イランという国で
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2007年 10月 31日 |
 PCの前に貼り付いていなければならない仕事がたて続き、またまた腰痛の危機が近づいているような予感がひしひしとしています。
 集中してくると姿勢が固まってしまい、なかなか休憩を取らないのが原因だとは分かっているのですが、なかなか改まらないものです。先日の指のしびれも、肘を机に付けたままタイプをしたりノートを取ったりしていたために、肘のところで神経が圧迫されて起こったものらしいとのこと。こちらはとりあえず、畳んだタオルを肘の下に敷くという応急措置で少しずつ良くなってはいるようです。
 「家の中でエコノミー症候群というのは笑えないからね」との言葉に、そうか、そういうこともあり得るのかとちょっとびっくりでした。

 腰痛とエコノミー症候群の他に気になることといえば、部屋が汚くなっていくことと、メールの返事が溜まっていくことでしょうか。

 いただいたメールの中で、日本人大学生の誘拐事件に関連した質問や意見を書かれている方が何人かいらっしゃいました。できるだけ一人一人にお返事をするべきなのは分かっているのですが、この場でお返事をさせていただきます。申し訳ありません。

 旅行の安全情報についてですが、これは以前に書いた通りです。絶対の安全も絶対の危険もありません。ごく普通の注意を払っていれば、それほど簡単に事件に巻き込まれることはないと思います。
 それから、これは現地の人たちや、私の友人たちからも注意されたことですが、旅先で知り合ったイラン人の家に一人では行かない方が良いと思います。
もちろん、そうして誘ってくれる人のほとんどが好意からであることは間違いないと思います。しかし、以前もお話ししたとおり、イランの習慣の一つとしてとりあえず言っているだけのこともありますし、また、ごくまれにではありますが、強盗・強姦事件に結びついていることがあります。

 それから、日本での報道にある、「今回の事件がイランの貧困故に起こった」という決めつけに対して違和感を感じたり、意見を書かれている方もいらっしゃいました。

 今回の事件を起こしたとして、バルーチェスターンの部族の名前が挙げられています。そして彼らがバルーチェスターンの貧困故に麻薬の密輸に手を染め、今回の犯罪を引き起こしたというのが日本での報道の大部分のようです。

 確かに、バルーチェスターンは8年間も続いた干ばつのために非常に苦しい状態にあります。また、テヘランから遠く離れている国境州であることと、バルーチ族という12イマーム・シーア派の政府とは異なるスンニー派信徒が住む場所であることから、投資や開発の対象としての優先順位が低く、これといった産業がありません。
 農業、工業が駄目となれば、あとは商業しかありません。しかし、現地の人たちの話によれば、国境を接しているパキスタンとアフガニスタンに輸出できるものといえばガソリンやガスくらいだとか。実際、パキスタンやアフガニスタンと行き来をするピックアップには、ガソリンを入れるためのポリ容器やガスのボンベが積まれているのをよく目にします。
 そしてアフガニスタンから入ってくるものは、欧米や日本製の電化製品や医薬品、そして麻薬です。パキスタンからは煙草や紅茶、そして武器や麻薬です。

 初めてこの話を聞き、また実際に国境を越える人々を見たときにはかなり驚いたものでした。

 アフガニスタンから入ってくる欧米や日本製の電化製品、医薬品というのは援助のためにアフガニスタンに渡ったものです。それが、現地の人たちによって品物よりも現金とばかりに売り飛ばされてしまうのです。そしてスィースターン・バルーチェスターン州の人々の手を経て、イラン国内へと流れていきます。そして麻薬の場合はイランを経由して更に第三国へと。
 アフガニスタンの人々がどうして援助物資をイランへ売るのか、どうして麻薬を生産してイランへと流すのか。
 パキスタンの人々がどうしてアフガニスタンで生産されたアヘンの精製を行い、イランへと流すのか。
 スィースターン・バルーチェスターン州の人々がどうして両国から入ってくる品物を、時に麻薬すら、イラン各地へ運ぶのか。

 理由の一部は確かに貧困だと言わなくてはならないと思います。アフガニスタンやパキスタンの事情はよく分かりませんが、少なくともスィースターン・バルーチェスターン州に関してはそう言わざるを得ない部分はあります。

