イランという国で
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2007年 11月 26日 |
 日本米を買いに日本食材も置いてあるバーザールへ。
 「日本米、5キロちょうだい」
 「はい。他には?豆腐は?エビは?ショウガもあるよ」
 「エビもショウガもいらないけど、豆腐か~欲しいかなあ」

 と、ついつい、豆腐まで二丁も買ってしまったのでした。

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 私のすぐ隣にイラン人男性がいたのですが、私がパックに入れてもらっている豆腐を見ながら店員に「これ何?」と尋ねています。どう答えるかな、と思っていたら、

 「豆腐のチーズですよ」

 以前、日本でイランの人が豆腐をパニール(チーズ)と間違えるというお話しをしましたが(こちらを参照)、まさかイラン本国で、豆腐のことをそんな風に表現しているとは知りませんでした。

 もっとも、「豆腐のチーズ」と言われても、男性はぴんと来なかったらしく、「どんな味なの?」「どうやって作るの?」と色々と質問をしていたのでした。

 ここで売っている豆腐は、かなり固いので、冷や奴にして食べるには向きませんが、煮物や揚げたり炒めたりには向いています。二丁もあるので、これから二三日は、毎食豆腐料理になりそうです。

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 それにしても、こうして見てみると、しみじみパニールにそっくりです。これじゃあ、イランの人が日本で間違えるのも無理ないなあと思わずにいられないのでした。

 ちなみに、上の写真が豆腐で、下がパニールです。一応念のため(笑)。

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2007年 11月 24日 |
 昨日は、早めに片付けなくてはならない仕事がありながらも、何となく気分が乗らない日でした。集中できないまま、調べ物ついでにあれこれ見ていたあるページで見つけたジョークに笑ってしまいました。

「国際会議で最も難しいのは、いかにして日本人に喋らせるかと、またインド人をいかにして黙らせるかである」


 このインド人をイラン人に替えてもいいなあと。

 イランの人にこちらの用件を伝えるのはなかなか大変なときがあります。
 察しの良い人たちが多いので、こちらがもたもたと用件を話しているうちに、「分かって」しまうらしく、こちらの話が終わる前にぺらぺらっと返事を始めてしまうのです。もちろん、それで助かることの方が圧倒的に多いのですが、その「分かってしまった」内容が実はこちらの意図とは違っていたという場合は大変です。
 こちらが、「いや、そうではなくてですね」と言ってもなかなか切り替えができない人が意外といるのです。
 「だからこうなんでしょ」
 「あ、だからそうではなくてこういう…」
 「だから、こうだって言っているじゃない」
 「あ~そうじゃなくて、これがこういうことで…」
 「だから、こういうことなんでしょ!!」
 「あ~~~、お願いですから、話を最後まで聞いてください」

 ここに、「何々?」と援軍が加わってくるともう大変です。すったもんだとやりとりをした挙げ句に、「もっと早く言いなさいよ」と言われてしまったりします。「言ってるって…」というこちらのぼやきは日本語にとどめておかなくてはいけません。

 雄弁とか能弁というのが会話や演説のテクニックとして確立しているからでしょうか。あるいはそういう環境で子供の頃から育つからなのでしょうか。とにかくこちらの人はよく喋ります。(もちろん無口な人もいますが)大した話題でもないのによくこれだけ話が続くよなあと、思わず感心してしまうくらいです。友人などと話しているときに、「どうして話さないの?」と言われることがありますが、口を挟むどころではありません。

 ということで、イランに来て大分話すようになったとはいえ、私なんて、こちらの人に比べたら、まだまだ「無口な日本人」だなあと脱力してしまうばかりです。

 そういえば、「沈黙は金なり」にあたることわざがペルシア語にもあるそうなのですが、こちらでは、しゃべり倒した方が得なのかも?という感じがするなあともちょっと思ってしまうのでした。


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by sarasayajp | 2007-11-24 20:57 | イラン人 |
2007年 11月 23日 |
 1年生の会話の授業中のこと。

 暖房の効きすぎで教室が暑いと学生から苦情が出て、換気のできる空き教室を探してもらってそこへ移動することに。
 そんなこんなでばたばたして。予定していた内容をすべて終わらせるには中途半端な時間になってしまいました。まあ、ここまでは比較的順調に来ているしということで、用意していた材料の一つを次の授業に回して、学生とフリートークをすることに。

