イランという国で
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「おしん」の功罪
2004年 09月 02日 |
 昨日も書きましたが、「おしん」はイランの人々を魅了しました。私がイランに来てからも少なくとも三回放送されています。そしてそのたびに、日本人を困惑させる事態が起こるのです。

 誰かの家へ招かれた時、バスで隣り合わせた人に、買い物をしている時に、とにかく私が日本人だと分かると一言目は「おしんを知っているか?」です。視聴率100パーセントだったのではないかと思うくらいに、おしんおしんです。それにしても「おしんをしっているか?」という聞き方をされても困ります。私はおしんと知り合いではないのですから。

 どうしてそんなにおしんが好きなのかと聞いてみると、理由は様々ですが、主に次の点に絞られるようです。
サクセスストーリーに対するあこがれが一つ。
 「おしん」の中で描かれる日本社会への理解とあこがれ。
 おしんを演じた田中裕子がイラン人男性の好みだった。
 「りょうぞうさん」を演じた俳優(誰ですか?)がイラン人女性の好みだった。

 おしんが放映される前からイランには、日露戦争でロシアに負けなかったこと、第二次世界大戦後の荒廃の中から世界に冠たる(と信じられている)技術大国を作り上げたことなどから、日本に対する好意が存在していました。それが恐らく、「おしん」を通して、これが日本である、という具体的なイメージとなったのだと思います。
 イラクとの戦争が終わった直後の、社会基盤や経済基盤が荒廃したイランにとって、「おしん」の世界は自分たちを見るような思いだったのでしょう。そして、おしんの成功は、自分たちもこうなれたらという希望でもあったのだと思います。

 おしんの話題をきっかけに話がほぐれるのは悪くありませんし、日本に対する親しみを持ってもらうことに役立っていることは認めます。しかし困ったことに、私自身は「おしん」を見ていませんし、あの時間帯のドラマに描かれる女性像はステレオタイプで好きではありません。そのため、日本人女性が全ておしんのように見られることに戸惑いと、かすかな嫌悪感を感じないではいられません。そして、現在の日本社会が「おしん」の中に描かれたような社会であるとの誤解についても対応に困ってしまいます。

 それから、何よりも困るのは、バスの中や旅先でしばしば「おしんは元気か?」あるいは「おしんはどうしている?」と聞かれることです。これは何を意味しているのでしょうか?おしんを演じた田中裕子が元気か?ということなのでしょうか、それともモデルとなった人物が元気か、という意味なのでしょうか?一応、両方答えてあげるのですが、これも困惑の種です。
 それだけ「おしん」に親しみを持ってくれているのでしょうが、ちょっと困ります。

 そういえば、イランに来たばかりの頃、「おしん」の話と一緒に、「はにこ」はかわいいよね、とよく言われました。「はにこ」って何だ!?と、しばらく理解不能でしたが、ある日本人駐在員に教えていただき分かりました。「おしん」と同じ時間帯枠で放映されていた「はねこんま」のことだったのです。どうやら斎藤由貴もイラン人男性好みだったようです。
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by sarasayajp | 2004-09-02 15:49 | いろいろ |
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