 産業がないから就業の機会は少ない、農業は荒廃している、それでも食べていかなくてはならない、となれば、麻薬や武器の密輸に手を出す人が出てきても仕方がないのではないでしょうか。
 まして、バルーチェスターン地方はイラン国内でも一家族の構成人数が最も多い州の一つです。家族のためにと、良くないこととは思いつつも、密輸や強盗・誘拐を行う人もいるかもしれません。

 貧しいから犯罪を犯す、という単純な決めつけはしたくありませんが、そうなる可能性が高くなるということは否定しきれないようにも思います。
 ただ、スィースターン・バルーチェスターン州の場合、アフガニスタンやパキスタンと国境を接しているという地理的な要因もそこに加わっており、また、中央政府からのスンニー派に対する有形無形の圧力とそれに対する反発、伝統的慣習へのこだわりなど、様々な要因も絡み合っているため、一面的な決めつけをすることは問題の本質を見失わせることになるのではないかという感じもします。まだそのあたりはもやもやとして形を為していないためにうまく言えないのですが。

 貧困だけに原因を求めると、じゃあ、金持ちあるいは生活に困っていない人は犯罪に手を染めることはないの?ということになるのですが、こちらはこちらで結構ひどいことをしていたりするわけで。

 なんだかよく分からなくなってきましたが、麻薬密輸組織(組織と言えるのかどうか疑問ですが)による犯罪とされる今回の事件ですが、たとえスィースターン・バルーチェスターン州が貧しくなかったとしてとも、麻薬を欲しがる人たちがいる限り、麻薬の生産や密輸はなくならないに違いないと思うのです。

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by sarasayajp | 2007-10-31 12:22 | いろいろ |
2007年 10月 26日 |
 仕事や雑事などで取り込んでおり、更新やコメント、メールへのお返事が遅くなっています。済みません。

 二三日中には落ち着く予定です。
 この秋はそれほど忙しくならないはずだったのですが、ばたばたするときにはするものですね。

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by sarasayajp | 2007-10-26 19:02 | お知らせ |
2007年 10月 24日 |
 仕事でしばらくテヘランを離れていました。

 テヘランに戻ってきて気になったのは、私のアパートのお向かいに住み着いている猫の親子のこと。
 私が出かける二三日前から姿を見なくなっていて、まだ子供も小さいのにどこへ行ったのだろうと気になっていました。

 テヘランに戻ってきた翌日に、外出すると、ばったりと親子連れに出くわしました。
 どうやら、私のアパートのお向かいではなく、お隣に引っ越していたようでした。
 子供たちは木登りの訓練中で、そろそろ親離れなのかな?と、ちょっと寂しさも感じつつ、ほっとしたのでした。

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 テヘランには野良猫が多いのですが、アゼルバイジャン地方で見る猫よりも痩せていて、毛づやも悪いのがちょっと不思議です。栄養不足なのでしょうか。

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2007年 10月 19日 |
 日本人学生の誘拐事件以来、日本人のイラン旅行キャンセルが出ているようです。
 私がビザや宿の手配をした方の中にも何人か、旅行延期ための打診や、キャンセルをされた方がいます。

 たとえ日程の中にケルマーンやバルーチェスターンが入っていなくても、いくら私が大丈夫ですよ、と言っても、一度芽生えた不安というのはなかなか消せないのだろうと思います。また、ほとんどの方が、「家族や周囲の人が心配するので」キャンセルをしようと思うと仰っていて、そうした方に心配をかけてまで旅行をする気になれないことも良く理解できます。
 実際、私に「大丈夫だと思いますよ」と言われて旅行を決めたとしても、「本当に大丈夫なのか?」と旅行の間中心配しているとしたら、旅行が全然楽しいものにならないでしょうから、それならいっそキャンセルをしてしまうというのも一つの考え方だと思います。

 ただ、キャンセルを伝える度、イランの旅行社やホテルの人などが嘆くのだけが辛いところです。

 そうしたやりとりの中で、いくつか考えさせられたり、面白いなあと思ったことがありましたので、少しご紹介してみたいと思います。

「一人の日本人が誘拐されると、すべての日本人が誘拐の危険にさらされるの?危ない場所に近寄ったのは、その誘拐された本人の責任でしょう?どうしてそれで日本人全部が旅行をキャンセルするの?」

