イランという国で
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モジャッヴェズって?
2006年 02月 19日 |
 今回の旅行でもそうでしたけど、旅行中、警察関連で嫌な思いをすることがしばしばあります。

 今回一番「それっておかしくないかい?」と思ったのがこれ。

 イランの街と街をつなぐ街道には多くの検問があります。特に大きな街の入り口(出口でもあるわけですが)には必ずと言って良いほど検問があり、外国人いじめに精を出しています。10年前に比べれば数は減りましたし、緩くはなっているのですが、それでもまだまだ場所によっては厳しく取り締まりをしています。

 ホルモズ島や、その後、バンダル・アッバースからミーナーブへ行った時など、警察がいきなり我々を見るなり、「モジャッヴェズ(許可書)!」と一言。
 我々はいきなり「許可書」と一言だけ言われても、何のことか分かりません。ホルモズ島観光や、ミーナーブ観光に許可書が必要だなどと聞いたこともありません。
 「は?何のことでしょう?」と、聞き返すと、「モジャッヴェズはモジャッヴェズだ。モジャッヴェズも持たずに旅行をしているのか!」と怒り始めます。訳の分からない言い分に、人間がそれほどできているわけでない私はだんだんと腹が立ってきます。
「だからモジャッヴェズって何?どこからそんなものを発行してもらわなきゃいけないわけ?」
 ここまで言い返してようやく分かったことは。
「モジャッヴェズといったらパスポートに決まっているだろう!」
 だそうです。

 いつから我々の日本国によって発行されたパスポートは、イラン政府によって発行してもらった「許可書」になったのだろう?と唖然としてしまいました。
 パスポートを提示させたいのなら、「パスポート」あるいはせめて「ヴィザ」と言うべきだろうにと、なんだかもやもやしたものが頭の中に沸き上がります。ヴィザなら確かに、イランの期間が発行した「許可書」には違いないですが、それにしても、普通はそういう言い方はしませんから、そういわれた我々が理解できなくて当然です。それなのになぜ、分からないことが犯罪であるかのように責められるのかなあと。

 我々を意地悪く尋問している警官の後ろを、イラン人が何も言わずにすいすいと通っています。彼らはチェックしなくて良いのかと指摘すると、彼らは間違いなくイラン人だからいいのだとのこと。
 もしかすると、イラン人じゃなくてイラン人に似たイタリア人かもしれないし、アメリカに魂を売ったイラン人かもしれないだろうにと、ちょっと八つ当たりしたくなってしまいました。どうして警官というのは、イランに限らず、どこでもあんなに態度が悪いのでしょうか。

 それにしても、パスポートのことを「許可書」と言われたのはホルモズガーン州が初めてでした。
 普通、イランでパスポートのことは「パスポルト」あるいは「ゴザルナーメ」です。ヴィザは「ヴィザ」あるいは「ラヴァーディード」。どう考えても「モジャッヴェズ」は一般的な名称ではありません。

 イランは完全に警察国家です。体制維持のため、警察力で国民を締め付け、反体制勢力ができないようにしています。その基本方針に従って、国民とイラン在住外国人についての情報を事細かに集めるため、警察と情報省は様々な活動をしています。
 もちろんこうした活動は、旅行者に対しても例外ではありません。
 外国人が宿に宿泊する時には必ずパスポートをフロントに預けなくてはなりません。(イラン人の場合は身分証明書)
 そして、夜になるとアマーケンと呼ばれる警察の一種がやって来て、それらのパスポートや身分証明書をすべてチェック、コピーを取って帰ります。このチェックが終わるまでは絶対にパスポートは返してもらえません。こんな国は滅多にないのではないでしょうか。
 外国人があまり来ないような街に宿泊すると、ホテル内でアマーケンに不審尋問をされたりすることもあります。英語ができない警官が圧倒的に多いので、ペルシア語が話せなければそういう目に遭わないのですが、なまじペルシア語が分かると非常に不愉快な思いをすることになります。私は犯罪者か!?と言いたくなるような尋問を受けることもしばしばです。
 必要なことならもちろん協力しますが、相手がどこの国の出身かによって応対が違ったり、ペルシア語ができる人だけ尋問を行うとか、差別と不公平が警官の気分一つで生じることが納得できませんし、腹立たしくもあります。

 以前にも書いたことがありますが、普段の生活でも、電話の盗聴をはじめとする様々な手段で、人々の生活を監視している国ですから、国内の隅々まで警察網を張り巡らし、「不審者」である外国人を監視するのは当然かもしれませんし、まあ仕方がないと諦めてもいます。

 しかし、「外国人はスパイと思え」という警察の方針と、「観光立国を目指す」という国の方針は相反するような気がするんだけどなあと、旅行先で警察から不愉快な扱いを受けるたび、そう思わずにいられないのです。
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by sarasayajp | 2006-02-19 12:40 | いろいろ |
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