イランという国で
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反体制派
2007年 10月 11日 |
 昨日、ではなくてもう一昨日になりますか。テヘラン大学で反大統領派と大統領派の衝突があったとか。

 同じテヘラン大学でも、エンゲラーブにある本部と外国語学部は少し距離があるので(物理的に)、全く知りませんでした。大学寮は目の前にあるのですが、今回は寮ではなく大学で起こったことだったようなので、騒ぎが伝わってきませんでした。

 恐らく、騒ぎの原因となったのは、先日のコロンビア大学での出来事だったのでしょう。あれで「アメリカの嫌がらせにも毅然と立ち向かう大統領」という大統領像が喧伝され、イラン内外のアメリカを快く思わない人々の支持を集めたというような報道が繰り返されていますから、反大統領派としては行動しないではいられなかったのではないかという感じがします。

 実は、日本の土下座外交をずっと見てきた目からすると、他に媚びないイランの独自路線というのは感心してしまう部分ではあります。
 しかし、国内に目を向けると、やることなすこと思いつきでやっているとしか思えないような場当たり的なことばかりで、特に経済に関してはもうどうしようもないとしか言えない状態です。

 石油利権には手を付けることに失敗し、海外からの投資も大統領閣下自身のイメージの悪さ故になかなか呼び込むことができず、ペルシア湾を挟んだお向かいのドバイの発展を歯がみして見るばかり。安い中国製品や韓国製品が雪崩を打って流れ込み、国内の産業は荒廃し始め、国の機関ばかりが肥大して利権をむさぼり、コネがなければ仕事は見つけられず、大学を出たところで希望もない。

 対外的な政治ばかりでなく、本来の公約である内政をどうにかしろ。
 外国メディア向けの発言ばかりでなく、国内の、本来自分が目を向けるべき我々を見ろ。

 そんなうんざりした気分や閉塞感が国内に流れていることは否定できません。テヘランではそれが無気力感に繋がっている部分があるように感じますが、地方ではもう少し違っているようです。
 テヘランでは「どうせ何をしたって無駄さ」と、選挙にも行かず、「怖いよ」と、デモをはじめとする抗議行動を取るわけでもなく、ただ愚痴をこぼし、「いつか外国へ」という夢を見て、という感じなのですが、国境に近い地方ですとちょっと事情が違います。隣国に、イラク、アフガニスタン、パキスタンという国々が並び、ペルシア湾を挟んではアラブ諸国がいてといった場所ですから、少々物騒なグループも活動したり出入りしたりしています。もともと、中央政府が自分たちの住む地方のことを考えていないという不満を持つ地方ですから、反体制的なグループも活動しやすいでしょう。アゼルバイジャン地方でも、中央に対する不満は常にくすぶっているそうです。

 まだそれほど大きな動きは伝わっていませんが、こういう人々の不満を上手くすくい上げる勢力が、それがイラン国内のものであれ国外のものであれ、力を伸ばしてきたらどうなるのだろう?という心配をしないではいられません。

 テロやクーデターは論外ですが、ハータミー大統領が登場したときのように、投票操作が行えないくらいの人々のパワーをもう一度示せないのかな?それができないくらいに都市の人々はスポイルされてしまったのかな?と、選挙の度にやきもきしています。もちろん、選挙の前に「立候補資格審査」なるものがあって、いわゆる改革派は立候補ができないに等しい情況にはあるので仕方がないのかもしれませんが。

 それにしても、「庶民の味方」の大統領はどこへ行ってしまったのでしょうか。
 国内経済や治安をしっかりしないと、対外的に強硬な発言を繰り返して「屈しないイラン」をアピールしても、足下からイランという国が崩れてしまうのではないの?と思わずにいられません。

 これを書いている間に、バムで日本人旅行者が拉致されたという情報が入ってきました。どこの誰による犯行かは分かりませんが、無事解放されることを願っています。

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by sarasayajp | 2007-10-11 15:41 | いろいろ |
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