イランという国で
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カテゴリ:テヘランにて( 129 )
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2004年 10月 05日 |
 最初にお願いです。

 閑話休題~その2を読んでいらっしゃらない方は、ここをささっとスクロールして、先にそちらを読んでからこちらを読んでいただけますでしょうか。二つ下にありますので、まずそちらへ行ってくださいね。






 ということで、昨日のイラン料理クイズの答えです。

 イランにない料理は、2番の羊肉のイチジク煮込みです。
 これはモロッコの留学生から聞いた羊肉とプラム煮込みを参考にさせてもらいました。念のためイラン各地の出身者に聞いたのですが、今のところどの地方にも存在を確認できていません。

 誰も選ばなかったのが1番のサワーチェリーの炊き込みご飯(albalu polou)でした。皆さんこれはイランにあるだろうと思ったのですね。
 これはテヘラン以北で作られる料理のようです。イラン人の中にもこれの存在を知らない人はかなりいました。
 私も初めて見た時は動揺してしまいました。淡い赤紫に染まったご飯にチェリーが入っているのですから。家によって少しバリエーションがあるようで、小さな肉団子を一緒に炊き込む家と、それは入れずに、チキンの煮込みと一緒に食べる家とあるようです。ちょっと甘くて、ご飯だと思うとちょっと変ですが、こういう食べ物なのだと思って食べると意外とおいしいです。

 3番のカリンのシチュー(khoreshte beh)。これはテヘランの郷土料理の一つだそうです。
 味はこれを表現できる文章力がない自分が情けないのですが、かなり個性的な味なので、好き嫌いがはっきりと分かれると思います。
 適当な大きさに切ったカリンと羊肉、ラッペという小さな黄色い豆を一緒に煮込んだもので、白いご飯と一緒に食べます。カリンの風味と羊の味が微妙です。決して甘くないのですが、カリンの甘みがほんのりと出ています。

 4番の子羊のヨーグルト煮込み(abe-gushte mast)。これはコルド(クルド)の郷土料理です。コルド以外の人はほとんど知りませんでした。
 コルデスターンは良質な乳製品の産地ですが、料理にも豊富な乳製品が使われたものが多いようです。
 この煮込みには絶対に子羊の肉を使わなければいけないのだそうです。大きくなると脂身が臭くなって、この料理のおいしさが消えてしまうからだそうです。そのため、子羊の肉が出回っている季節しか食べられません。
 ひよこ豆と子羊の肉、何種類かの青い野菜(ワケギなど)をよく煮込み、仕上げの前にヨーグルトを入れ、味を調えます。コメントでご指摘がありましたが、下手な人が作ると分離してしまうことがあるので難しいのだと言っていました。料理上手なクルドのお母さんの味です。
 これまた表現が難しい味です。イランのヨーグルトはかなり酸っぱいのですが、加熱するとことでその酸っぱさが和らぎ、まろやかになっていました。でも乳製品が苦手という人には口いっぱいに広がる乳臭さがつらいかもしれません。

 5番のイラン麺の炊き込みご飯(reshte polou)。これも地方料理の一つです。どこの料理だったかちょっとど忘れしてしまったのですが、お正月の料理としてよく作られるそうです。
 イランの麺ですが、小麦粉を練って延ばし、細く切ったもので、普通はハーブや豆が入ったスープ(ashe reshte)に入れて食べます。これから始まるラマダーン月には断食明けの食事としてこのスープが供されます。日本で働いていたイラン人が、イランに帰ってからまず食べたいものの一つにこのスープをあげる人が多かったくらいポピュラーな料理です。
 このスープに入れる麺をご飯に炊き込むこの料理、炭水化物ダイエットをしている人には食べられないだろうという感じですが、麺の風味が何となくご飯に移っていて、これまた不思議な味わいです。シチューと一緒に食べるそうです。