 一番話題にしやすいからということで日本のテレビ番組や映画、アニメーションの話になりました。
 私がイランに来て一番びっくりしたのは、テレビを付けると日本で昔私が見たことある番組ばかりで、日本のテレビを見ているかと思ったと言ったところ、学生たちは、そんな昔の番組が今放送されているのかとびっくりした様子でした。

 そんな話をしていたら、学生の一人から、「先生、どうして日本のアニメーションの絵は、みんな目が大きいんですか?」と質問が。

 思わずたじろいでしまいました。

 とにかく何か答えなくてはと、「難しい質問ですね~。正しい答えというのは多分ないと思います」などと場つなぎをしながら、思いつくままに話し出すことに。

「子供は顔の大きさの割に目が大きいですよね。大人はそれを見て『かわいい』と感じます。こどもはそうやって自分を守ってもらうのだそうです。つまり、人間は、目が大きい=かわいい、と思っているわけです。その考え方を利用して、目が大きな絵を描くことでこのキャラクターは『かわいい』のだと思ってもらおうとしているのではないかと、まあ、そんな風に先生は考えています。でも、わかんないです。本当のところは。ということで、そろそろ時間ですから、授業はここまでにしますね」

 それにしても、確かに言われてみれば、日本のアニメとか漫画というのは、どうして不自然なほどに目が大きかったり、あり得ないようなプロポーションをしているのでしょうか。まあ、そういうものだよ、と言われてしまえばそうなのですが。

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2007年 11月 22日 |
 このところ、タクシーを使うときに家賃を聞かれることが増えています。
 お金の話はしたくないので、大抵は「答えたくないから答えない」とか「どうしてそんなことを言わなくちゃいけないの」とか、聞こえなかったふりとかで答えないようにしているのですが、こちらが答えるまでうるさく聞き続ける運転手も多いので嫌になります。

 どうしてこんなに家賃を気にされるんだ?と思ったのですが、何と言うことはない、このところの不動産価格の異常な上昇で、家賃相場が「これで本当に普通の人が借りられるのか?」と思うくらいになっているからでした。
 私が住んでいるところが、周囲の地区に比べると少し家賃相場が高いところなので、この家賃相場の上昇でどのくらい家賃が上がったのか聞いてみたかったということのようなのです。

 確かに、次の契約更新の時にどのくらい家賃の値上げをされるのか考えると頭が痛かったりします。

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 この不動産価格の上昇を当て込んで、テヘラン各地でアパート建築が盛んに行われています。
 ところが、このところ、コンクリートや鉄筋など、建築資材が粗悪になっているのだそうです。品質の良いものは海外に輸出をして、安くて品質の悪いものばかりが国内に流通しているのだとか。コンクリートも政府が決めた価格があるのですが、その値段で買おうとすると何ヶ月も待たされるという嫌がらせをされるため、領収書には書けない上積みをしてなんとか手に入れる状態なのだというのですからすごいです。高く買わされたコンクリートを節約するため、基礎の部分などで色々と混ぜものをするということもごく当たり前に行われているそうです。
 また、建築許可を取るため、電気を通してもらうため、ガスを通してもらうため、いちいち関係する役所の担当者に領収書に書けないものを渡さなければならないとか。
 こういう話を聞いていると、新築物件というのは高くなるのは当然だし、粗悪品と混ぜものでできているかもしれないなら怖いかも、という気がしてきます。

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 そうやってとにかく完成までこぎ着けたアパートも、普通の人が買うには難しい価格になっています。銀行などのローンもありますが、それほど大きな金額を貸してはくれませんし、銀行によっては利息が50パーセントにもなるというのですから腰が抜けそうです。この利息を聞いたときには、日本の消費者金融などかわいいかもと思わずにいられませんでした。
 イスラームは利息を禁じていたんじゃなかったっけ?と、イランに来て以来持ち続けている疑問がより一層大きくなるような利息です。

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 現大統領がテヘラン市長だった時代にも不動産価格が上がって大変でしたが、経済のことを分かっていない人物がトップにいて、行き当たりばったりなめちゃくちゃな指示を出すと、大変な思いをするのは普通の人たちばかりだというのが良く分かります。
 さて、契約更新はどうなることやら、数ヶ月後のこととはいえ、今からため息が出そうな気分です。

