イランという国で
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イラン人の姓
2004年 12月 18日 |
 イラン人の姓についてご質問を受けましたので、以前、少し触れたことがあるのですけど、もう一度。

 イラン人の姓にはいくつかパターンがあります。


 一番多いのは出身地や先祖の名前に「イー」という発音を加え、「~出身の」というにしたものです。
 イラン・イスラーム共和国建国の祖ホメイニー師も、ホメイン村という小さな村の出身で、ホメイニー。
 現在の最高指導者ハーメネイー師も、この人自身はテヘラン生まれらしいのですが、父親か祖父が、アゼルバイジャン州のハーメネ村の出身で、ハーメネイー。
 前大統領のラフサンジャーニー師も、ピスタチオの産地として有名なラフサンジャーンの出身でラフサンジャーニー。
 サッカーの代表チームにいるアミールアーバーディー(アミーラーバーディーとも)は、アミールアーバード出身で、アミールアーバーディー。
 同じく代表メンバーのレザーイー(日本ではレザエイと表記)は、何代か前にレザーという人がいたのでしょう。その人の名前から取って、レザーの家の出という感じの意味でレザーイー。


 同じく最後に「イー」がついても出身地や出自と関係がない場合もあります。例えば、良い意味の名詞あるいは形容詞、人の名に、「イー」をつけて姓にすることが良くあるからです。
 例えば、サッカーの代表チームでは、キャリーミー(日本ではカリミとなっているようですが)は、「キャリーム=寛大な、気高い」という形容詞にイーという発音をつけて、「寛大な人、気高い人」という意味にしたもの。
 同じく代表チームのノスラティー。これも「ノスラト=勝利」という言葉にイーをつけてノスラティー=勝利のという姓にしたもの。代表チームにはふさわしい名前かもしれません。


 それから、「~ザーデ」が最後につくもの。これは「~の生まれの、~の子孫」という意味です。
 サッカー代表ゴールキーパーだったアーベドザーデは、アーベド(信仰者、修行者の意味)の生まれの、という意味。ご先祖に熱心な修行者がいたのかもしれません。


 「~プール」が最後につくもの。これは「~の息子」といった意味です。
 サッカー代表チームのミールザープール、タギープールは、ご先祖にミールザー、タギーという人がいたのではないでしょうか。ミールザーもタギーも男性に良くある名前です。


 「~(イ)ヤーン」と終わる姓は、「~家の」といったくらいの意味です。これはペルシア語の複数形を使用したもの。
 イラン保健衛生省大臣のペゼシュキヤーン氏は、ペゼシュキー=医者の、を複数形にしたもので、医者一族の、といった感じでしょうか。


 それからこれは数は少ないのですが、「~キヤー」が最後につく場合、辞書によると、名門出身の可能性が高いそうです。キヤーというのは、イランの神話の中に登場する伝説の王朝「カヤーニー朝」がもとになっているもので、王をはじめとする支配者階級に主に使用されていた姓だったからです。
 現在ドイツでプレーしているイランのサッカー代表メンバーの一人、マフダヴィーキヤーという名前は、マフダヴィー=マフディー(救世主の意)のという言葉にキヤーを加えたものです。
 日本で人気のある映画監督、アッバース・キヤーロスタミーも、キヤー+ロスタミー(ロスタムの)という組み合わせ。ロスタムはイランの英雄叙事詩に登場するイラン最大の英雄です。


 それから、職業を姓にしたものもよく見られます。
 日本でもおなじみサッカー代表キャプテン、アリー・ダーイーのダーイーは「宣教者」の意味。


 日本ほどではないですけど、イランでも意味を持った姓が多いので、色々と想像して楽しめたりするのです。


 そういえば、やはりサッカーの代表メンバーの一人、ゴレ・モハンマディーという姓も気になる姓の一つです。
 イランの国花は薔薇で、薔薇の原産地の一つでもあります。野生種に近い、濃いピンク色で香りの強い薔薇が特に有名で、これが「ゴレ・モハンマディー」と呼ばれています。なんだかかわいらしい名字だなあと、彼の名前を聞く度に思ってしまうのです。


 最後に、ここにあげた姓の付け方は、ファールスィー(ペルシア語を母語とする人たち)のものが基本になっています。トルコ系、コルド系、アラブ系などファールスィー以外の人たちはまた、彼ら独自の姓を持っていることもあるということをお断りしておきます。
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by sarasayajp | 2004-12-18 00:41 | イラン人 |
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