 ということで、正解者はmirさんだけでした。「一番おいしそうだからイランのものではない」というのはイランの料理のポイントを鋭く突いていたコメントでした。

 賞品はないのですが、賞品代わりに、イランにいらした時は無料でdeep inside Iran一日観光案内をさせていただきます(笑)。


 イランは果物が豊富です。そのためでしょうか、果物を利用した料理がよく見られます。

 エスファハーンの郷土料理の一つ、鶏肉のザクロジュース煮(fesenjan)はとても有名で、観光ガイドにも載っていますのでここでは選択肢に入れませんでした。甘くて酸っぱい不思議な味です。

 それからカーシャーンの料理(らしい)オレンジピールと干しぶどうの炊き込みご飯(shirin polou)。

 それからこれは全国どこでも見られますが、スグリの実の入ったご飯(zereshk polou)というのもあります。

 それからカスピ海に行くと、ザクロのジュースにつけてから薫製にした魚というのもあります。これは独特の風味があって、私はだしを取るのに使っています。

 メインの料理ではありませんが、オリーブをクルミのみじん切りとザクロのジュースで漬けた漬け物(zeitune-parvarde)というのもあります。

 そうそう、コルドは子羊をヨーグルトで煮込みますが、アゼルバイジャンではヨーグルトスープが一般的です。朝ご飯に食べるようで、朝、アゼルバイジャンの町を歩いていると、街角で売られているこのスープを見かけます。私の大家さんもトルコなのでこのスープを時々差し入れてくれますが、大家さんの家では特に朝食用という感じではないようです。

 広い国土を持っているだけに、料理も地方により様々です。しかし残念ながら、全て家庭料理なので、レストランや食堂では食べられないのです。
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2004年 10月 04日 |
 昼食をどうしようかと考えていたところに大家さんの奥さんから電話が来ました。
「今日はお昼を持って行くからお昼は作るんじゃないわよ」

 20分後、昼食セットを持って奥さんがやってきました。人から聞いて初めて作ったのだそうな、カボチャのシチューだそうです。カボチャを少し甘く煮て、シナモンで風味を付けたトマトベースのシチューで、ちょっと不思議な味でした。

 これを食べていてふと思い出したことがありました。

 A_L_I_V_Eさんがrakudanoさんのところでレシピの募集をしていたなあ、というのともう一つ、以前、IRIB(イラン国営放送)でバイトをしている時に、日本語放送で行ったクイズにイランの料理について問題を出したことがあったなあということです。

 そのクイズとはこれです。

 次にあげる料理のうち、イランにはない料理はどれでしょう?(放送時は三択だったのですが、五択にしてみました。)

 1. サワーチェリーの炊き込みご飯
 2. 羊肉のイチジク煮込み
 3. カリンのシチュー
 4. 子羊のヨーグルト煮込み
 5. イラン麺入り炊き込みご飯

 正解率は意外と低かったです。

 所変われば品変わる、ということで、イランの家庭料理には、日本人の目から見ると結構不思議な組み合わせの料理があるのです。

 答えは明日の夜に発表しますのでお楽しみに。
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2004年 09月 26日 |
 ここしばらくずっと、朝起きると目が乾いてしばしばして痒い、という状態が続いていました。

 今朝も、目が痒くてやってはいけないと思いつつも目をこすっていました。
 すると瞼の下に何かごろごろするものがあります。慎重に触ってみても間違いありません。慌てて鏡を見たところ、確かに少し瞼が腫れています。
 ものもらいだろうと思い、診療所へ行くことに。ついでに目の調子が悪いのも見てもらえばいいしと、午前中に近所で評判の良い眼科医のところに予約を入れ、その足で大学へ。

 大学での新学期に際しての手続きのあれやこれやが意外と手間取ってしまい、予約の時間ぎりぎりに診療所に着きました。
 待合室の椅子に座った瞬間、大変なことに気がつきました。
 私は「ものもらい」というペルシア語の単語を知らなかったのです。
 必死で考えますが分かりません。これまで使ったことがない単語なのですから当然です。
 さらに困ったことには英語でも何というのか知りません。

 しばらく悩んで開き直りました。

 順番が来て、診察室に入り、先生に挨拶をした後、言いました。

「私は自分の症状を言い表す適当な単語をペルシア語でも英語でも知りません。おかしなことを言うかもしれませんが、許してください」

 先生はなんだか受けてくれたようです。それを見て安心して話すことができました。

「ここしばらく目が痒い状態が続いていました。本を読んだりコンピューターの画面を見ていても時々そうなりますし、目が疲れるようです。それから、今日気がついたのですが、どうも、左目の瞼の下に、吹き出物( jush)ができているようなのです」

