イランという国で
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大気汚染の季節
2005年 12月 05日 |
 テヘランはまた大気汚染の季節を迎えました。

 今週(土曜日)に入ってから、空気が霞んでいるなあと思っていましたが、昨晩のニュースで、火曜日まで大気汚染状態が続くとの予報がありました。ため息が出てしまいます。

 このところ酷い渋滞が続いています。
 歩いた方が早いのでは?というくらいの渋滞が延々とどこまでも続き、何時間か外出すると排ガスなどで頭痛がし、顔を洗うと黒い水が流れるくらい顔や手が汚れます。人の住むところではないかも?と思うくらいです。

 地下鉄の敷設がなかなか進まないことが渋滞が解消しない理由の一つではないかと思うのですが、昨日の朝刊によると、国家予算審議会はテヘランの地下鉄のために内務省から出されていた要求の70パーセントを拒否したというのです。それも、理由がふるっています。地下鉄を敷設するためにかかる費用がかかりすぎ、運賃収入では賄いきれず、経済的危機に直面するであろうから、だそうです。

 一見まともそうに見えるこの大統領見解ですが、ちょっとおかしいような気がします。

 普通、地下鉄を掘りながら利益を上げることなどできるでしょうか?設備投資というのは将来への投資であって、利益をすぐに得るためのものではないと思うのですが、どうなのでしょう。経済学に明るいわけではないのではっきり断言はできないのですが。

 現在、イランでは、ものすごい勢いで自動車を生産しています。
 このほとんどが国内で消費されます。中国へ輸出するという話もあるようですが、現在はそのほとんどが国内でしか消費されていません。そして、イラン国産車を生産するイーラーン・ホドロウ社を助けるため、最近、自動車購入のためのローンが非常に借りやすくなったとのこと。そのため、新車がどんどんと町を走るようになっています。

 自動車を走らせるためにはガソリンが必要です。
 イランは恐らく、世界で最も安くガソリンが売られている国の一つだと思いますが(1リットル約10円)、これは政府がガソリンに対して補助金を出して安値を維持しているからです。つまり、自動車が沢山売れて、日中はいつも渋滞しているくらい国民が自動車に乗ってガソリンを消費し続ける限り、国が支出補助金は増える一方なわけです。現に、イラン暦では今9月ですが、国民があまりにガソリンを消費するため、既に今年のガソリンに対する補助金の予算を使い切ってしまったとのことです。これから四ヶ月は赤字予算になってしまうわけです。

 ガソリンを消費し続けて大気汚染を悪化させ、財政を圧迫させることと、何年間か設備投資のための予算と割り切って地下鉄を作り、大気汚染と渋滞の軽減をはかることのどちらが大切なのでしょうか?
 それに、原子力発電所を作る理由が、「石油は輸出のためのものであって国内で消費するものではない」というのでしたら、国内で消費するガソリンも減らすように努力すべきではないかと思うのですがどうなのでしょう。
 今もニュースの中で、「お出かけの際には公共交通機関か、タクシーを使って下さい」などと呼びかけていますが、自家用車を持っている人がそんな呼びかけに応えるでしょうか。

 どうしても自動車でなければいけないと言うのなら、日本企業にがんばってもらって、ハイブリッド車をもっと安く生産できるようにしてもらい、イランでどんどん販売していただきたいと思いますし、バスも、テヘランの一部で走っているようなロータリーバスにして欲しいと思います。(こちらは最近、ガス燃料によるバスが走るようになって少し良くなっていますが)
 本当に、子どもやお年寄り、呼吸器や心臓に疾患のある人が安心して冬を過ごせるよう、イラン政府とテヘラン市には、目先の利益に捕らわれず、真に必要な政治を行う努力をしてもらいたいと願わずにいられません。
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