イランという国で
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田植え
2007年 06月 19日 |
 沙漠の国というイメージが日本では強いイランですが、実際には雨雪も降る四季の存在する国です。
 農業も盛んで、食糧自給率もそこそこ高いと聞いています。

 イランの人たちの主食はパンですが、最近は米も多く食べられるようになり、イラン各地でコメの生産が行われるようになりました。
 コメの生産では降雨量が多く、湿潤な気候のカスピ海沿岸地方が有名ですが、アルボルズ山脈やザグロス山脈に沿った地方でも稲作が多く行われています。

 その一つがガズヴィーン州のアラムート地方です。

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 アラムートと言えば、ハサン・サバーフが率いる暗殺教団として西欧で知られたアサシンの難攻不落の砦があるところとして有名ですが、アルボルズ山脈の山襞の中にある寒冷地です。標高は1500メートルを超え、万年雪が残る山を背景にした水の豊かな地方でもあります。ここで冬に降った雪が雪解け水となって流れ出し、その水を利用して稲作が行われるのです。

 標高の高い場所ですので、マーザンダラーンやギーラーンなどの低地よりも随分と遅れて、6月も中旬すぎになってからの田植え作業です。

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 アラムートはアルボルズ山脈を挟んだ向こう側になるマーザンダラーンと密接なつながりがあり、言葉や文化など、マーザンダラーンにいるのかと思ってしまうくらいです。
 田植えをする女性のチャードルの巻き方など、まさしくマーザンダラーンの女性たちと同じです。

 稲作は麦などに比べると重労働であり、女性も労働力として必要とされています。そのため、ギーラーンやマーザンダラーンなどでは女性の家庭の中での地位が高いのだとか。

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 しかし、最近では安価な労働力としてアフガン人が田植え作業などに雇われるようになり、田植え作業の光景も随分と様変わりしました。
 田植えの時期だけ雇われてきたアフガン人労働者が、田んぼの持ち主の指示に従って田植え作業を行い、作業が終わったら普段は町に住んでいる田んぼの持ち主と一緒に町に帰っていく。そんな風になっているのだとか。

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 安い輸入米に押されて、イランのコメ作農家も色々と大変だと聞いています。
 また、狭い山の間の小さな田が多くて機械化できないため、作業の手を集めるだけでも大変とも言います。
 しかし、やはり日本の米所の出身である私としては懐かしさを覚える光景で、作業の様子にも、蛙の鳴き声やすいすいと飛ぶトンボの姿にも、なんだか嬉しくなってしまったのでした。

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