 先生は特に笑いもせず、じゃあ見てみましょうかとあっさりしたものでした。

 結果はドライアイと、こすりすぎで瞼に傷ができているということでした。幸いなことに、このあたりの単語はほぼみんな知っていたので、先生の話はちゃんと理解できました。先生も気を遣ってか分かりやすい単語を使って説明してくれたようです。

 目薬を処方され、時々目を休めることを注意されて帰ってきたのですが、ちゃんと「ものもらい」は調べました。Gol-mozhe(まつげの花?)だそうです。次にいつ使うか分かりませんが、忘れずに覚えていたいものです。

 そういえば、以前、友人たちと話をしている中で、「親知らず」という単語がどうしても分からなくて、「余分な歯」と言って理解してもらったということもありました。この時は、友人たちに大笑いされながら、正しい言い方を教えてもらったのでした。
 こういう風に笑われたり、悔しい思いをして覚えた単語は印象が深いためか、ほとんど使うことがないにもかかわらず、ちゃんと覚えているのが不思議です。
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2004年 08月 18日 |
 イラニアン・タイムについてもう一つ。

 中東から地中海沿岸諸国にかけての習慣に、昼寝がよくあげられます。夏の昼は暑くて仕事にならないので、ゆっくりと昼休みを取り、涼しくなった夕方からまた活動を始めるというものです。
 イランでもおおよそこの習慣は守られています。学校は朝8時から1時過ぎくらいまで。銀行や役所なども、冬は8時半夏は8時から3時くらいまで。日本の土曜日に当たる木曜日は1時くらいまで。商店は、開店時間はまちまちですが、1時を回るとほとんどの店が閉まり、4時過ぎくらいからまた徐々に開きます。閉店時間は業種によってまちまちですが、10時から12時くらいまででしょうか。

 慣れてみるとこの活動時間は、非常に理にかなっていることが分かります。昼間は暑くて外出する気になれませんから、家でゆっくりしていた方が良いのです。

 イランで暮らしていて、こうした時間の流れには慣れましたし、日本もこうなればいいのにと思ってもいますが、まだ慣れないのが食事の時間です。
 朝食の時間は良いのですが、昼食は2時頃、夕食は10時過ぎというのは何年経っても慣れません。
 イランの学校には給食や昼食の時間はなく(一部の私立学校を除く)、子供たちは学校から帰ってきてから昼食なので、どうしてもこの時間になってしまうのでしょう。仕事をしている人でも家で昼食を食べる人は多いようです。
 そして、外が明るいうちは夕食は食べないのだそうで、どうしても夏は夕食が遅くなります。(一番日が長い頃は9時近くまで明るいです)もっとも、日が短い冬でも夕食は遅いのですが。

 大家さんがよく食事の差し入れをしてくれるのですが、たいてい私は食事を終えている時間です。もちろん、無駄にすることなく、ありがたく次の食事にいただいているのですが、食事時間のずれを感じないではいられません。

 ゆっくりと時間をかけて食事をする(と聞いている)ヨーロッパ地中海沿岸諸国とは違い、イランでは食事をゆっくり食べる習慣はありません。さっさと食べ、食後にお茶などを飲みながらゆっくりとするのが普通のようです。もっとも最近では、おしゃべりよりもテレビが主流のようですが。
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2004年 08月 18日 |
 日本では連日猛暑だそうですが、こちらもまだまだ暑い日が続いています。
 日本と違い、湿度は低いので朝晩は窓を開けておけば気持ちの良い風が入りますし、日中でも日陰にいる限りそれほど苦痛はありません。こちらでは、夕方が一番暑く感じられ、この時刻にはクーラーのスイッチを入れずにはいられません。(※)

