イランという国で
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カテゴリ:学校&大学で( 85 )
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2014年 02月 18日 |
 今日のテヘランは曇り一時雨。この数日、暖かい日が続いていたのですが、さすがに雨の後はひんやりとしています。

 このところ、授業がない日はアルバイトのためにあちこち出かけている状況です。本当ならアルバイトをしないで生活できれば良いのですが、残念ながらそうもいきません。
 なんと、二年前の給料10ヶ月分が未払いのままなのです。
 周囲の人たちには「よく生活できるね」と感心されるのですが、まあ、何とかなるところがこれまたイランです。

 夏に大統領が替わり、イラン国内の官公庁で随分と人事異動があったようです。テヘラン大学も、夏休みが終わってイランに戻ってきてみたら色々と移動があったようです。
 外国語学部でも学部長が替わっていて、それに伴い事務職員の異動もあったようです。

 そして、「あなたの給料のことを交渉するなら今よ」という声に後押しされ、大学に対し二年前の給料が未払いであることを訴えるレターを送付(これまでは学科を通しての間接的な交渉のみしか許されていなかった)。
 これで本当に効果があるのかと半信半疑でいたところ、手続きをするからという返事がきてびっくりです。
 大学本部の国際部に出向いたところ、なんと、外国語学部前学部長が、外国人への給料の支払いを拒否していたという驚愕の事実が明らかに。本部も状況には気がついていて、前学部長に早く手続きを進めるように促していたのが無視され続けていたのだとか。
 学部長の交代によりようやく未払い問題が解決しそうではあるのですが、大きな問題が。2年前の契約ですから、2年前の予算から払われるべきものなのだそうです。ところが既にその年の会計年度は当然のことながら終わっています。それを既に残り少ないという今年の予算の中から支払ってもらうべく、大学に掛け合っているところなのですが、2年かけて解決しなかった問題が、大統領が替わった途端、解決に向かって動き出したということが何だかなあという感じです。

 アメリカなども大統領が替わると人事が一新すると言いますが、こんな感じなのかなあと思う今日この頃なのでした。

 ちなみに、予算がないのはテヘラン大学だけでなく、国営放送をはじめ、あちこちで似たような話はあるようです。細切れに分割で給与が支払われるので、どこまで支払ってもらっているか分からなくなるという話ですし、どこも大変なようです。
 それでも、大統領が替わって、なんとなく明るい雰囲気にはなったような気がします。観光客も増えているとかで、ノウルーズ以降はホテルの予約を取るのも難しいということです。欧米との関係も改善に向かいつつあるようですし、このまま良い方向に向かって欲しいと願わずにはいられません。
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2013年 04月 11日 |
 昨日は、今学期末がどうなるか分からないとお話ししましたが、昨日の午後、ようやく正式な通達が回ってきました。やはり、学期を短縮、期末試験を選挙までに実施してしまえということのようです。

 ということで、試験日程の作成をよろしく、と、学科室で仕事をしている私に、学科事務員が一般教養と第二外国語の試験日程リストを手渡し去って行ったのでした。
 事務員にも、私は時間割作成職人だと認識されているようです。確かにこの数年、私が時間割を作成しているのですが。

 試験日程は二週間。ところが二週目には祝日が二日も入っているため、試験に使える日は実質9日間です。これで、学生や先生から文句の出ない日程を組むことができるのかどうか。なにせ、

・一日に同じ学年の試験を二つ入れてはいけない
・二日連続で同じ学年の試験を入れてはいけない
・一般教養や第二外国語の時間割を優先する

 ですから大変です。
 1年生や2年生はまだ授業そのものが多くないですし、特に1年生は一般教養も入っていませんから何とかなるのですが、3年生や4年生になると専門教科も増えているので大変です。専門教科を二日連続で置こうものなら抗議がやってきます。さらには、一週目や二週目に自分の担当教科の試験が集中すると文句を言う先生もいたりするので、そのあたりも配慮しなくてはいけません。

 一日に試験を二つ実施してはいけないというのは、大学だけではなくイランの全ての課程でそうだというのですが、ちょっと甘やかされすぎではないかと、一日二〜三教科くらいの試験が当たり前だった私からすると、少々納得がいかない気分なのでした。

 これが通常の学期時間割となると、
・正規教員は月曜日に授業を入れるな
・正規教員は一日2コマ以上授業を持つな
・一般教養・第二外国語の時間に専門教科の授業を重ねるな
・単位を落とした学生が、落とした単位とその学期に履修できる単位全てを履修できるよう配慮しなくてはならない
・教務課に時間割を提出した後は、一切の変更を認めない