 これはよく言われることです。9.11の後、ヨーロッパからの旅行客はほとんど減らなかったそうですが、日本からの旅行客はほとんど全滅に近かったそうです。その時も、「アメリカで起こった事件で、どうしてイラン旅行がキャンセルされるの?」と聞かれて困ったものでした。

「今回の人質が解放されたら旅行に行きますって言っても、解放されたら治安が100パーセントになるわけじゃないと思うんだけど、どう思う?」

「10万人の旅行客が平穏無事にイランを旅行していても、一人が誘拐されると、イランがイラクのように危ない場所だって言われるのはどうしてなんだろう?他の国では旅行者が誘拐されることは絶対に起こらないの?」

 確かに、日本でも観光に来た人が殺されたりとかあったなあと記憶していますが、日本が危険地域に指定されたとは聞きません。
 それから、中越沖地震(新潟県出身者としてはこの名称に違和感を感じるのですが)でも、海外で日本全国が放射能で汚染されているかのような報道が為されて、サッカーのチームをはじめ、来日を取りやめる人が続出して大変だったようですが、日本も同じことをしているんだなあと実感してしまいました。更には、日本ではイラクもイランもパキスタンもアフガニスタンも同じように考えている人が多いことも、過剰反応が起こる原因なのでしょう。

 危険地域といえば、こんな発言もありました。

「日本に何年かいたことがあるんだけど、ケルマーンやバルーチェスターンを危険地域というなら、ボクは新宿とか渋谷とか池袋だって結構危険だと思うなあ」

「バルーチェスターンやバムの周辺は、確かに、麻薬の密売人たちがうろうろしているけど、日中の街中で誰かを誘拐することなんてないよ。そういう意味では、テヘランの周縁部だってかなり怖いよ。地方から流れ込んできた人たちばかりで治安は良くないし、麻薬をやっている連中はいるし。でも、そういう場所にはわざわざ近づかないのが普通だよね?バムやバルーチェスターンでも危なそうなところに近づかないとか、一人きりになる場所に行かないとかすれば特に何もないはずでしょ?そんなの、イランだけじゃなくて、どこでも当たり前のことなんじゃないの?」

「麻薬密輸グループや山賊が危ないのは当たり前で、彼らが強盗や誘拐をしたからといってびっくりしないよ。日本でもヤクザには普通の人は普通、近寄らないでしょ?自分で近づいておいて被害にあったからといって、その国へ行くと絶対に被害に遭うみたいに考えるのかな?」

 9.11の際に使われた飛行機に乗り合わせたというような場合はともかく、イラクで捕まった日本人とか、アフガニスタンで捕まった韓国人とか、避けようと思えば避けられることをあえてしたからなんだよなあ、という部分には同意。

「日本では、中学生が小学生を殺して首を切り落としたり、駐車場から突き落としたりという事件があったよね。学校から帰る途中で子供が誘拐されて殺されたりしているんでしょ?母親が自分の子供を殺したり近所の子供を殺したりというのもあると聞いたことがあるよ。そんな風に、犯罪組織でもない人やこどもが簡単に殺人をしてしまう日本の方が怖いと思うんだけど、違うかなあ」

 同列に並べられることなのかどうかちょっと悩みますが、でもものすごく考えてしまいました。

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by sarasayajp | 2007-10-19 09:13 | いろいろ |
2007年 10月 17日 |
 テヘランに戻りました。

 空路であるいは鉄道でも、外からテヘランに近づいてくると、テヘランが黄色い雲にすっぽりと覆われているのが分かります。
 これを見ると、あんなに汚れた空気の中へこれから突入していくのかと、かなりうんざりした気分になってしまいます。
 列車でテヘランに戻って来る時などは、ある地点からくしゃみと鼻水が止まらなくなり、「ああ、大気汚染地域に入ったんだなあ」と実感できます。自動車の時もそうで、特に面白いのが、テヘランから西に延びるオートバーンや街道からテヘランに入り、イーラーン・ホドロー社のあたりに来ると、何故か必ずくしゃみが出始めます。友人などに、「探知機みたいだね」と笑われるのですが、本人としては笑い事ではありません。

