イランという国で
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テヘランのアパート事情
2004年 11月 24日 |
 イランの住宅事情についてご質問がありましたので、イランアパート事情について。

 とはいっても、テヘラン以外の都市についてはよく知らないので、テヘランのアパート事情です。

 テヘランは地方からの人口流入が激しく、日々膨張している都市です。
 そのため、住宅に対する需要も多く、数年前からアパートの値段が跳ね上がりました。バブル到来です。また、建築材料の品質を落とし、あるいは違法建築を行って安く造ったアパートを高く売るという悪質業者も多く、欠陥建築だらけとなってしまいました。

 テヘランは、一戸建ての家は案外少なく、ほとんどがアパートです。
 革命前は一戸建ても多かったのですが、一戸建てのオーナーが老後の資金のためにと、自宅をアパートに建て替えて売るというケースが増えています。
 また、アパートの値段が高騰したため、地方から出てきた人や若い夫婦などには買えない、あるいは借りられない価格となってしまい、彼らは自分たちでも払えるような面積が小さい部屋を探すようになりました。
 そのため今度は、古くて一世帯あたりの面積が大きかったアパートを建て替えて、一世帯あたりの面積を小さくし、部屋数を増やして収入増をはかる大家も増えました。テヘラン周辺部の新しく建てられているアパートは、大きな敷地に小さな部屋がたくさん入ったアパートがほとんどです。



 アパートは、日本でマンションを買うのと同じように買うのと、賃貸とあります。
 賃貸は、一ヶ月毎に家賃を払う方法と、多額のデポズィットを払って月々の家賃を支払わないという方法、デポズィットと月々の家賃を組み合わせるという三つの方法があります。

 デポズィット制は一年ごとの契約で、契約を更新するたびに、デポズィットを増やすか、月々の家賃を増やして契約を更新します。契約を解消するとデポズィットは全額戻ってきます。
 デポズィットとして預かったお金を大家は銀行に預け、その利息を家賃として取るのです。イランの長期預金の利率は一年定期で平均7パーセント(5年定期だと18パーセントという銀行も有り)を超えており、元金が多ければ家賃分くらいの利息が出るため、大家にとっては本当に払ってくれるかどうか分からない月々の家賃を取るよりも確実であるというメリットがあります。また事業を行っている場合、デポズィットを次の建築を始めるための資金とすることもできます。

 デポズィットを沢山用意できないという場合、デポズィットと家賃を組み合わせて支払う方法をとることもできます。
 テヘランでは、デポズィット100万トマーンあたり、一ヶ月の家賃を3-4万トマーンと計算します。
 つまり、例えば、1千万トマーンのデポズィットというところを、500万トマーンにして、毎月15-20万トマーンの家賃を払うのです。


 私が住んでいるアパートは、築25年以上という古いアパートです。革命前に新興住宅地として売り出した地区で、その当時はテヘランの郊外だったそうですが、今やテヘランの中です。ちょっと有名なところで周辺に比べると少し家賃相場は高めですが、まあまあ、いいところです。
 夫婦と子供2~3人で、平均よりも少し収入の多い家族が住む地区でありアパートだと思ってください。

 面積は100平米の日本で言う2LDK。三年前に全面改装済み。バストイレ電話に冷暖房がついていて、三階建ての二階部分。駐車場はなし。
 デポズィットは500万トマーン(約60万円)、月々の家賃が15万トマーン(約1万8千円)。
 本当なら家賃はもう少し高いはずなのですが、毎月でなく、まとめて払うからということで少し安くしてもらっています。(こうすると利息が付く分を引いてくれるのです)

 契約更新の時は、普通、100万トマーンくらいのデポズィットを増やすか、家賃を2-3万トマーン増やします。このように家賃のインフレ率が高いため、安いアパートを探して、三年に一回くらい引っ越す家族も多いようです。

 私の部屋をもし買おうと思ったら、日本円で1千万円以上必要です。他の物価と比較してみると、住宅は異常に高いです。


 私のアパートは古いため、間取りがゆったりしていますが、新しいアパートですと、60-70平米というものも多いようです。知り合いが建てているアパートなど、新婚用にと50平米という部屋もありました。

 子供が二人という標準世帯で、一ヶ月最低32万トマーン(住宅費抜き)が必要と言われているテヘランで、デポズィットを用意することも家賃を払うことも、はっきり言ってかなりの負担のはずです。みんな一体どうやって生活しているのだろうと不思議でなりません。


 私は諸般の事情からサロンの一角を作業場にしていて、二部屋あるうちの一つは物置兼客室となっています。ここには、よくイランへ来る友人などが預けていった荷物が戸棚の中に、そして日本へ帰る留学生から買い取った家具が置かれ、すっかり、アパートの中のアパートの様相を呈しています。(布団など、合宿ができるくらいあります)
 イランに旅行にいらっしゃる方で、テヘランのヌシとのシェアでもいいという方には部屋を格安でお貸ししますので、どうぞご連絡下さい。
 というのは半分以上冗談なのですが、調査などで来る友人が滞在する部屋となっています。これも部屋が広いからできること。これで風呂にバスタブがあれば最高だったのですが。


 ちなみに、なぜ私がこんな大きなアパートに住んでいるかというと、大学へ通うのに便利で、環境の良いところという条件を優先したら、小さなアパートが見つからなかったというのが一番の理由です。本当なら家賃をもっと安上がりにしたかったのですが仕方がないです。生活費の半分くらいは住居費で消えているような気もします。イランの物価が安くて良かった。

 以前にお話ししたように、イランでは家族は一緒に住むものという考え方が強く、また地方から来る学生もほとんどが寮に入ります。そうしたことから、単身者用のアパートに対する需要が少ないのだと思います。
 日本の1DKのような小さな部屋もありますが、大抵が、駐車スペースが余ったからここに部屋を一つ作ってみようか、とか、地下のボイラー室の隣にスペースがあるからここを部屋にしてみようかといった、「余ったスペース」を部屋にしてみましたというところが多いので、あまり条件がいいとは言えません。
 テヘランで学生がアパートを探すのは本当に大変なのです。
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