イランという国で
sarasaya.exblog.jp
  ブログトップ
<   2009年 11月 ( 4 )   > この月の画像一覧
|
|
2009年 11月 29日 |
 文学史の授業中、「外を歩いていて、菊の花の香りがどこからか漂ってきて、『ああ、秋だなあ』と感じる。そんなことない?菊に限らないけど、花の香りに季節を感じることはない?」と言ったところ、「そんな風に感じたことはありません」とのこと。香りの良い花がこんなに多いのに?

 同じく授業中、「満月が東の空から上ってきた、ということはここで表現されているのは一日のどの時間帯?」と聞くと、全く反応なし。
「先生、早く答えを教えてください」
 月が昇るところを見たことがないのか?と心配に。

 イランは詩の国と言われ、イラン人自身も優れた詩人を排出していることを誇ります。
 しかし、日本の文学の授業をしていると、本当にそうなのかな?と思ってしまうことがあります。いつもではないのですが。
 特に自然から何かを連想するのは苦手なようです。感情、特に恋愛感情に関係するものは反応が悪くないので、自然の様々な動きに思いを重ねるというのが彼らの文学の範疇には少ないからなのだろうなと思うのですが。

 でも、そうした文学の質の差、だけではないように思うこともしばしばです。
 彼らと話していて気がつくのは、文学に触れるのは教科書の中だけ、それ以外には滅多に本を読むことはないようだということです。教科書にあること以外には関心もなく、自分で考えるよりは先生に正解を教えてもらってそれを暗記することだけが勉強だと思い。何かを知ることではなく、一点でも多く点数を取ることが喜びで。
 こうした傾向は、イランの学生に限ったことではなく、日本でもそうなのかもしれません。

 そういえば、私の指導教官が授業中に学生に苦言を呈していたことがありました。
「私が学生の頃は、シャーナーメやハーフェズやモウラヴィー、サアディー、アッタール。とにかく著名な作品はすべて、『隅から隅まで』暗記するくらい読んだものだった。それなのに君たちは、こんな薄っぺらな、作品の一部を乗せて解説しただけの教科書を読むことですら文句を言う。話にならない」
 いつの世でも、「今時の若い者は」、なのかもしれません。厳しいことばかりを言っても仕方ないのかな、と思いつつも、でもじゃあどう指導したものなのやら、と思い悩む今日この頃なのでした。

b0006449_11343967.jpg

人気blogランキングへ
[PR]
2009年 11月 27日 |
 調査やら自分の仕事とは関係のない仕事に振り回され、あちこち走り回っていました。調査は自分の仕事なので文句はないのですが、人を小間使い扱いするなら足代くらい払ってほしいよと大学に対する文句を言いながら、文科省やら外務省やらその他あちこちをタクシーで行ったり来たりでした。

 そんな中で見つけた張り紙がこれ。ある機関の入り口に貼られていたもの。

b0006449_1158955.jpg

 「新型インフルエンザ流行のため、握手をしたり、抱き合って頬にキスしたりすることは堅く禁ずる」

 これを禁じられたら挨拶に困るだろうなあ、と思ったのですが、それ以前に、同じ部屋にいるだけでも感染してしまうのではないだろうかとちょっと疑問に思ったのでした。まあ、接触は避けるに限るのでしょうが。

 挨拶の際に握手をしたり、両頬にちゅちゅちゅと二三度キスをしたりする(音だけで本当にはしていないことの方が多いらしい)のは男性でも女性でもよく見られる光景。もちろん、親しくなければしないのですが、日本に比べれば親しさの基準が違うので、かなり頻繁に見かけます。
 今は見慣れてしまって別に何とも思わないのですが、イランに来たばかりの頃は、ひげの濃い、ごついおじさん同士がこうしているのを見て、「濃い光景だなあ」などと思ったものでした。

 日本ではワクチンの接種が始まったようですが、イランでは特に積極的には行われていないようです。予防接種を行っているパストゥール研究所に問い合わせてみようかとも思ったのですが、接種に行っている時間もなかなか取れない状態なので、とにかく感染しないように気をつけるしかないようです。

人気blogランキングへ
[PR]
by sarasayajp | 2009-11-27 11:58 | いろいろ |
2009年 11月 12日 |
 ここしばらく非常に忙しく、更新の間が開いてしまいました。
 その間に、「日本人ジャーナリストが取材中に拘束か?」というニュースがあったため、何かあったのではないかと心配して連絡をくださった方もいらっしゃいましたが、幸い、巻き込まれることもなく、大学と自宅と地方を行ったり来たりしています。

