イランという国で
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薔薇の村
2006年 05月 20日 |
 イランの国の花といえば薔薇。
 イランのあちこちに、原種に近い小振りな薔薇が植えられ、今が盛りと咲いています。

 この薔薇の花を利用した薔薇水でもイランは有名で、一年に一回、メッカのカアバ神殿のすす払いが行われるときにはイラン産の薔薇水で清めが行われるのだとか。更には、直接国交がないアメリカにもイランの薔薇水が売られているのだそうですから驚きです。

 薔薇水を作るのに使われるのは、「ゴレ・モハンマディー(ムハンマドの薔薇)」と呼ばれる香りの強い薔薇です。
 濃いピンク色の小さな花ですが、香りがとても強く、薔薇と薔薇水生産で名高いカーシャーン近くの村ガムサルでは、村に入った途端に薔薇の香りが漂ってくるほどです。
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 このガムサル村では、毎年4月末から5月一杯にかけて薔薇水作りが行われます。

 ガムサル村は標高が1800メートルを超える高地で、寒暖差の大きな気候が薔薇作りに適しているとかで、小さな村なのですが、イランの薔薇水生産の大きな部分を占めているとのことです。

 で、先日、このガムサル村へ行ってきました。

 薔薇の時期のガムサルを訪れるのはこれで三回目で4年ぶりでした。
 以前に比べると薔薇と伝統的な方法で作られる薔薇水作りを見に来る観光客が増えていて、村の道路なども良く整備されているのにまずびっくり。

 薔薇水を作るための薔薇摘みは、日の出前に行われ、日が出たら終わりだとされていました。
 これは、日が昇って花が完全に開いてしまうと香りが飛んでしまうことと、ミツバチなどによって花が荒らされるからだそうです。
 そこで、以前は、学校へ行く前の子どもたちも暗いうちから薔薇園に出て花を摘んでいたものでした。
 ところが、今回村を訪れてみてびっくりしたのですが、子どもたちが薔薇摘みの手伝いをしなくなっており、また、日が昇る前の作業よりも日が昇ってからの作業の方が長いほどでした。
 聞いてみたら、結構厳しい労働なので子どもたちは手伝いを嫌がるようになり、また、賃金が比較的安いアフガン人労働者などが入り込むようになったこともあって、以前とは作業の様子が変わってしまったのだとか。

 まあ、ともかく、薔薇摘みの様子です。
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 こちらは薔薇摘み歴50年のおじいさん。杖をつきながらのんびりと薔薇摘み。作業の手としてよりも、おじいさん自身がこの時期になると薔薇摘みをしないではいられないといった様子。

 摘み取った薔薇の花は、その日のうちに蒸留機にかけられます。
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 村の道路が立派になっていて驚いたと書きましたが、ガムサルの村役場はこの数年、薔薇水作りが「商売になる」とようやく気付いたとかで、観光客の誘致に力を入れると同時に、これまで特に組合もなく、それぞれの家で薔薇水作りが行われていることを利用して、色々と税金をかけてきたのだそうです。
 蒸留機一機あたり、一日1万リヤールの税金を払わなくてはいけなくなったし、蒸留のためのガス代も馬鹿にならないと嘆く人もいました。
 こうして税金をかき集めた結果でしょうか、ガムサルの村役場はとても立派な建物でした。

 どこの国でも似たようなことが起こるようです。
 それにしても、国の統制が強いイランで、村役場が単独でこんな風に税金をかけることができるのかどうか、今度確かめてみなくてはと思った次第です。



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