イランという国で
sarasaya.exblog.jp
  ブログトップ
ガソリンの値上げのこと
2007年 04月 22日 |
 テヘランでは、一年に一回、ノウルーズの後に物価の上昇が起こります。

 この二三年はそれほどでもありませんが、以前は、必ずこの時期に乗り合いタクシーや商品の値上げがあったものでした。
 その理由は「ガソリンの値上げがあったから」でした。

 ガソリンが値上がりしたからタクシーの料金を上げる。ガソリンが値上がりしたから商品の値段を上げる。
 非常に明快な理由と結果でした。

 ただ、これが年中行事と化していたためでしょうか。
 ガソリンの値上げがなかった昨年も、何故かノウルーズの後に乗り合いタクシーをはじめ、値上げが行われました。
 「ガソリンは据え置きだったでしょ?」というこちらの疑問に対し、タクシー運転手は「ガソリンは値上げしなかったけど、オイルの値段が上がった」という訳の分からない理屈で押し通し、結局値上げを飲まされたことを覚えています。

 今年も現在のところはガソリンの価格はそのままです。1リットル1円くらいでしょうか。

 イランは産油国だからガソリンが安い、というふうに考える人も多いと思いますが、これは実は大きな間違いです。
 イランは国内でのガソリンの供給が需要に追いついていないため、輸入をしています。その輸入したガソリンを、補助金を付けて国民に安く売っているため、国民がガソリンを消費すればするほど財政が厳しくなるという困った状態です。
 しかし、国民にしたらそんなことは知ったことではありません。
 「革命の時に、ホメイニー師は水道やガスや電気、ガソリンをただにすると約束したんだから、たとえ少額でも払わされていることがおかしいんだ」という人もいるくらいです。

b0006449_1455103.jpg

 この国庫を圧迫するガソリン補助をどうにかしようと、大統領閣下はガソリンのクーポン制を打ち出しました。
 クーポン制はこれまでにも何度か議題には上ったのですが、国民の反発を恐れた政府国会がその都度廃案にしてきたものでした。
 それを、大統領閣下は、実現して見せようというのです。
 クーポンで一ヶ月90リットル。それを越えた場合は1リットルあたり3500リヤール(45円くらい)以上で販売する、というのです。
 近年改善が見られるとはいえ、まだ燃費が良くない自動車の多いイランでは、90リットルなどあっという間に消費してしまいます。(イランの今は生産されていない国産車ペイカーンは100キロメートルをただ真っ直ぐ走るのに14~16リットルのガソリンが必要だとか) 私の知人のドライバーは、「90リットルなんて3日で終わるよ」と怒っていました。
 国の財政は健全化するかもしれませんが、国民の生活はどうなるのでしょうか。考えるとちょっと怖いものがあります。これまでの年中行事の値上げどころではない物価の上昇が起こるに違いないからです。それに対して国民の収入がどれほど増えるかというと、かなり疑問があります。こちらについても何らかの対策を取らないといけないのでは?と思うのですが、どうやらそうではないようです。

 そのため、ガソリンの値上げをしたら大統領はその地位から引きずり下ろされるだろうと考える人は多いです。

 大統領に就任以来、何を勘違いしたのか諸外国との政治・経済関係や対イラン感情をひたすらな強硬路線によって悪化させることに邁進し、彼の当選の原動力だった「社会的弱者」の救済をすっかり忘れ、国内経済を悪化させ、生活苦にあえぐ弱者を増やしているように見える大統領閣下に絶望する国民は日に日に増えています。
 正直なところ、これらがすべて大統領の責任かというと、大統領に政治的実権がほとんどないイランの政治体制を考えるとかなり疑問があります。しかし、ハータミー前大統領が経済無策とレッテルを貼られてしまったことを思えば、大統領というのは責任を取るためにいるのだろうということで、人々の間で期待され始めているように、退陣ということも有り得るのかなあと、恐らくすぐには起こらないであろうアメリカのイランを攻撃よりも、ガソリンの値上げが国会を通るのかや大統領の失脚というのがあるのかということの方が気になるのでした。

人気blogランキングへ
[PR]
by sarasayajp | 2007-04-22 14:56 | いろいろ |
<< バンダリー ページトップ 春の農村 >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Yuzuki Skin by Sun&Moon