イランという国で
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トゥーランドット
2006年 08月 05日 |
japonikklaさんがペルシア語のトリビアなるものをTBしてくださっていたのに(こちら)、つい最近までうっかりとしていて気づいていませんでした。せっかくTBをしてくださったのに済みませんでした。
 お返しに私からも何かペルシア語のトリビアを、と思ったのですが、ちょっとおもしろい話を東海大学の春田先生が書かれていたのを思い出したので、今回はそちらを引用させていただくことにしました。(春田館から)


1.サーサーン朝ペルシア女帝「ボーラーン」 "Bo:ra:n"(在位630-631頃)
「娘」にあたる「ドゥフト」"duxt" が付く(/x/は、バッハの「ハ」と同じ摩擦音)
ちなみに、"duxt"は、英語の"daughter"と同語源
「ボーラーンドゥフト」"Bo:ra:nduxt"

2.近世ペルシア語ではなぜか語頭の{b}が{p}になったりする
「ポーラーン(ドゥフト)」 "Po:ra:n(duxt)"

3.アラブ語や近代イラン高原のペルシア語では、/o:/は/u:/に;
どのみち、/o:/と/u:/はアラビア文字ペルシア文字では書き分けできない
「ブーラーンドゥフト」 "Bu:ra:nduxt" / 「プーラーンドゥフト」 "Pu:ra:nduxt"

4.{b},{p}と{t}は、アラビア文字ペルシア文字では点の位置と数だけが違う
誰かが、この人名の{b}/{p}を{t}と写し間違える(書き間違える)
「トゥーラーンドゥフト」Tu:ra:nduxt
「トゥーラーン」という広域地名があるので「トゥーラーンの娘」と再解釈されても、違和感はない

5.近代イランでは、短母音/u/→/o/; 「-ドフト」

6.ペティ(1711): "Tourandocte"
これは名前だけを借りたもので、元になったストーリーはまた別のペルシアのお話

7.ゴッツィ(1762): "Turandot"

8.プッチーニ: "Turandot" 「トゥーランドット」

イナバウアー
荒川静香、金メダル!!



 この「〜ドフト」というのは春田先生による上の説明にもあるとおり、「娘」といった意味で、名前に使った場合は日本語の「〜子」という感じでしょうか。今でもゾロアスター教徒の女性の名前によく使われています。
 ゾロアスター教がイスラームが登場する以前にイランで広まっていた宗教の一つだったことから、当たり前のことですが、イスラミックな名前、アラビア語の名前というのはまずほとんど見あたりません。

 ちなみに、「娘」「女の子」を表すペルシア語は「dokhtar」、「息子」「男の子」は「pesar」、「母」は「ma:dar」、「父」は「pedar」、「姉妹」は「kha:har」、「兄弟」は「bara:dar」。どれもペルシア語がインド・ヨーロッパ語の一つなんだなあということを感じさせてくれる言葉です。


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by sarasayajp | 2006-08-05 09:20 | いろいろ |
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