 そのクーラーが一昨日の夕方、壊れてしまいました。モーターがおかしくなったらしく、修理屋を呼ばなくてはいけなくなり、大家さんがすぐに手配してくれました。
 翌日の朝、大家さんの奥さんがやってきて、「11時以降に来るそうだから、11時以降は家にいてね」と念押しをしていきました。11時以降、何時に来るかは分からないということです。
 結局修理屋が来たのは4時近くになってからでした。

 以前、洗濯機を買った時もそうでした。
購入した店の人が私に、「じゃあ、このサービスセンターに連絡を取って、設置してもらってね」と言うのです。別に洗濯機の設置くらいできるのにと思い、自分でやってみたのですが、専門家でないと設置できないような構造になっていたのです。仕方なく、サービスセンターに連絡を取ったところ、「あさってに行きますから」とのこと。「あさっての何時くらいですか?」と聞くと、「午前9時から日没までの間よ」とのこと。
 それまでにもおおざっぱな約束には慣れていましたが、「日没まで」という区切り方はさすがに初めてで、唖然としたことを覚えています。たいてい、午前午後くらいは指定してくれるので。

 こういうおおらかな(?)時間の感覚にも慣れましたが、日本のサービス業の時間厳守というのは実はすごい技なのだということがよく分かりました。

 友達などと約束をしても、時間を守る人もいますが、守らない人も多いです。30分から1時間くらいは誤差のうちのようです。しかし、外での待ち合わせの場合は比較的時間に厳密なので、遅刻にもTPOがあるのは確かです。
 急ぐのは悪魔の仕事だそうですから、イラン人にとっては、時間に厳密な日本の社会は悪魔に魅入られた社会なのかもしれません。


(※)イランでは冷房は水冷式がほとんど。カスピ海岸や湾岸など湿度の高いところでは、日本のようなガス式も普及しつつありますが、高価なためまだそれほど普及率は高くありません。
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2004年 08月 12日 |
もう一つ衝撃の量り売りについて。

 それは生きた羊です。
 イランでは(恐らく中東各地でも同じかと思います)、誰かが外国から帰ってきた時、結婚式、子供が生まれた時、大きな買い物をした時(自動車など)、商店が開店する時、何か願掛けをすることがある時など、生きた羊を屠り、その肉、あるいは肉を料理したものを、親戚や近所の人に振る舞います。
 このため、生きた羊が売り買いされます。そしてこの羊も量り売りなのです。
 生きたままの羊を大きな台ばかりに乗せ、その重さで値段が決まります。テヘランで、一頭あたりだいたい60ー100万リヤール(約7700-12700円)くらいです。

 たちの悪い羊売りだと、目方を水増しするため、文字通り水を飲ませて体重を増やしておくのだそうです。

 イランに来てまだそれほど経っていない頃、テヘランの北西にある有名な聖者廟へ参詣に行った時のことでした。駐車場で車を降り、廟を目指して歩いていたところ、近くの村の人でしょう、私の方へ寄ってきて一言。「生きた羊あるよ」
 とっさに何を言われたのか分からず、びっくりしたことを覚えています。

 このように何でも量り売りをするからでしょうか。イランの人は、人の体重を当てるのが異常に上手です。チャードルを着たり、コートを着たりして女性の体型はわかりにくいはずなのですが、それでも当てるのですからすごいです。
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2004年 08月 12日 |
 イランでは何でも量り売りなので、と書きましたが本当のことです。
 例えば、今日はお客さんが来るからケーキでも、と菓子屋へ行きケーキを一つ買うと、おもむろにケーキをはかりに乗せ、重さが量られ、値段を計算します。焼き菓子でもクリームのケーキでも同じやり方です。
 真空パックされたソーセージも、重さを量って計算します。つまり、例えば同じ9本入りのソーセージでも、全部値段が違うのです。

