イランという国で
sarasaya.exblog.jp
  ブログトップ
意外な結果
2005年 06月 21日 |
 大統領選挙ですが、どうやら決選投票にもつれ込むようです。これまで9回行われた大統領選挙で初めてのことだそうですが、確かにどこ候補者を見ても変わりばえがしないというか、言っていることもさして違いがあるわけでなく、あとは経験値の違いだけ、ということだったように思います。

 昨日、大量のポスター作戦を展開したガーリーバーフについてご紹介しましたが、善戦したものの、決選投票には残れなかったようです。下馬評では彼かモイーンであろうと言われていたのですが、やはり、国民はお為ごかしの(保守派の抵抗で結果的にそうなってしまう)「改革」よりも、「経済発展」を選択したようです。

 それにしても、ラフサンジャーニーの票が伸び悩んだのは意外でした。バーザール商人などは経済に明るいラフサンジャーニー支持だということでしたし、バーザール商人が味方につくということはほぼ決まりかと思ったのですが、どうやらイラン社会も変化してきているようです。

 バーザール商人を中心とした経済を握っている層の社会的な地位の低下は以前から指摘されていましたが、どうやらその流れは押しとどめようがないところまで来ているのかもしれません。
 それよりも、人口の五割を超える(!)25才以下の世代が無視できない勢力となっているということでしょう。
 彼らは総じて教育水準が高く、また「革命を知らない世代」であり、戦後のものが豊かに出回るようになった時期しか知らない世代です。豊かな生活をしたいし、自由も欲しい。しかし現在のイランでは、彼らの就職は全く保証されていません。彼らの不安に答える政策が出せる候補が得票数を伸ばしたに違いありません。

 それでも、次点にアフマディーネジャードとはかなり意外でした。彼はテヘランでは、「本当にやる気があるのか?」と思うような選挙活動しかしていませんでしたし、テヘラン市長時代の彼の政策はお世辞にも誉められたものではなかったように思うからです。何かしらの投票捜査が行われたのでは?と疑う人がいるのも何となく分かります。
 投票捜査といえば、投票率が60パーセントを超えているように報道されていますが、私の周囲の人々の話を聞く限り、40パーセントくらいでは?と感じられます。また、投票に行っても白紙投票をしたり、投票そのものは行わなかったという人もいるようです。

 まあ、それはともかく、アフマディーネジャードの選挙ポスターからです。
「え?立候補資格が認められたの?何も準備していないよ!」といわんばかりのポスターばかりです。そういえば、彼の大型ポスターは見かけなかったような気がします。


b0006449_12111481.jpg

この手書きのポスターがいかにも急造。
「人々とのつながりを確立しよう」という意味のことを呼びかけています。この手書きポスターの左上の写真入りポスターでも大体そんな感じ。







b0006449_12161833.jpg



こちらは「貧困と汚職の敵・アフマディーネジャード博士」







b0006449_12171550.jpg


こちらは「人々を守ることのない汚職との戦いは受け入れられるものではない」
この手書きポスターを貼るために使われている写真入りポスターですが、ちょっと分かりにくいのですが、イラン・イスラーム革命の闘士の一人であり、反革命派に暗殺されたラジャーイー氏の写真が使われています。そしてそこに書かれているのが、「政府の人々への回帰」。


 こうして並べてみると、彼が支持を集めたのは何となく分かるような気がします。
他の候補者のように、「経済改革」を前面に打ち出すようなことは言っていませんが、現在の革命の理念を失って腐敗した政府を人々と共に革命当初の理想へと立て直そう、という彼の訴えは、革命に幻滅している世代には「え~~~?」という感じかもしれませんが、それでも「腐敗との戦い」というのは「就業の機会確立」にも繋がると考えられなくもありません。そしてテヘラン市長としての行政経験もある、というのは、「経験」を重んじるイラン人としては安心感があるでしょう。大統領の職を利用して私財をかき集め、増やしたラフサンジャーニーよりは清潔感があるというのもポイントが高かったのかもしれません。

 それにしても、ハータミー大統領の第一回目の当選の時も思ったことですが、投票結果というのはふたを開けてみるまでは分からないものなのかもしれません。まあ、イランの世論調査ほど当てにならないものはないのですが、あの時も、「え~。ナーテグヌーリー圧勝って言っていたじゃん」でしたし、今回も「ラフサンジャーニー有利じゃなかったの?」です。決選投票になれば支持基盤がしっかりしているラフサンジャーニーが有利といわれていますが、どうなることでしょうか。
[PR]
by sarasayajp | 2005-06-21 12:19 | いろいろ |
<< ささやかな願い ページトップ ファーティマの殉教日 >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Yuzuki Skin by Sun&Moon