 この夏、ガソリンの配給制が始まり、配給分がなくなったらもう売らないと聞いていたため、渋滞が少しは解消されるかなあなどと少しは期待をしていたのですが、結局は闇で高いガソリンが売られ、他に手段のない人はそれを買い、手段のある人は様々な手を使って配給ガソリンを手に入れ、気がつけば以前よりも交通事情は悪くなっているのではないかという感じすらします。

 ニュースなどでは盛んにこの配給制が成功し、ガソリンの消費が減ったと宣伝していますが、テヘランをはじめとする各地の様子を見ている限り、それにはちょっと疑問を感じてしまいますし、かえって、闇ガソリンという困ったものを生み出しただけなんじゃないのかなあなどとも思ってしまったのでした。

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2007年 10月 14日 |
 この二三日、ちょっとばたばたとしていてうっかりしていたのですが、今日は誕生日でした。
 とはいっても、テヘランを離れた旅の空。ケーキの用意もできないちょっと寂しい記念日ですが、せめて毎年恒例のケーキの写真だけでも。

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by sarasayajp | 2007-10-14 23:03 | お知らせ |
2007年 10月 14日 |
 今日はエイデ・フェトル(アラビア語ではイードゥル・フィトゥル)です。
 ラマダーンも終わりです。エイデ・フェトルについてはこちらをご参照下さい。

 土曜日の予定だったエイドが金曜日に前倒しになるとか、例年一日だけの休みがアラブ諸国などのように三日間になるとか、色々な噂が飛び交ったエイドですが、結局、珍しくカレンダー通りの一日だけのエイドとなりました。
 エイドが周辺のアラブ諸国と同じ土曜日になったのは、アラブ連盟にすり寄るためだという噂が何となく信憑性を帯びてくるような気がしてしまうのですが、どうなのでしょうか。


 エイデ・フェトルでうきうきとした雰囲気の漂うイランですが、バムで拉致された学生さんはまだ解放されないようですね。情報も錯綜しているようで心配です。イランではあまり報道されていないので、こちらでも詳しいことは分からないのですが。

 イランでは報道があまりないので、日本の報道をネットで読んでいたのですが、現地を知らないで書いているんだなあということをしみじみと感じてしまいました。

 ほとんどの新聞社が「無法地帯」とケルマーン州のことを表現しているようです。産経新聞に至っては「現地は武装集団が支配して非常に危険」だそうです。私はこれまで何度もケルマーン州、バムを訪れていますが、そんな状態だったとは知りませんでした。日本の新聞がそのように報道していると現地の人が聞いたなら、非常に驚くのではないでしょうか。それではまるで現地では、イラン・イスラーム共和国の法が武装集団の法に取って代わられているかのようです。

 パキスタンとの国境州であるバルーチェスターンからケルマーン州にかけては、麻薬の密輸ルートに当たっていて危険なことは確かです。テヘランなどに比べると治安が良いとは言い難いところもあります。でも中央政府を押しのけて、麻薬密売組織がケルマーン州やバルーチェスターン州を支配しているということはありません。確かに、街道の安全を完全に確保できない、という意味ではイラン政府は武装集団(現地の人が言うところの山賊)に負けていることになるのですが。
 それでも、昼日中から襲ってくることはあまりないと現地の人は言っていました。もちろん、注意は必要なではありますが。夜は絶対町の外に出ちゃ駄目だ、と言います。

 ここ二三年、以前に比べると街道沿いの治安が少し悪くなっているようです。イラン政府が麻薬や武器の取り締まりを厳しくしているからなのか、他に理由があるのかはよく分かりませんが。外国人だから絶対に狙われるというような治安の悪化はありませんが、以前よりは注意深く行動する必要はありそうです。

 ケルマーン州やバルーチェスターンに旅行に来ると危険だからやめた方が良いです、とは言いませんが、単独行動や夜間の移動は極力避けることをお勧めします

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2007年 10月 13日 |
 先日、サッカーのACL準決勝の初戦でセパーハーンが勝利を収めました。キャリーミー(代表チームのキャリーミーとは別人)が絶好調のようです。今日も国内リーグでエステグラールに対して勝利を収めたと、目の前のテレビニュースで伝えています。
 ACL準決勝では日本の浦和レッズは引き分けだったそうですから、次の試合の結果次第では、決勝戦では両チームの対戦が見られるかもしれません。