 等々、更に縛りが厳しくなります。
 学生の単位取得状況全てを把握して、彼らが本来履修できる授業を全て履修できるように時間割を作成するなど至難の業です。だいたい毎年一人くらいは困った学生がいて、単位を落としまくっていたりして、学期末の時間割作成作業時にこちらを困惑させてくれます。

 最近では、時間割を作成してくれるソフトがあるということですが、イランでもそういうソフトを開発してもらえないだろうかと思わずにいられないのでした。
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2013年 04月 10日 |
 先日テヘランに戻りました。
 午前に空港に到着。荷物を家に置いてすぐに大学へ。午後最初の授業を実施。
 諸事情からテヘランに戻るのが遅れたため、何とも慌ただしい正月明けの授業となってしまいました。

 大学での話題は、「授業がいつまでなのか」「試験がいつ始まるのか」です。
 今学期が始まる頃から話はありましたが、大統領選挙があるから、という、通常なら理解不能な理由から、授業が2〜3週間短縮されるというのです。まだ大学側からは正式に通達は来ていないのですが、学生や先生方の間では既定の路線として語られています。
 授業を短縮するとなると、シラバスはめちゃくちゃです。今学期中に終わらせるべきことが終えられない可能性があります。そのため、もし本当に学期が切り上げとなるのなら、授業の進度を速める必要があります。また、小テストなどを行う時間ももったいないため、これらも省略する必要があるかもしれません。
 しかし困ったことに、正式な通達が行われないのです。つまり、もしかすると噂だけで、実際には授業の短縮という措置は行われないかもしれないのです。ある学生によると、文科大臣自身は「大学の授業は一ヶ月延長すべきだ」と発言しているのだとか。

 これまでの経験から、事前の通達なしに、ある日突然、「今週で授業は終わり」と言い出すことは十分にあり得ると、どちらに転んでも良いように準備をするつもりではありますが、それにしても頭が痛いところです。

 と、ある意味大統領選挙の話題で盛り上がってはいるのですが、実際の選挙については、誰が立候補するとかそういった話がほとんど全く聞かれないせいで、大統領選挙なんて本当にあるの?という感じでもあるのでした。
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2012年 02月 28日 |
 ノウルーズまであともう少し、というこの時期、私も一時帰国を目の前に忙しくなっています。

 最近は、日本でも同じとのことですが、授業を休講にした場合、外国語学部では、必ず補講をしなくてはなりません。(以前、学生として人文学部に在籍していたときはそのようなことはなかったように思うのですが)
 飛行機のチケット等の関係で、ノウルーズ休みの前後それぞれ一週間を休講にせざるを得ないため、その二週間分、16コマの補講を行わなくてはなりません。幸い、そのうち2コマは他の先生が代わりに行ってくれることになったのですが、他は代わりがいないため、私自身が補講を行う必要があります。
 14コマの補講というのは案外大変です。
 できるだけ大学には来たくないという学生もいれば、単位を落としていたり第二外国語や一般教養の授業があったりで、学生全員が集まれる時間を見つけるのは至難の業です。

 もっとも、大学の規則を別にしても、予定している授業スケジュールをこなすためには補講は行わざるを得ませんし、仕方がないかなとも思うのですが。それにまあ、遊びに行く訳なので、あまり文句も言えません。

 しかし、一部、補講を行うことに文句を言っている学生もいます。これは何となく不思議な感じがします。大学での勉強というのは押しつけられてするものではないと思うし、こちらから学生に対して「授業を受けてください」とお願いしたり、命令したりするものでもないと思うのですが。出席したくないのなら、大学の規則で定められている範囲で好きなだけ休めば良いのに、と思ってしまうのです。ただ、語学の場合、授業に出ていない学生はたいてい落ちこぼれていくので、なるべく出席はするようにとは言いますが。(出席をしない学生に限って、試験の結果に文句をつけに来るというのもありますし)
 と、日本の大学で教えている友人などに言うと、「日本もそんなものだよ」とのこと。

  日本もそうですが、大学が全入に近くなってきて、学生達にとって大学は「行かなければならない」という義務教育のようなものになってきたということなのかなあ、と、何となく思ってしまう今日この頃なのでした。
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2012年 02月 14日 |
 とりあえず、連休明けの朝にメールは復活。
 大学でもとりあえずネットはつながっていたので一安心。ただ、テヘラン市内の一部ではまだネットあるいはメールがつながりにくいようです。改革派系のデモが週末に行われるという噂なので、それが終わるまではこんな状態ではないかとのことですが、携帯電話のSMSは使えているのでメールやSNSだけ遮断しても意味はないだろうなあとも。何のための遮断なのか悩みます。もしかして本当に単なる事故なのでしょうか?にしてはできすぎなのでやはり悩んでしまいます。

