イランという国で
sarasaya.exblog.jp
  ブログトップ
ため息の出る話
2006年 01月 06日 |
 大学は、来週から始まる試験のため、授業はあるはずなのですが学生は自主休講して試験に備えているようです。

 ここしばらく、大学のある先生のことで考えさせられることが続いています。

 その先生は、大学院を出たものの仕事がなく、何度も大学に自分の売り込みをしていました。しかし、面接の度、その発言や態度に問題を感じた先生方によってずっとお断りをされていました。
 それでも諦めきれないその人は、とうとう、ある政府の有力者の力を使って自分を大学の正規教員として認めさせてしまいました。(テヘラン大学の規則では、一年目は非常勤にしかなれないはず)

 有力者がバックにいることでその人は自分に力があると思いこみ、傍若無人にふるまい、学科の責任者の言うことにも、他の先生の助言にも全く耳を貸さず、それどころか自分に何か意見を言う先生方の悪口を誰彼となく言いふらす始末。
 そして、博士号を持っているということで自分にすばらしい能力があると勘違いして、自分勝手でめちゃくちゃな授業を行い、学生たちを戸惑わせ始めました。そして、異議を申し立てる学生を「能力も何もない学生が生意気を言っている」と決めつけ、文句を言うばかり。

 日本で言えば東大クラスの大学であるテヘラン大学に入学してくる学生ですから、能力がないわけはありません。初めて習う外国語での会話が多少たどたどしいからと言って、頭の中まで幼稚なわけではありません。その先生の学生を馬鹿にした気持ちはすぐに伝わります。

 初めのうちは、「まだ慣れていない先生なのだから我慢しよう」と言い合っていた学生たちも、しばらくするうちに我慢できなくなってきました。

 授業の進め方や教え方はいい加減で、言うことや授業の内容がころころと変わる。授業中に大学や他の先生の悪口を言い始める。質問をする学生に「あなたは馬鹿か」という態度を示す。学生たちから次第に、授業になっていないという苦情があがり始めました。確かに、プリントを渡して、「家で読んできなさい」だけで授業を進められても学生はどうして良いか分かりません。
 そして、我慢できなくなった学生たちは、学部長宛に、先生の交代を願い出る手紙を連名で提出。さすがに大学もこれは無視できず、当人を呼んで、こういう手紙が出ているので気をつけるようにと叱責しました。

 ところが本人は、そうした学生からの抗議を受けても反省するどころか、「自分に嫉妬した学科長が学生に抗議の手紙を書かせた」「こんな酷いカリキュラムでは自分の能力は発揮できない」と責任を全て周囲に押しつけ、他の先生の悪口まで言い始める始末。更には、こうした周囲に対する文句を授業中に学生に向かって演説し始めたというのですから驚きです。学生も驚いたそうです。

 どんなに苦情が出たとしても、政府の有力者からのコネで入っているため、大学のトップも及び腰で、学科長などに「あの人を怒らせないように」と注意してきたというのですから、何とも呆れた話です。

 かわいそうなのは学生で、「あの先生が来てから基礎学力が落ちた感じがします」「次の学期もあの先生の授業があるんですけど、あの先生の授業では全く力がつきません」「授業中に何も教えていないのに、どうして試験ができるんですか?」等々、悲痛な叫びが上がっています。

 能力もないのにコネで就職するということは別にイランの大学だけでなく、日本の大学でも決して珍しいことではないと思いますし、実際に何度もそうした話を聞いたことがあります。しかし、就職に至るまでのいきさつはともかく、就職したからには自分の責任を果たすために努力すべきでしょうに、問題が起こった時に自分を省みることなく、自分にとって都合の悪いことは全て周囲が悪いと騒ぎ立て、常に自分だけが被害者であると主張し、どんなに他の人に迷惑をかけようと謝罪もなく感謝もないというのは、日本人もイラン人も関係なく、一個の人間としてどうなのかなあ、と、その先生の話を聞く度にため息が出そうになってしまうのです。
 本当に、周囲の先生方も大変ですけど、学生が一番の被害者です。ところが、大学が政治を優先して、学生のために何もしないというのにも疑問を感じないではいられません。
[PR]
by sarasayajp | 2006-01-06 15:03 | いろいろ |
<< お知らせ ページトップ クリスマス >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Yuzuki Skin by Sun&Moon