イランという国で
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列車の旅
2006年 02月 14日 |
 これまでに何度かお話ししたことがあるように、イランでは春分の日を正月とするイラン暦を使っています。それと同時に、イスラームに関する行事にはイスラーム・ヒジュラ暦を使っていて、二つの暦がほぼ日常的に使われています。
 イラン暦は太陽暦なので一年が365日(四年に一度の閏年有り)なのですが、イスラーム・ヒジュラ暦は月の満ち欠けによる太陰暦を使っているため、一年がイラン暦よりも大体11日ほど短くなっています。このため、イスラーム・ヒジュラ暦は毎年イラン暦や西暦に対して11日ほど早くなっていきます。

 この二つのカレンダーを使っているイランでは、今年、イラン暦による革命記念日(これは毎年バフマン月の22日/西暦2月11日)と、毎年移動していく休日であるイスラーム・ヒジュラ暦によるアーシュラーがほぼ重なりました。
 アーシュラーの前日のタースワーとアーシュラーが水曜日と木曜日、金曜日はイランでは休日、そして土曜日が革命記念日という四連休です。

 この久々の連休を利用しない手はありません。

 普段あまり行くことができない場所へ行き、普段あまり食べることができない海の魚をたらふく食べよう!という二つの欲求を満たすため、ペルシア湾に面したバンダル・アッバースへ行くことにしました。テヘランから直線距離にして1334キロメートル離れた港町です。(日本だとどこからどこまで行ける距離なのでしょうか?)

 旅費を節約するため、行きは列車を利用することに。テヘランから延々20時間の旅です。

 こちらがイランの鉄道図。

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 イランでは列車はメジャーな交通機関になりきれない中途半端な存在のままです。
 未だに電化されておらず、また、未だに単線であるために、バスを利用するよりも時間がかかることもあります。そのため、列車の本数自体が少ないのも問題です。
 ガソリンが安いため、バスの料金がとても安く、また飛行機も日本に比べればかなり安いため、どうせ同じ時間がかかるなら安いバスを選ぶという人も多いですし、また、早く目的地に着きたいなら飛行機を使えばいいという感じです。

 例えば、今回のバンダル・アッバースですが、列車の料金は六人乗りクーペで一人約12万リヤール(約13ドル)で、飛行機は48万リヤール(約50ドル)、バスはランクによって違いますが、7~10万リヤール(約8~11ドル)とのこと。
 話はちょっと違いますが、日本で自宅の最寄り駅から新宿まで出かけると、400円かかります。そのため、一時帰国をしていて新宿へ出るたび、「400円あったら、エスファハーンまで(バスで)行けるのになあ」などと思ってしまいます。イランの長距離バスはその位安いのです。

 でもまあ、私個人としては列車の旅が好きですので、片道とはいえ、そして時間がかかるとはいえ、列車を使えるのはちょっと嬉しかったりします。

 出発は日曜日。3時45分発バンダル・アッバース行き。
 午前中いっぱい、大学で授業があったり、その後、色々と細かな用事を済ませているうちに、出発がぎりぎりの時間になってしまいました。テヘランの南にある鉄道駅に到着したのが3時20分頃。大急ぎで改札を通って、列車に飛び乗りました。

 ところが、列車はいつまで経っても出発しません。まあ、イランですから、のんびりした乗客がいたのかもしれません。
 結局出発したのは4時を過ぎてから。とことことテヘラン市内を抜けて、見渡す限り何もない荒野を走り、一路、バンダル・アッバースを目指します。

 以前、マシュハドやタブリーズへ出かけた時は、いわゆるグリーン車だったので、座席まで食事が運ばれてきましたが、今回は普通車なので、せっかくなので食堂車へ行くことに。もっとも、事前に注文をしておけば席まで食事を持ってきてくれ、その方が食堂車を使うより安いのだそうですが。

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 イランでは、清潔でないとかお金がかかるといった理由から外食を好まない人も多く、旅行の時にはお弁当を持って行く人が多くいます。時には、旅行中ずっとお弁当を食べ続けるという強者もいるとか。
 私たちは食堂車が混み合う前にということで、イラン的には夕食にはまだ早い7時過ぎに食堂車へ行ったのですが、既に何人もやって来ていました。私たちが食事をしている間にも続々と乗客がやってきて、席が空くのを待っている状態です。食事を席まで運ばせる人も多かったようですから、お弁当派は減りつつあるのかもしれません。

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 イランの列車やバスには、「お祈り停車」があります。
 列車の場合は、礼拝の時間に一番近い時間に到着した駅で「お祈りタイム」を設け、他の駅よりも長い時間停車をします。バスも街道沿いのドライブインには必ず礼拝用の施設が作られていて、休憩を兼ねてそこで礼拝ができるようになっています。
 今回の旅行では、カーシャーンの駅がお祈りタイムでした。
 私には礼拝は関係ないので、この時間に食堂車へ行ったのですが、このお祈りタイムに食堂車にいた人たちはつまり礼拝をしなかったということなのでしょうか。

 食事を終えるともうあとは寝るしかすることがありません。
 寝台を起こして寝場所を作ります。
 三段の寝台ですので、身体を起こすと頭をぶつけてしまいます。気分は蚕棚の蚕。

 イランを走る列車は、古いものは革命前から走っているらしいヨーロッパ製と、新しいものは中国製です。この両方とも、空調の調整がきかないのか、凍死しそうに寒い冷房と、うだるように熱い暖房しかないのかと思うほどです。先日のタブリーズ&ホイ旅行の時はあまりの暑さに眠れないほどでしたが、今回は、そこまで酷くないようで一安心です。

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 ごとごとと揺られながら眠りにつきます。
 目が覚めた時、列車はどこまで辿り着いているのでしょうか。
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