イランという国で
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おまじない
2006年 10月 05日 |
 イランに住んでいると、当たり前のことですが、「ああ、イランだな~」と思うことで自分を納得させなくてはならないようなことに遭遇します。

 イラン暦の昨年、私はイランのワクフ慈善庁(ここがどのような業務を行っているか説明するととても長くなるので今回は割愛させていただきます)というところから「当庁が発行している雑誌の次号で聖者廟特集をするのですけど、何か書いてみませんか」という誘いをいただきました。
 そんな有難い話を断るはずがありません。
 これまでに訪れた聖者廟のデータを整理し、資料を集め、ペルシア語で必死にそれらをまとめ、知り合いにペルシア語のチェックをしてもらい、ワクフ慈善庁の担当者に内容についてのチェックをしてもらい、私自身が撮影した写真資料をCD-ROMに焼いて、手直しをした原稿と一緒にワクフ慈善庁に渡したのが冬のことでした。「ノウルーズ(新年)明けくらいに発行予定ですよ」とのことでしたが、雑誌の発行はよく遅れるので時期についてはそれほど期待しないで待っていました。

 ところが、ノウルーズが過ぎても何の連絡もありません。私も大学などいろいろと忙しかったため、なんとなくそのままになっていたのですが、夏休みも近づいたある日、ワクフ慈善庁側の人から電話が入りました。
「実は、オフィスの引っ越しが二度もあって、出版部があなたの写真データを紛失したと言うんですよ」
「はあ?」
「で、写真データをもう一度送ってもらうことはできますか?」
「そうしたいのは山々なんですけど、実は、写真データはPCが故障したときに全部消えてしまったんですよ。写真のポジは日本ですし…」
「ああ、そうなんですか。じゃあ、仕方がないです。我々のところにもプロの写真家が撮った写真資料は沢山ありますから、そちらから使うことにします」
「済みませんが、そうしていただけますか」

 春に発行と言っていたけど随分と遅れたんだなあ。まあ、偉い先生が多いみたいだから、締め切り破りをしていたんだろうなあ。などと想像しながらまた待つこと数ヶ月。

 それでも、なんとなく嫌な予感がしていたので、夏休みに一時帰国をしたときに大急ぎで写真資料として使った聖者廟のポジを探し、もう一度CDに焼き、イランに送りました。

 しかし、帰ってきた返事は、「結局、当庁の写真ファイルにもあなたが言及している聖者廟の写真がなかったので、あなたの原稿はなしで雑誌を発行しました。あなたのはやはり写真がないと意味がないですから」です。
 なんだその開き直った発言は、と唖然としてしまいました。最初にCDを紛失しておきながら何の連絡もしてこなかったのはそっちだろう、とか、自分たちがあなたより良い写真を持っているのだから大丈夫と自慢げに断言したのはそっちでしょ?とか、言いたいことは沢山あったような気がするのですが、その時はとにかく唖然としてしまい、何も言うことができませんでした。

「次号には絶対に載せますから」とは言われたものの、何となく釈然としない気分です。第一ここまでケチが付くと、この言葉さえ疑ってしまうくらいやさぐれずにいられません。
 ということで、こんな時には、何か都合の悪いことが起こったときにイラン人自身がよく使う決めぜりふ「イーンジャー・イーラーネ(ここはイランだからね)」を呟いてみるに限ります。この一言で何となく腹が立ちつつも、「そうだな~仕方ないな~」と思えるのですから不思議なのです。

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by sarasayajp | 2006-10-05 12:59 | イラン人 |
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