イランという国で
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パン屋
2007年 11月 12日 |
 先日、外出先から帰宅する途中での出来事です。

 私が住む地区の入り口で乗り合いタクシーに乗り込みました。
 私が最後の乗客で、私の前には(正確には隣には)、畳んだサンギャクを持ったおばさんが乗っていました。運転手や助手席にいた男性が、「そのままじゃ駄目だよ。ちゃんと布か新聞で包まなきゃ」と、なんだかばたばたしています。「あったあった」と運転手のおじさんが、「さあ、これで包みなさい」と新聞紙を差し出しました。おばさんは「ありがとう」と受け取って、がさがさとサンギャクを新聞紙に挟み、それを見た運転手のおじさんがようやく安心して、出発です。

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 走り出してすぐ、助手席のおじさんが、「ところで、それはどこで買ってきたんだい?」とおばさんに尋ねました。
「アミール・アーバードの心臓専門病院があるでしょ。その向かいの小路をずっと入ったところにサンギャクバーイー(サンギャク専門パン屋)があるのよ。親戚がその近くに住んでいるから、そこに行ったときには必ず買って帰ってくるのよ。このあたりにはサンギャクは全然ないでしょ」
 一番奥に座っていたおばさんが、「あら、そんなことはないわよ。17番通りの奥には一軒サンギャクバーイーがあるわよ。でも、全然おいしくないのよ」と、話し出しました。そこから車内は一気にパン屋評定に。
「あら、あったの?」
「あるけど、全然駄目よ。ねえ」
「確かに。あれはおいしくないね。あなたが言っているサンギャクバーイーは有名だよ」
「あら、このあたりはみんなバルバリーばかりだと思っていたわ」
「確かに、ほとんどバルバリーよね。でも、22番通りの奥には一軒ラヴァーシュがあるわよ」
「ああ、あそこはまあまあだね」
「バルバリーなら、38番通りのところが一番おいしいわよ」
「そうなの?」
「あそこが一番だね。確かに」

 38番通りのバルバリーというのは私のアパートの一番近くにあるパン屋なので、いつも使っているところです。確かにおいしいとは思っていましたが、このあたりで一番おいしいバルバリーだと言われているとは知りませんでした。パンにはうるさいイランの人たちにこれだけ保障してもらったのですから、きっと本当においしいんだなあと、ちょっと嬉しくなってしまったのでした。

 サンギャクは、カマの中に小石を敷き詰めてそれを熱し、少し発酵させて、細長い三角形に伸ばしたパン種をその小石の上に乗せて焼いたもの。大きいので、一~二枚買えば、一家族の一食分に十分になるくらい。

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 バルバリーは細長い楕円形の、少し厚みのあるパン。トルコ系の人が好むとか。私の住んでいるあたりのパン屋はバルバリーばかりなので、トルコ系人口が多いということなのか?とちょっと不思議です。これも大きいので、一家族の一食分には一~二枚で十分。私は一人暮らしなので、一枚買うと二三食は食べ続けることになってしまうくらいです。

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 ラヴァーシュは薄くのばした種なしパン。これは薄いので一回で10枚とか20枚買う人もいます。

 最近は、買ったパンをビニール袋に入れて家へ持って帰る人も多いですが、これだとパンから出る蒸気がビニールについてパンがべたべたしてしまいます。本来は布で包んで持って帰るのが一番なのだとか。これだと、余計な水分は布を通って外に出てしまいますし、布が適度に水分を吸ってくれるのでパンが乾燥することもありません。
 布の代わりに新聞紙でパンを挟んで持って歩く人もよく見られます。これも水分に関しては布と同じ意味があるようなのですが、新聞のインクが身体に良くないから駄目という人もいて、賛否両論あるようです。

 どのパンでもそうですが、テヘランなどの都市部では、多めに買って冷凍して保存する家が多いようです。
 乾燥したりかびてしまったパンは、「ナマキー」というパン回収業者に渡すと、昔は塩と交換してくれたとか。今は特にそういうこともないようですが、時々、プラスチック製品と交換してくれるナマキーもあるようです。
 集められたパンは羊の餌などになるとか。かびたパンを食べて大丈夫なのか?と思わず心配してしまうのですが、大丈夫だというイランの人たちの言葉を信じるしかないようです。

 写真上 焼きたてサンギャク。
 写真中 焼きたてのサンギャクを持って歩く人。アルダビールのバーザールで。テヘランだともう少し小型。
 写真下 38番通りのバルバリー。他の所より少し短いのが特徴。

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