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2007年 11月 20日 |
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 テヘランの冬の名物、大気汚染がそろそろ酷くなってきたようです。
 外出をするとテヘランが霞んでいるのがよく分かりますし、くしゃみ鼻水が止まらなくなってしまいます。子供や体力の落ちている人は大変だろうなあと思わずにいられません。

 夜毎写真のように20キロはあるミールを振り回し、身体を鍛えるおじさんたちを見習って、私も少し運動をしなくちゃなあと思うのですが、さて、何をしたら良いのやらと悩むところです。友人などからは、ヨガがいいよ、と言われているのですが。

 おじさんたちが振り回しているミールは、意外と持っている人がいるようで、自宅で振り回している人もいるようです。イランの男としてのたしなみでしょうか。

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by sarasayajp | 2007-11-20 12:33 | いろいろ |
2007年 11月 17日 |
 私の住むアパートにも何日か前から暖房が入りました。
 明け方など結構冷え込むので寝室だけ入れて、リビングなどはまだそのままにしてあるのですが、三階建ての二階にある私の部屋は、床や天井、壁を通る温水パイプのおかげでかなりぽかぽかとしています。というよりは暑いくらいだったりすることもあるのですが。

 毎年書いているような気がしますが、イランは冷暖房を効かせすぎです。
 適温に調整したり、付けたり消したりしにくい構造だということもあるのでしょうが、冷やしすぎで膝にストールを掛けながら仕事をしていたり、暑すぎて暖房を入れたまま窓を全開にしていたりするのを見ると、なんだか変だよと思わずにいられません。
 マータイさんではありませんが、「もったいない」なあと日本語で呟いてしまう季節がやってきてしまいました。本当に、「もったいない」を国際的に通用する用語にできないかなあと思うのですが無理でしょうか。

 暖房が入ってもう一つ大変なのが、乾燥に拍車がかかるということです。
 夜中に喉が渇いて目が覚めたり、朝起きると鼻の中や喉がからからになっていたり。特に今年は風邪で鼻や喉がやられているところに暖房が入ったので、これまで以上に大変です。今年こそは加湿器を買わなくてはならないだろうかと、財布の中身と相談中です。

 もったいないといえば、仕事のためにネットを通して調べ物をしたり原稿のやりとりをしたりと、ネットに接続する時間がかなり長くなっているので、重い腰を上げて、ようやくなんちゃってADSLを導入することにしました。
 申し込みをして、一週間から十日で開通しますから、とのことだったのですが、二週間以上経った今でもまだ開通していません。なのに、申込日から使用料を取られているというのはなんだか納得がいきません。結局、ダイヤルアップを使わざるを得ず、そちらでプロバイダー料や電話回線使用料を取られているわけで、なんかもったいないなあと思うのですが、何度電話をしても、「明日には」でらちが明きません。ある意味よくあることなので、文句は言っても特に腹を立てたりということはないのですが、それでもやはりがっくりとは来ます。

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 何か生き物が部屋にいると気持ちが和むかなあと、近所をうろうろしている子猫を拉致しようかと考えたこともあったのですが、仕事で何日も部屋を開けることも多いし、長期間日本へ帰ることもあるしで無理そうです。
 ということで、とりあえず元気な猫たちの様子を眺めて和む今日この頃なのでした。


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by sarasayajp | 2007-11-17 15:30 | いろいろ |
2007年 11月 16日 |
 サッカーのACLは浦和レッズがイランのセパーハーンを破って優勝したそうですね。おめでとうございます。

 当日は仕事から帰ってきて、何となくテレビを付けたらちょうど日本からの生中継で試合の様子が放送されていて、お昼を食べるのも忘れて見入ってしまいました。
全く関係ない話なのですが、浦和レッズの「永井」という選手の名前をイラン人実況アナウンサーが呼ぶ度に「長い」と聞こえるのが妙に印象に残った放送でした。

 それはさておき、川崎フロンターレ、浦和レッズと日本のチームが立て続けに対戦したために、「イスファハン(ペルシア語ではエスファハーン)」「セパハン(ペルシア語ではセパーハーン)」という名前が随分とネット上で知られるようになったような気がします。そのおかげで、私も一つ物知りになりました。エスファハーンが海抜1600メートルもある、ということです。これまで何度もエスファハーンを訪れていますが、そんなに高いところにあるとはは知りませんでした。
 テヘランの高さについてはよく聞かれるので知っているのですが、エスファハーンは何となく、テヘランよりも低いところにあるような気がしていました。私が住んでいるあたりで1100メートルを超すていどだそうですから、それよりも500メートルも高いところにあったのかとびっくりでした。
 確かに、冬のエスファハーンはテヘランに比べると随分と寒いのですが、ザーヤンデルード川が流れているからとか、平原で吹きさらしだからとかいう理由ではなく、高地にあったからだったのかと、目からウロコでした。ただ、私の手元にある地図や資料などでは、正確にエスファハーンが海抜何メートルの所にあるのか分からないのですが。