 今は、大学の各種事務手続きもオンライン化されつつあり、定期試験の結果の入力や授業の履修登録などはオンラインで行うこと、となっています。学食の利用もオンラインで予約するシステムとなっているようです。
 現在テヘラン大学では新学期の履修修正登録期間となっていて、ネットが使えないと混乱を来すことになってしまいます。

 大学内には学生が自由に使える無線LANもあって、自分のPCを持ち込んでネットを使うこともできるようになっていて便利なのですが、学科事務室や先生の研究室の事務用PCに接続されている有線のLANはトラブルが多くていらいらすることがしばしばです。

 テヘラン大学をはじめ、イランの学校の多くは最近、オンラインでの授業登録が普通になっています。しかし、都市部のある程度の収入があり、ネットを積極的に使う若者世代がいる家庭以外では、コンピューターを持っていない家も多く、このシステムだと履修登録ができなくて困る家もあるのではないかと思います。
 大学は学内に学生の使えるPCルームがあるので、自宅でコンピューターを持っていなくとも大学で登録ができますが、高校まででは私立の学校ならともかく、公立学校ではそういう設備もないため自宅かネットカフェからということになることも多いようです。
 しかし、ネットカフェから、といっても、テヘランなど大きな町ではそれほどでもないですが、地方の町ですと他に遊ぶ場所もないため、ネットカフェが若い男の子達のたまり場のようになっているところが多く、女性一人だと入りにくいそうです。
 聞いたところによると、結局、ネットを使うことのできない人のために、学校の先生が代わりにオンライン登録をしてあげることになるのだとか。

 イランのこうしたオンラインのサービスは、本来の目的である事務手続きの簡素化・省力化という目的と相反した、煩雑化につながっているように見えるところが微妙だなあと思わずにいられないのでした。
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2011年 11月 27日 |
 昨日のテヘランは雪でした。今朝もちらついていましたが、もう晴れ間が見えているようです。

 昨日、大学へ来て、お茶でも飲もうと給湯室へ行くと、「今日はガス圧が下がっていて、サモワールが使えない」とのこと。電気給湯器は使えるので、そちらでお湯だけもらい、ティーバックでお茶を入れたのですが、なるほどと納得でした。
 大学は、気温が下がり、暖房が入るようになってから、じっとしていても汗をかくほどの室温になっていたのですが、とても過ごしやすい気温になっていたからです。週末、暖房を止めていたからかと思っていたのですが、テヘラン市内の人々が一斉に暖房の設定温度を上げたため、ガスの圧力が下がってしまったというのが原因だったようです。

 暖房が入っているのは嬉しいのですが、それにしても、汗をかくほどまで温める必要があるのだろうか?もったいなくないか?と、毎年のように感じます。温度調整が難しい暖房方式なので仕方ないのかもしれませんが、暖房を入れながら、窓を開けて室温を下げているのを見ると、なにかが違うよなあと思わずにいられません。

 今日も大学内は日本人にとっては適温なので、まだガス圧は低いままのようです。でも、給湯室には電気サモワールが登場し、ちゃんとお茶は飲めるようになっていたのでした。

 私のアパートは、大学のある地区のお隣なのですが、こちらではガス圧が下がっているという話は聞かないので、これが大学だけのことなのか、大学のある地区のことなのかよく分からないのでした。
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2010年 06月 09日 |
 この土曜日から期末試験です。
 ところが、この土曜日、昨年の大統領選挙から一年目に当たります。そのため、改革派が抗議のデモを行うとのこと。それに呼応して、改革派を応援する学生が当日の期末試験のボイコットを呼びかけているのだとか。

 土曜日だけのボイコットで済めばいいのですが、また昨年のように大学から、「期末試験延期措置」を取られてしまったらどうしようかと、日本語学科の先生一同、頭を痛めているところです。

 先日、知人と話していると、やはり話題がこのデモのことになりました。そこでちょっと笑えない冗談が飛び出しました。
「1999年の大学寮の事件の記念式典をさせないために、テヘラン大学は大学カレンダーを前倒しにして、それまでは期末試験の最中だったその日を強引に夏休みにして学生を寮から追い出すことにした。今度はこの大統領選挙記念日にデモを起こさせないためにまた大学カレンダーを前倒しにするのではないのか?」というものです。「あるいは、期末試験を夏休み明けに持ってくるかも」