 それでもこのくらいならまだ許容範囲ですが、ちょっとびっくりするようなものまで量り売りされています。
 数年前、日本から来た友人とテヘランの大バーザールを歩いていた時のことです。
 暑い中さんざん歩き回って疲れた我々は、日陰を見つけ座り込みました。お茶売りからお茶を買い、それを飲みながらふと気がつきました。
 ちょうど我々の座っている正面は、各種の鎖を売る店が集まった一角でした。それらの店先にはなぜか大きな天秤ばかりが置かれているのです。友人と、「まさか鎖まで量り売りはしないよねえ」といぶかっていたところ、我々の疑問を解消すべく(?)一人の男性が鎖を買いに来ました。その男性の選んだ鎖を1メートルほど切り、それをおもむろにはかりの上へ。いくつかの分銅を使って重さを量り、料金を告げています。客の男性も当たり前のようにお金を支払い、帰って行きます。
 「日本では長さで売るよねえ?」
 我々の常識が覆された瞬間でした。

 他の国のことはよく分からないのですが、どこでも鎖を量り売りするのでしょうか?少なくともその友人が一時期住んでいたイギリスでは、長さで売っていたはずだそうです。
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2004年 08月 11日 |
 この数日、いろいろと忙しくて買い物をする時間が取れませんでした。しかし冷蔵庫の中身も乏しくなり、野菜の買い置きもなくなってしまったため、思い切って買い物に出ました。

 こちらでは、たいていのものが量り売りなので、一人暮らしには向きません。肉はまだ冷凍できるので良いのですが、野菜はあまり日持ちもしないので大変です。
 量り売りの単位もグラムではなくキロで、半キロ以下ではなかなか売ってくれません。タマネギやジャガイモのようなものなら3キロくらいまとめて買っても良いのですが、キュウリを1キロ買わされたら半分以上を駄目にしてしまいます。
 そこで、八百屋との勝負になります。向こうは少しでも多く売ろうと、こちらが半キロと言っても1キロくらい袋に入れてきます。こちらが、「一人なんだからそんなにいらないわよ」と言っても、「大丈夫このくらい食べられるって」とまるきり無視です。
 留学当初はまだ気も弱く、大量の野菜を押しつけられていたのですが、最近はイランのおばさんを見習って気が強くなり、「半キロ以上入れたら買わないわよ」と叫び、それでも多そうだったら、たとえ嫌な顔をされ、文句を言われようと自分で袋から出して返す、ということができるようになってしまいました。
 しかし、スイカやメロンのたぐいは切り売りをしてくれないので、どうしても丸ごと買わざるを得ません。フットボール型の一つ5キロくらいあるようなスイカを買ったら、数日間三食後のデザートはスイカになってしまいます。

 家族で住むことが人間として当たり前、と考えるイランでは一人暮らしの人というのはほとんどいません。そのため、あらゆるものが家族向けサイズになっています。
 また、日本のような、お客様は神様です、という考え方はこちらにはありません。文句を言うなら買わなくていいよ、です。買い物は、気の弱い日本人にとって、順番を守らないおばちゃん達と、自分の都合を押しつける店員達との戦いなのです。
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2004年 08月 10日 |
 二匹のゴキブリを退治した翌日のこと。
 昼食を終え、腹休めにごろごろとしていると電話が鳴った。出てみると大家さんで、「あなたのところのベランダに、ゴキブリを落としてしまった。今、歩き回っているから気をつけて」とのこと。
 ベランダには洗濯物を干していて、そこを歩き回られるのはたまらんと、あわててほうきとちりとりを手にベランダへ。すると上から、「そこの隅」と大家さんの声が降ってきた。(※)確かに、ベランダの隅にたまっていた落ち葉や小枝の上で黒い物体が動いている。
 そろそろと近づき、ほうきで叩く。動かなくなったところを落ち葉と一緒にちりとりですくい上げ、隣の空き地へと放り投げる。とりあえず一件落着。
 恐らく大家さんも隣の空き地へ放り出したつもりが、風のせいで私の部屋のベランダへ落としてしまったのだろう。この分では下の階でもゴキブリが出現していたかもしれない。

 しかし大家さん。お願いですから、どうやったのかは分かりませんが、ゴキブリを捨てる時には生きたまま捨てないでください。

 今年のテヘランは例年になく蒸し暑く、そのためなのかどうか、因果関係は明らかではないが、どうもゴキブリの出現する回数が例年になく多いような気がする。

(※)私の住むアパートは三階建てで、大家さんが三階、私は二階に住んでいる。
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