 セパーハーンというチーム名はエスファハーンの古い呼び方です。
 今でも「Sepah(セパフあるいはセパー)」は「軍」を意味しますが、遠い昔も同じ意味でした。そしてエスファハーンは軍事拠点としてその名を戴き、発達した町のようです。
 アケメネス朝時代の古代ギリシアの文献では「エスパーラーン」「エスパダーン」、サーサーン朝時代のパフラヴィー語では「セパーハーン(セパーが「軍」でハーンは「場所」を表すとのこと)」あるいは「エスパーハーン」、アラブ人がイスラームと一緒にイランにやってきて、その当時、アラビア語ではPの音がないのでBに転訛して「イスバハーン」、近代ペルシア語ではPがFに転訛して「イスファハーン」、現代のペルシア語の発音ではイがエに変化して「エスファハーン」と、発音は少しずつ変化はしても、二千年以上に渡って名前が見られるという古い町です。もっとも、現在の町に残るの歴史的建造物は、多くが17世紀頃からのサファヴィー朝時代の建築です。
 イスラーム・ペルシア建築の最高峰と言われる建築群は世界遺産にも指定されています。その美しさを表すために、「イスファハーンは世界の(美の)半分」と言うそうですが、サファヴィー朝と対立していたトルコのオスマン朝の都イスタンブルの方が美しいぞと、トルコでは、「イスファハーンは世界の半分。もしイスタンブルがなかったなら」と言うそうです。まあ、どちらが美しいかは人それぞれの好みだと思うのですが。

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 セパーハーンのメインスポンサー「フーラード」とは鉄鋼のことで、エスファハーンの外にあるイラン最大級の製鋼所のことです。
 石油に頼った経済を改めようと、イランは石油以外にも豊富な鉱物資源を利用した産業立国を目指しています。鉄鋼もその一つで、詳しいところは分からないのですが、最近では近隣諸国に輸出をするほどになっているとか。鉄を溶かす際に天然ガスを使っているところが他の国々と違っているところだとの説明を受けたことがあるのですが、天然ガスを使うとどのように良いことがあるのかはよく分かりませんでした。

 最近話題の核開発施設もエスファハーン郊外にあるとされていますが、近年は工業都市として発達し、テヘラン、マシュハドに次ぐイランで三番目の人口を有する町となっています。
 イランでは人口が増えると自動車の数が増え、交通渋滞と大気汚染がセットで増えることになります。エスファハーンもその例に漏れず、町の中心部などは道路が狭いために常に渋滞状態でした。そのため、地下鉄建設工事が何年か前から始まっています。

 そういえば、今回のACLの試合を通して一番の収穫は、「フーラード・セパーハーン」というチームがエスファハーンにあるということを改めて認識したことかもしれません。
 もちろん、チームの名前などは以前から知っていましたが、イランではテヘランではテヘランのチームの試合を中心に放送し、エスファハーンではエスファハーンのチームを中心にと、中継の地元志向が強いため、地方都市に拠点を置くチームはテヘランのチームと試合をするときくらいしか目にすることがありません。しかし、今回のことで、チームの名前だけではなく、選手の名前やスタジアムの様子までしっかりと認識できたのでした。

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2007年 11月 14日 |
 大学で、いわゆる卒業レポート作成のための授業を受け持っているのですが、これが非常に大変です。
 学生がどうこうというのではなく、大学図書館に日本関連の書籍が全くと言っていいほどにないのです。日本語関連の書籍・辞書はある程度ありますが、日本の社会や文化に関連するようなものは全くないに等しい状態です。これでどうやって「研究」をさせるんだ?と頭が痛くなるほどです。「日本語・日本文学科」のはずなのに、「日本文学」に関する書籍すら見あたりません。