 それに関連して、イランで試合の観戦をしたいのでビザを取得したいというご相談のメールを下さる方が増えてきました。

 現在、女性の個人旅行に対しては観光ビザの個人申請を認めない、ということになっているようですが、これまでビザを取得した人たちに聞いているとケースバイケースという部分もあるようです。まず、イラン大使館に連絡を取って確認を取ってみてください。

 それから、メールへのお答えで何人かの方にうっかり書き落としていたのですが、もし、観戦にいらっしゃるとして、イラン国内での滞在が一週間以内でしたら、あらかじめ観光ビザを持っていなくとも、空港で「トランジットビザ」が発行されますので、それで入国することができます。ただし、このトランジットビザは基本的に延長ができないということになっているそうですので、その点はご注意下さい。

 一週間を超える滞在をご希望の方、あるいはトランジットビザが本当に空港で発行されるのかどうか不安なのであらかじめ観光ビザを取得しておきたいという方は、日本国内の旅行社で個人旅行のためのビザを取り扱っているところがありますので、そちらを通して取得ができます。手数料は2~3万円だと聞いています。
 一手間かかっても良いからもっと安くしたい、という方はどうぞご相談下さい。

 それから、イラン・エア、エミレーツ、カタール航空など、イランへ乗り入れていて比較的安い価格設定の航空会社の予約は、西暦の正月まで随分と混み合っているそうです。本当にこの組み合わせでの決勝戦になるかどうかは分かりませんが~エンシャッラー、そうなることを願っていますが~早めに航空券の予約をしておいた方が良いかと思います。

 ということで、ビザ取得に関するお知らせでした。


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by sarasayajp | 2007-10-13 00:58 | お知らせ |
2007年 10月 11日 |
 昨日、ではなくてもう一昨日になりますか。テヘラン大学で反大統領派と大統領派の衝突があったとか。

 同じテヘラン大学でも、エンゲラーブにある本部と外国語学部は少し距離があるので(物理的に)、全く知りませんでした。大学寮は目の前にあるのですが、今回は寮ではなく大学で起こったことだったようなので、騒ぎが伝わってきませんでした。

 恐らく、騒ぎの原因となったのは、先日のコロンビア大学での出来事だったのでしょう。あれで「アメリカの嫌がらせにも毅然と立ち向かう大統領」という大統領像が喧伝され、イラン内外のアメリカを快く思わない人々の支持を集めたというような報道が繰り返されていますから、反大統領派としては行動しないではいられなかったのではないかという感じがします。

 実は、日本の土下座外交をずっと見てきた目からすると、他に媚びないイランの独自路線というのは感心してしまう部分ではあります。
 しかし、国内に目を向けると、やることなすこと思いつきでやっているとしか思えないような場当たり的なことばかりで、特に経済に関してはもうどうしようもないとしか言えない状態です。

 石油利権には手を付けることに失敗し、海外からの投資も大統領閣下自身のイメージの悪さ故になかなか呼び込むことができず、ペルシア湾を挟んだお向かいのドバイの発展を歯がみして見るばかり。安い中国製品や韓国製品が雪崩を打って流れ込み、国内の産業は荒廃し始め、国の機関ばかりが肥大して利権をむさぼり、コネがなければ仕事は見つけられず、大学を出たところで希望もない。

 対外的な政治ばかりでなく、本来の公約である内政をどうにかしろ。
 外国メディア向けの発言ばかりでなく、国内の、本来自分が目を向けるべき我々を見ろ。

 そんなうんざりした気分や閉塞感が国内に流れていることは否定できません。テヘランではそれが無気力感に繋がっている部分があるように感じますが、地方ではもう少し違っているようです。
 テヘランでは「どうせ何をしたって無駄さ」と、選挙にも行かず、「怖いよ」と、デモをはじめとする抗議行動を取るわけでもなく、ただ愚痴をこぼし、「いつか外国へ」という夢を見て、という感じなのですが、国境に近い地方ですとちょっと事情が違います。隣国に、イラク、アフガニスタン、パキスタンという国々が並び、ペルシア湾を挟んではアラブ諸国がいてといった場所ですから、少々物騒なグループも活動したり出入りしたりしています。もともと、中央政府が自分たちの住む地方のことを考えていないという不満を持つ地方ですから、反体制的なグループも活動しやすいでしょう。アゼルバイジャン地方でも、中央に対する不満は常にくすぶっているそうです。

