イランという国で
sarasaya.exblog.jp
  ブログトップ
アミーン
2010年 05月 09日 |
 知人の一人が、「カルバラーに一家で巡礼に行った友だちから、1億リヤール(約1千万円)預かったんだ」とのこと。
 どうしてまたと不思議だったため、「別に何か意図があっての発言ではないんだけど、銀行とかに預けるのが普通じゃないの?」と聞いてみたところ、「もし万が一カルバラーでなにかあったとき、お金が銀行に預けてあると親戚の人がそれを受け取るのに一年はかかるから面倒なんだよ」とのこと。
 妻とか子ども、両親なら手続きはそれほど難しくないようなのですが、それよりも遠い親戚になった場合はあちこちに書類を提出したりサインをもらったりで大変なのだとか。それなら、信頼できる人に預け、万が一のあったときにはそれを使って事後処理を行ってもらったり、財産の相続権のある人に渡してもらったりした方が楽なのだそうです。

 日本の銀行はどうだったかな〜などとのんびり考え始めて気がつきました。
 銀行の問題以前に、カルバラーへの巡礼が危険だということが問題なのでした。恐らく多くのイラン人は、ドバイに遊びに行くとか、巡礼でもシリアへ行く時に、全財産の処理を信頼できる友人に委ねるなどということはしないのではないでしょうか。少なくとも私の周囲では聞きません。
 あまりニュースにはならないようですが、カルバラー巡礼中の誘拐やテロはあり、イラン人も被害に遭っているようです。リスクが大きいため、イラン国内の旅行社でもカルバラー巡礼ツアーは取り扱わないというところも多いようです。

 地方を調査して歩いていると、「カルバラーイー(カルバラー巡礼者)」と刻まれた墓碑を多く見かけます。マッカ巡礼者である「ハージー(女性はハージーエ)」やマシュハド巡礼者である「マシュハディー」よりも多い村もあるくらいです。昔から村でキャラヴァンを作ってカルバラー巡礼に行っていたということですから、こうした墓碑はその名残なのでしょう。

 カルバラーに一緒に行かないかという誘いは時々あるのですが、行くときにはやはり私もそれなりに支度をするなあと思うのでした。

人気blogランキングへ





 イスラームの預言者ムハンマドの異名の一つが「アミーン」です。信用できる正直者、といった意味なのですが、そういう異名をもらうほど信用できる人物だったとのことで、マッカの人々は財産を彼に預けて管理してもらっていたのだとか。イスラームの普及活動を始め、マッカの人々と対立するようになった後も、対立する勢力の人々ですらムハンマドに財産を預けていたというのですからかなりのものです。
 そして、マッカでの布教に限界を感じ、マディーナ(当時の名前はヤスリブ)へ脱出するときも、預かっていた財産をそれぞれの人にきちんと返還したと言われています。
 知人がお金を預けられた話を聞いて、ムハンマドのこの話を思い出してしまったのでした。

人気blogランキングへ
[PR]
by sarasayajp | 2010-05-09 21:43 | いろいろ |
<< 休日 ページトップ コハダ >>
XML | ATOM

個人情報保護
情報取得について
免責事項
Yuzuki Skin by Sun&Moon