 日本語学科ができてからもう10年以上経つはずです。その間、大学は日本語学科のために予算を割くこともなく、また図書館も「高い外国の書籍など買わない」と国際交流基金などの寄贈図書だけを当てにしている状態です。
 テヘラン大学は年間予算などを開示したがらないので、どのくらいの予算で大学が運営されているのかよく分からないところがあります。「テヘラン大学はお金がないから」という人もいれば、「テヘラン大学はお金持ちだよ」という人もいます。
 お金がないのなら仕方がないのかもしれませんが、お金を持っているとしても、少なくとも外国語学部の図書館を見ている限り、日本語に限らず、外国語や地域研究をしようとしている学生のために有益な図書を購入しようという意志はほとんど見られないように思います。

 学生としてイラン文学を研究していたときには、さすがに自国の文学のことですし、歴史のある学部だったこともあって、図書館の蔵書にさほど不満を持ったことはなかったのですが、外国語学部に関してはちょっとひどいなあと思わずにいられませんでした。

 そして先日のことです。
 学科会議の席で、学科長がおもむろに講師陣に語り始めました。図書館がいかに日本語教材を必要としているかと。
 お、図書館も少しはやる気になったのか、と思った私たちでしたが続いた言葉に耳を疑ってしまいました。
「ということで、先生方がお持ちの教材、日本の映画やテレビ番組のビデオなどをコピーして図書館に寄贈するように」とのこと。
 日本にはコピーライトというものがあるし、全ページのコピーとか、ビデオのダビングなどをして寄贈というのは考えられない、と日本人講師たちは戸惑いの声を上げたのですが、イラン人であるところの学科長は我々の言葉の意味が分からないという顔です。コピーのどこが悪いのだと、あまりにきっぱりと言われてしまうともう二の句が継げません。
 そんなことよりも、ちゃんと予算を取って正規に購入して欲しいという要請には、「そんなお金のかかることはできない」の一言で却下です。

 日本とイランの経済格差故に、日本の書籍などを購入するのが大変なのは分からないでもありません。しかし、イランの学生にとっては、イランで出版されている本も決して簡単に手が出せる価格ではないことも多く、ましてや外国の書籍をレポートや研究のためにほいほいと買うことはできません。大学図書館が頼りと言っても過言ではありません。そうした学生や研究者への便宜よりも、「いかに予算を使わずに済ませるか」を考える大学側の姿勢には疑問を感じないではいられないのでした。

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2007年 11月 12日 |
 先日、外出先から帰宅する途中での出来事です。

 私が住む地区の入り口で乗り合いタクシーに乗り込みました。
 私が最後の乗客で、私の前には(正確には隣には)、畳んだサンギャクを持ったおばさんが乗っていました。運転手や助手席にいた男性が、「そのままじゃ駄目だよ。ちゃんと布か新聞で包まなきゃ」と、なんだかばたばたしています。「あったあった」と運転手のおじさんが、「さあ、これで包みなさい」と新聞紙を差し出しました。おばさんは「ありがとう」と受け取って、がさがさとサンギャクを新聞紙に挟み、それを見た運転手のおじさんがようやく安心して、出発です。

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 走り出してすぐ、助手席のおじさんが、「ところで、それはどこで買ってきたんだい?」とおばさんに尋ねました。
「アミール・アーバードの心臓専門病院があるでしょ。その向かいの小路をずっと入ったところにサンギャクバーイー(サンギャク専門パン屋)があるのよ。親戚がその近くに住んでいるから、そこに行ったときには必ず買って帰ってくるのよ。このあたりにはサンギャクは全然ないでしょ」
 一番奥に座っていたおばさんが、「あら、そんなことはないわよ。17番通りの奥には一軒サンギャクバーイーがあるわよ。でも、全然おいしくないのよ」と、話し出しました。そこから車内は一気にパン屋評定に。
「あら、あったの?」
「あるけど、全然駄目よ。ねえ」
「確かに。あれはおいしくないね。あなたが言っているサンギャクバーイーは有名だよ」
「あら、このあたりはみんなバルバリーばかりだと思っていたわ」
「確かに、ほとんどバルバリーよね。でも、22番通りの奥には一軒ラヴァーシュがあるわよ」
「ああ、あそこはまあまあだね」
「バルバリーなら、38番通りのところが一番おいしいわよ」
「そうなの?」
「あそこが一番だね。確かに」