 もう一週間前になってしまいますが、アメリカ大使館占拠30周年記念日(イランでは、アーバーン月13日と呼ばれる)は、朝から午後まで授業がびっしりと入っている日でした。
外国語学部は大学寮のお向かいにあることから、何かあったら巻き込まれるのだろうなあとは思ったものの、大学が休校措置を執らなかったため、この日授業のある教員はとにかく大学へ行かなくてはならない状態でした。
もっとも、寮で暮らす学生たちの一部は寮内で起こるかもしれない改革派と体制派の衝突に巻き込まれないようにと地方にある自宅に避難していましたし、テヘラン出身の学生たちも早々に欠席宣言をする子がほとんどでしたので、本当に授業が成立するのかどうか半信半疑ではありました。

 実際に授業が始まってみると、学部の方ではほとんどの学生が欠席で授業は成立しなかったものの、大学院の方はほとんどの学生が出席という状況。そして幸か不幸か私はその日の授業がすべて大学院の授業だったため、4コマすべて授業を行うことに。
 後で聞くと、テヘラン出身の学生も家族が「巻き込まれるといけないから大学へ行ってはいけない」というので欠席だったとのこと。やはり、何が起こっても不思議ではないとみられているのだなあと実感したのでした。
 事実、エンゲラーブにある大学本部やその周辺では学生の衝突があったりして、かなり長時間騒然としていたようですから、そうした家族の懸念も当然だったのだと思います。

 それにしても、よくよく思い返してみると、私がまだ学生をしていた頃はデモ行進というと学生が動員されて、普段は体制に文句を言っているような学生も「マルグ・バル・アメリカ(アメリカに死を)」というプラカードを持たされたりしていたものですが、今は、下手に動員をかけると衝突を引き起こすかもしれないからか、そういったことがなくなっているようです。その代わり、まだ従順な中学生や高校生が動員されているのだとか。そうまでして「100万人規模のデモが行われました」というプロパガンダをしたいのだなあと、結果的に学生引き留めの役目を担わされてしまった教員は、なんとも微妙な気分になってしまったのでした。

人気blogランキングへ
[PR]
by sarasayajp | 2009-11-12 12:40 | いろいろ |
2009年 11月 01日 |
 先日、日本の駐在の方と話しているときに、「大学の新学期が始まると朝の渋滞がひどくなり、しばらくすると落ち着く」という指摘がありました。
 日本でも新学期が始まった頃は電車のラッシュがひどいのに、しばらくすると落ち着いてくるということもあるようですから、イランでもそういうことがあっても不思議ではないように思います。
 ただ、テヘランの大学生の大部分は自家用車で通学しているわけではないと思うので、それだけで渋滞がひどくなるのかどうか少し悩むなあ、と考えてみてふと「まさか、親が大学まで送っているわけではないよなあ」と思い、「まさか大学生にもなってそんなことは」と否定してみて、「でも、そういえばそういう話も聞いたなあ」ともう一度悩んでしまったのでした。外国語学部周辺は学生の乗ってきた自動車の路上駐車でいっぱいですし、人待ち顔の運転手の乗った自動車もよく見かけます。

 以前にも書いたことがありますが、テヘランでは子供、特に小学生はスクールバス、あるいは親同士がお金を出し合ってのタクシー、親自身が学校まで送るといったように、子供が一人で通学することはあまりないようです。
 私が大学へ通勤する途中に比較的大きな小学校と高校が道路を隔てて並んでいる場所があるのですが、朝の通学時間帯は子供を送りに来た親の自動車で道路がふさがってしまい、大変なことになっています。よく見れば殆どが近所の人たちで、歩いても通える距離なのにわざわざ自動車を利用するのです。私の友人がよく、「200メートル先のパン屋にも自動車で行くことが良いことだと思っているから」だそうですが、ちょっとした距離でも歩こうとしないというのは、生活道路レベルでも渋滞が起こる原因の一つではあるのだろうなと思うところです。

 そういえば、最近、政府のお達しによって、公立の小中学校の始業時間と公的機関の始業時間が変更になったそうです。
 なんでも、学校の始業時間が15分だか30分だか遅くなり、公的機関の始業時間が15分だったか30分だったか早くなったのだとか。そのため、子供を学校に送ってから出勤することが難しくなり、困惑する親も随分出ているとのこと。ジョークでしょうが、「一度出勤してタイムカードを押してから家に戻って、子供を送ってまた職場に戻るから渋滞がひどくなるだけだよ」と言う人も。実際にはまだこの措置は動いているわけでもないようなのですが、意味がよく分からない措置があれこれと出され、現場が混乱するというのはやめてほしいなあと思わずにいられないのでした。

人気blogランキングへ
[PR]
ページトップ
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Yuzuki Skin by Sun&Moon