 冗談で済んでほしいなあと思いつつも、どこかで「もしかしたらそんなこともあるかなあ」などと思ってしまうのがちょっと悲しいのでした。

 でもまあとりあえず、これまでさぼっていた小テストの採点と、期末試験問題の作成です。

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2009年 12月 14日 |
 午前中は仕事でゴムへ。
 テヘランの出口に位置するエマーム・ホメイニー廟にさしかかると、何台ものバスが並び、中からぞろぞろとターバンを巻いたルーハーニー(イスラーム法学者)が降りてきます。はて、今日は何か記念日だったかと、運転手に聞いてみると、「ホメイニー師の写真が破かれたことに対する抗議だよ」とのこと。そういえばそんなこともあったなあとは思うものの、なんとなくぴんときません。
 先日の、アーザル月16日の大学生の日に、ホメイニー師の肖像写真が破かれるという事件があったらしいのですが、それが何日も経ってから大規模な抗議運動になるのかなあというのが正直な感想でした。
 何かにつけて行われるデモ行進のたびに、プラカードやポスターのホメイニー師が道路に散らばり、踏まれ、破れているわけで、何を今更という感じもしないでもありません。もちろん、悪意を持って破るのとは違うというのは分かってはいますが。

 などと思いながらゴムで用を済ませ、午後に大学で約束があったため、テヘランにとんぼ返り。

 大学に行くと、なんだか様子が変です。まだ授業中のはずなのに、学生の姿が殆ど見えません。なんだろうと学科事務室へ行くと、「例の写真の件で、学生が騒いで授業ができる状態ではなく、難を避けるために大学へ来なかった学生が多くて授業にならなかった」とのこと。
 授業をしようとしても、抗議活動(と称する)の学生たちが廊下を走り回って扉をばんばんと開けて騒いでいくので、授業にならなかったそうです。

 ホメイニー師が亡くなったのが1989年(だったはず)なので、大学生はホメイニー師を知らない世代です。「先生!私の一番好きな人です!」と、ホメイニー師の待ち受け画面を見せてくれる学生もいれば、「非常に清らかな人だった」と人間性についてのみ評価をすることで政治的な意見を避ける学生もいれば、「ヴェラーヤテ・ファギーフ(イスラーム法学者による統治)は無理があります」と控えめに批評する学生もれば、「彼らは革命を乗っ取ってイランをめちゃくちゃにしました」と積極的に批判する学生もいます。

 それぞれにそれぞれの意見があって当然だと思います。そしてその意見を意見として述べることのできる社会が「自由な社会」「民主主義的な社会」なのではないでしょうか。意見を述べる権利、それに対して批判をする権利、それぞれの権利が保障されていなくては「自由主義社会」を名乗ることはできないように思います。「自分の意見以外は圧殺する」というのは古い共産主義やテロリストの考え方似ているような気もするのですが、どうなのでしょうか。

 先日、最高指導者ハーメネイー師が国内の優秀な学生を招いて行った演説会で、招待された学生が「あなたのやり方は間違えているのではないか」と堂々と批判的意見を述べました。私はその場面を見ていないのですが、非常に冷静に堂々と意見を述べていたとのことです。
 その後、彼は大丈夫だろうか、エヴィーン(政治犯を収容する刑務所)に投獄されたのでは、などと半ば冗談交じりに心配されていましたが、体制の批判を行うことが投獄に結びつくというのはどうなのでしょうか。建設的な批判のないところに発展はないと思うのですが。

 学生と話していて感じるのは、現状に不満は抱いていても社会をひっくり返すような変革はそれほど強く望んでいないのではないか、ということです。革命とその後の戦争を通して、一度社会をひっくり返してしまうとその後の再建が金銭的にも時間的にも大変だということを体験したためでしょうか。現在の問題点を革命によって一気に解決しようというのではなく、枠組みの中で、あるいは枠組みそのものを少しずつ変化させることを目指しているのかな?と思わないでもありません。もちろん、一気に変えたい人もいます。

 どんな方法、どんな社会を目指すのかはイランの人たち自身が選ぶことなのでしょうが、このところの流れには少々心配もしてしまいます。

 そんなことを考えつつも、何かというと騒動を口実に大学を休みにしたり自主休講にしたりするのはやめてほしいなあというのが、大規模抗議行動翌日になっても大学に出てこない学生たちに頭を抱えているのでした。

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2009年 12月 09日 |
 イラン暦アーザル月16日、イスラーム・ヒジュラ暦ズィー・ハッジャ月19日、西暦12月7日