 38番通りのバルバリーというのは私のアパートの一番近くにあるパン屋なので、いつも使っているところです。確かにおいしいとは思っていましたが、このあたりで一番おいしいバルバリーだと言われているとは知りませんでした。パンにはうるさいイランの人たちにこれだけ保障してもらったのですから、きっと本当においしいんだなあと、ちょっと嬉しくなってしまったのでした。

 サンギャクは、カマの中に小石を敷き詰めてそれを熱し、少し発酵させて、細長い三角形に伸ばしたパン種をその小石の上に乗せて焼いたもの。大きいので、一~二枚買えば、一家族の一食分に十分になるくらい。

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 バルバリーは細長い楕円形の、少し厚みのあるパン。トルコ系の人が好むとか。私の住んでいるあたりのパン屋はバルバリーばかりなので、トルコ系人口が多いということなのか?とちょっと不思議です。これも大きいので、一家族の一食分には一~二枚で十分。私は一人暮らしなので、一枚買うと二三食は食べ続けることになってしまうくらいです。

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 ラヴァーシュは薄くのばした種なしパン。これは薄いので一回で10枚とか20枚買う人もいます。

 最近は、買ったパンをビニール袋に入れて家へ持って帰る人も多いですが、これだとパンから出る蒸気がビニールについてパンがべたべたしてしまいます。本来は布で包んで持って帰るのが一番なのだとか。これだと、余計な水分は布を通って外に出てしまいますし、布が適度に水分を吸ってくれるのでパンが乾燥することもありません。
 布の代わりに新聞紙でパンを挟んで持って歩く人もよく見られます。これも水分に関しては布と同じ意味があるようなのですが、新聞のインクが身体に良くないから駄目という人もいて、賛否両論あるようです。

 どのパンでもそうですが、テヘランなどの都市部では、多めに買って冷凍して保存する家が多いようです。
 乾燥したりかびてしまったパンは、「ナマキー」というパン回収業者に渡すと、昔は塩と交換してくれたとか。今は特にそういうこともないようですが、時々、プラスチック製品と交換してくれるナマキーもあるようです。
 集められたパンは羊の餌などになるとか。かびたパンを食べて大丈夫なのか?と思わず心配してしまうのですが、大丈夫だというイランの人たちの言葉を信じるしかないようです。

 写真上 焼きたてサンギャク。
 写真中 焼きたてのサンギャクを持って歩く人。アルダビールのバーザールで。テヘランだともう少し小型。
 写真下 38番通りのバルバリー。他の所より少し短いのが特徴。

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2007年 11月 10日 |
 この週末は、寝込んでいた間にできなかった仕事を片付けよう!と決意をしていたのですが、気がついたらひたすら寝ているだけの週末となってしまっていました。溜まる一方の仕事に、これはちょっとまずいのでは、とは思うのですが、身体の方がなかなかいうことを聞いてくれません。年をとるというのは無理がきかなくなるということなんだなあとしみじみ感じてしまう今日この頃です。

 溜まっていく一方の仕事というのはほとんどが翻訳の仕事なのですが、ジャンルが様々な上に、ペルシア語→日本語だったり、日本語→ペルシア語だったりで、ちょっとくらくらしています。

 こんな風に翻訳を引き受けていて、それから大学で色々な人と話をしていてちょっと不思議に思うことがあります。
 自分の研究対象とする国の言葉も知らずに研究をしている、あるいはしようとしている人が意外と多いということです。

 日本の経済、教育、建築、言語学等々ジャンルは様々ですが、「英語を使えば十分研究できるから」と日本語を勉強する気はないという人が、どうしても使わざるを得なくなったからと日本語の資料や論文の翻訳を持ち込んでくるのです。
 確かに、日本関係の研究をするのに日本語は絶対に必要ではないかもしれませんが、少しくらい勉強しておいた方が良いんじゃないの?と思ってしまう私の方がおかしいのでしょうか。

 「翻訳ソフトもあるし、自分で勉強する必要なんてない」と言う人もいて、なんだかちょっと考えてしまったのでした。確かに日本語→英語なら翻訳ソフトも沢山ありますし、ネット上でも翻訳サイトはあります。しかしそれにだけ頼っていて本当にいいの?という感じもするのですがどうなのでしょう。

 言葉の翻訳や置き換え、定義などちょっとしたところで厳しい突っ込みを入れられてしまう人文系の学会や研究会を体験していると、こういうおおらかな考え方というのはちょっとカルチャーショックであったりするのでした。

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by sarasayajp | 2007-11-10 18:31 | イラン人 |
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