によってかなり方言があるそうで、言葉を聞けば出身地が分かるそうですから。

 私は現在、イランという国に住んでいます。そしてここには数百人の日本人が滞在しているそうです。私はこの「ハムシャフリー」とハムシャフリーだというだけで親しくする気にならないことも多いのですが、海外に住むイラン人の多くは、「ハムシャフリー」と非常に緊密なネットワークを作って生活しています。
 イラン人はかなり保守的なところがある割に、海外への移住に比較的抵抗感がないように思います。家族とハムシャフリーがいればそれでよし、何とかやっていけるさ。
 イラン人を見ているとなんだかそんな感じがするのです。


 少し話がずれますが、アフガニスタンのハザラ族や、中央アジアのトルキャマン(トルクメン)系の人たちは、日本人と顔がよく似ています。町を歩いていてこれらの人たちと会うと、なぜかお互いに、「おお!ハムシャフリー」という気持ちになって見つめ合ったりしてしまいます。日本人や中国人、韓国人に会ってもあまりそういう気分にならないのに、何とも不思議な感じです。


 ちなみに、三人の工事人と奥さんのトルコ語での会話の部分は、実は半分くらいしか分からなかったのですが、内容には間違いはないはずです。こういう会話はなぜか分かるんですよね。
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by sarasayajp | 2004-11-21 02:50 | イラン人 |
2004年 10月 27日 |
 テヘランはこの数日かなり冷え込んでいます。大家さんがボイラー室のチェックをしていたので、暖房が入るのももうすぐでしょう。友人のいる寮ではもう暖房が入ったそうです。
 私のアパートは寝室が南側なのですが、こうして作業をする場所は北向きなので、夜は草履(竹皮草履愛用者です)を履いたつま先が冷たく感じてしまいます。

 こんな寒い夕方、エフタールのお裾分けとして差し入れられる各種のスープはとてもありがたく感じます。油が多いので太るだろうなあということさえ除けば。


 去年のラマダーンは、日本から調査のために来ていた友人と一緒に、毎日のようにエフタールに出かけていました。

 テヘランでは(恐らく他の都市でも)、一部のモスクやその他宗教施設(昨年は100カ所)では政府が資金援助をして、毎日のようにエフタールがふるまわれます。これは誰でもその席に連なることができるもので、近所の人たちが集まってきます。
 私たちも、アパートから比較的行きやすい場所を選んで毎日のように出かけ、そこに集まる人たちについて調査をしていました。

 テヘラン北西部にあるエマームザーデ(聖者廟)へ行った時のことでした。
 ここでは、廟内で食事をふるまうのではなく、アーシェ・レシュテ(イラン風麺入りスープ)だけを大量に配っていました。
 我々も一つずつもらい、それで手を温めながら空いた場所を探して歩いていました。冷え込みのきつい日で(11月上旬でした)、アーシュの暖かさがありがたかったことを覚えています。
 その時です、突然拡声器でアナウンスが入りました。
「アザーンはまだです!アーシュを食べないように!断食が無効になります!食べないように!!!アザーンはまだです!!!!!」
 周囲を見回せば、みんなアーシュを掻き込んでいます。
「寒いもんね」
「うん、さめたらおいしくないしね」
「でも、みんな断食をしていなかったってことだよね」
「そうだね」

 私たちは断食はしていませんでしたが、ちゃんと、アザーンを聞いてから少しさめたアーシュをいただきました。


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by sarasayajp | 2004-10-27 13:17 | イラン人 |
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