 イランではこの日は「大学生の日」でした。
 もともと、革命に至る流れの中で反体制派の学生が数名殺された日を記念したものだとのことです。というか、こんな記念日ばかりなので、どれがどれなのかという気分です。

 この日、反体制派の学生によるデモが行われるという話で、寮で暮らす学生には暴動などに巻き込まれないようにと避難する学生も多く、大学は危険だからと早々に休講を決め込む先生や、欠席を宣言する学生も多くいたようです。
 ちょうど前日の日曜日が、ガディール・フンム(ペルシア語ではガディール・ホンム)というシーア派にとって重要な宗教的記念日のために祝日で、金曜日との間に挟まれた土曜日が休日となり、木曜日から四連休となっていました。連休明けですから、授業をしないですむならその方が、という気分も漂っていたのだと思います。

 そうした中、エンゲラーブにある大学の本部は、いくつかある入り口はすべて「ガディール・ホンムおめでとう」という横断幕によって封鎖されていて、入構できなかったのだのことです。
 外国語学部は本部からは離れた場所にあるため、休校措置は取られることはありませんでした。しかし、外国語学部、体育学部、工学部などいくつかの学部は、本部とは離れていても寮と隣接しているため、寮で何かあった場合は、ある意味危険なのではないかとも思うのですが。

 とりあえず、休校でないなら出勤しないわけにはいかないしと大学に向かったのですが、寮の周辺の小路の入り口は警官や兵士が警戒態勢に当たり、いつでも道路が封鎖できるようにブロック用の柵が用意され、厳戒態勢が取られていて、これでは大学に来る学生はいないだろうと思わざるを得ませんでした。後で聞くと、大学本部近辺などでは商店が「略奪などにあわないように」店を開けないよう強要されていたとのことですし、交通にも規制がかかっている場所もあったようです。
 そんなんじゃあ学生は来ないだろうなあと思いながら念のためと教室を覗いてみると、なんと、三分の二ほどの学生がいるのでびっくりです。先月のアーバーン月13日の記念日も学部のほとんどの授業が休校になる中、私の担当授業はすべて成立していたのですが、今回も4コマすべてが成立したのでした。
 「そりゃあ、先生の授業を休む勇気のある学生はいないでしょう」と他の先生にはからかわれたのですが、別に普段、そんなに出欠を厳しく言うわけでもないのに、と、少々心外だったのでした。

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2009年 11月 29日 |
 文学史の授業中、「外を歩いていて、菊の花の香りがどこからか漂ってきて、『ああ、秋だなあ』と感じる。そんなことない?菊に限らないけど、花の香りに季節を感じることはない?」と言ったところ、「そんな風に感じたことはありません」とのこと。香りの良い花がこんなに多いのに?

 同じく授業中、「満月が東の空から上ってきた、ということはここで表現されているのは一日のどの時間帯?」と聞くと、全く反応なし。
「先生、早く答えを教えてください」
 月が昇るところを見たことがないのか?と心配に。

 イランは詩の国と言われ、イラン人自身も優れた詩人を排出していることを誇ります。
 しかし、日本の文学の授業をしていると、本当にそうなのかな?と思ってしまうことがあります。いつもではないのですが。
 特に自然から何かを連想するのは苦手なようです。感情、特に恋愛感情に関係するものは反応が悪くないので、自然の様々な動きに思いを重ねるというのが彼らの文学の範疇には少ないからなのだろうなと思うのですが。

 でも、そうした文学の質の差、だけではないように思うこともしばしばです。
 彼らと話していて気がつくのは、文学に触れるのは教科書の中だけ、それ以外には滅多に本を読むことはないようだということです。教科書にあること以外には関心もなく、自分で考えるよりは先生に正解を教えてもらってそれを暗記することだけが勉強だと思い。何かを知ることではなく、一点でも多く点数を取ることが喜びで。
 こうした傾向は、イランの学生に限ったことではなく、日本でもそうなのかもしれません。

 そういえば、私の指導教官が授業中に学生に苦言を呈していたことがありました。
「私が学生の頃は、シャーナーメやハーフェズやモウラヴィー、サアディー、アッタール。とにかく著名な作品はすべて、『隅から隅まで』暗記するくらい読んだものだった。それなのに君たちは、こんな薄っぺらな、作品の一部を乗せて解説しただけの教科書を読むことですら文句を言う。話にならない」
 いつの世でも、「今時の若い者は」、なのかもしれません。厳しいことばかりを言っても仕方ないのかな、と思いつつも、でもじゃあどう指導したものなのやら、と思い悩む今日この頃なのでした。

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