イランという国で
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男女の別
2007年 07月 04日 |
 先日、テヘランの市バスが男女を厳しく分けているというお話しをしましたが、イランのすべての交通機関で男女の別が厳しいのかというとそうでもないから不思議だったりします。

 市バスの他にミニバスと呼ばれる小型バスもテヘラン市内を走っていますが、こちらは男女の区別はありません。見知らぬ男女が隣り合って座ったり、混雑しているときはぎゅうぎゅうとくっついてしまうこともあったりします。
 また、サヴァーリーと呼ばれる乗り合いタクシーも、男女を分けていませんし、地下鉄も決して男女の車両が分けられているわけではありません。

 町と町を結ぶ長距離バスや国内・国際航空便でも家族でも親戚でもない(ナーマフラム)男女が隣り合って座ることはあります。

 結局、男女が厳しく分けられているのは市内バスだけ?という情況だったりします。
 しかしこれも、通勤時間帯など男性席が激しく混雑しているときなどは、女性席の方へと男性も入ってきてしまいますし、それを女性側も厳しくとがめることはないようです。

 どんな交通機関でも、規則にはなくとも基本的に男性はナーマフラムの女性に触れたりしないように自主的に席を替わったり、男性の多い場所へ移動したりするなど男性が気を遣ってくれる多いですし、女性が「ナーマフラムの男性と一緒に座りたくない」と主張すれば、長距離バスや長距離列車、航空便では乗務員が席を交換してくれます。
 乗り合いタクシーの後部座席で男性が女性に挟まれそうになったときなども、男性が一度降りて、女性を先に乗せてから乗るなど気を遣うことも多いですし、女性も同じようにするようです。

 もちろん、中には男女が混在した場所でこれ幸いと女性に対して痴漢を働く男性もいますし、どう見ても結婚していないカップルがいちゃいちゃとしていることもあり、「厳格なイスラーム国家」という看板はいずこへ?と突っ込みたくなるシーンにも出くわすのですが、まあ、これはこれで人間らしいというか何というか、というところでしょうか。

 あまりに厳密に男女を分けすぎるのも不健全な感じがするのですが、でもやはり、「人の心は弱く、誘惑に負けて悪い方へと引き寄せられてしまうから」そうならないように予防策として男女を分けるという考え方そのものは理解できないでもありません。やりすぎてお互いを理解できなくしてしまったり、それを悪利用されてしまうのはどうかと思いますが。
 イスラームの預言者ムハンマドが言ったとされる言葉に、「ヘジャーブはあなたの目の中にある」というものがあります。ヘジャーブ(イスラーム法の規定に従った服装)を纏うことが正しいことなのではなく、男性でも女性でも、相手を見るときに欲望を持たずに相手に敬意を払ってふるまうこと、つまり人としての精神がヘジャーブを纏っていることがムスリムとして正しい行為なのだ、ということを表した言葉だと習いました。これはムスリムでなくとも参考になる言葉なのではないだろうかと、友人からこの言葉を教えてもらったときに思ったものでした。

 男性たちによると、「痴漢に間違われたら大変だから」というのもあるようですが、テヘランをはじめとする都市部の男性は家の外では割とフェミニストなように見えます。これを世界中が「イスラームが支配する厳格な国」であり、「女性が家に閉じこめられ、虐げられている社会」と見ているんだから面白いなあと思うこともあったりするのです。もちろん、そういう面もないとは言えないのですが。

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