 まだそれほど大きな動きは伝わっていませんが、こういう人々の不満を上手くすくい上げる勢力が、それがイラン国内のものであれ国外のものであれ、力を伸ばしてきたらどうなるのだろう?という心配をしないではいられません。

 テロやクーデターは論外ですが、ハータミー大統領が登場したときのように、投票操作が行えないくらいの人々のパワーをもう一度示せないのかな?それができないくらいに都市の人々はスポイルされてしまったのかな?と、選挙の度にやきもきしています。もちろん、選挙の前に「立候補資格審査」なるものがあって、いわゆる改革派は立候補ができないに等しい情況にはあるので仕方がないのかもしれませんが。

 それにしても、「庶民の味方」の大統領はどこへ行ってしまったのでしょうか。
 国内経済や治安をしっかりしないと、対外的に強硬な発言を繰り返して「屈しないイラン」をアピールしても、足下からイランという国が崩れてしまうのではないの?と思わずにいられません。

 これを書いている間に、バムで日本人旅行者が拉致されたという情報が入ってきました。どこの誰による犯行かは分かりませんが、無事解放されることを願っています。

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by sarasayajp | 2007-10-11 15:41 | いろいろ |
2007年 10月 09日 |
 ラマダーンが終わるまであと数日。
 そろそろ、エイデ・フェトル(ラマダーン明けの大祭)がいつになるかということが話題になり始めています。

 大学では特にこれがいつになるのかが重要になります。
 何曜日の授業が休講になるのかというのは、学生にとっても先生方にとっても気になるからです。
 カレンダー通りなら土曜日なのですが、例年、エイドはカレンダーよりも一日早まるので金曜日なのではないかという意見が大勢です。

 毎年このブログの中で書いていますが、イランは他のアラブ諸国や東南アジアのムスリムが多い国々よりも一日遅くラマダーンが始まり、一日早く終わる傾向が強いです。これも、「イランの独自性」の表れだよね~などと言っていたのですが、今年はちょっと様子が違います。

 まず、ラマダーンの開始が他のアラブ諸国と一緒だったのです。

 これまでにもそういうことがなかったわけではないのですが、核問題にイラクやパレスチナ、レバノン、シリアなどに関連した政治的な理由から、今年は「アラブ連盟」にすり寄りたいがために、ラマダーン入りと明けをアラブ諸国に合わせたのだという噂がまことしやかにささやかれています。
 更には、イランでは本来エイデ・フェトルの日だけが休日なのですが、今年はエイデ・フェトルの日から三日間が休みになるという噂も流れています。これも、エイデ・フェトル(アラビア語ではイードゥル・フィトゥル)から一週間ほど休みになるのに合わせてのことだとか。もっとも、正式に発表はされていないので土壇場でやっぱりやめた、ということもあり得るのですが、どうなることでしょう。
 宗教よりも政治が勝ったんですかねえ、などとひとしきり先生方の間で盛り上がったのですが、結論は、エイドの直前に「月が見えたから、明日がエイデ・フェトルだよ」という発表があるまで分かりません。

 そういえば、エイデ・フェトル休みが三日間になる分、正月休みが短くなるという噂もあるのですが、休みを増やすことはあっても減らすことはないだろうから、それはないだろうとも言われています。もしこれが本当だとしたら、ちょっと休みすぎだよ、と言わずにはいられません。

 まあ、もっとも、エイデ・フェトルが金曜日になろうと土曜日になろうと、休日が一日だけでも三日間になろうと、私が担当している授業には全く影響がないので、どうでもいいといえばいいのですが、でもやっぱり気になってしまうのでした。

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by sarasayajp | 2007-10-09 12:21 | いろいろ |
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